浮き牌切りと面子候補固定の比較
ドラ
打
唯一の浮き牌が。一見使いづらく手役もつきにくそうなのでを切りそうになりますが、を残せばツモで一通受け、ツモで234三色受け、ツモなら打と面子候補オーバーに受けることで両方狙うことができます。
つまりは、良形面子候補を作るだけの3~7の浮き牌よりも価値が高い牌です。強い浮き牌がある場合はそこを面子候補とみなして悪形面子候補落としと前回申しましたが、今回はカンチャンが234三色絡みの面子候補なので落とす面子候補がありません。
浮き牌も面子候補も残すなら、第3の選択は面子候補固定。固定するなら良形面子候補を残す打ですね。
なお、打を考えられた方もいるかもしれませんが、のかのを雀頭にする必要があり、面子候補不足になるためシャンテン戻し。にくっついた時の形も打に劣ります。トイツは雀頭候補。「面子候補としてのトイツ」と、「雀頭候補としてのトイツ」の区別がつくようになりましたでしょうか。
ドラ
打
唯一の浮き牌が。今度はいかにも使いやすそうなドラです。しかし、を残そうとすると、どこを切っても、「チートイツ1シャンテンになる受け入れ」か、「789三色1シャンテンになる受け入れ」を消すことになります。
一般的に「手役よりドラ」と言われますが、今回はドラが使えるようになるのは「変化」で、手役がつくのは「受け入れ」。
2シャンテンから使えるドラを切ることは滅多にありませんが、今回のように面子候補十分で、浮き牌のドラを残そうとすると、手役がつく受け入れまで減るので打点面でも有利にならない場合は例外的にドラを切ることになります。
現麻本ではドラとしましたが、この手牌が問題として出題された時はドラだったこともあり、切りを選んだ人はほとんどいませんでした。
しかし打としてを引いても、打と面子候補オーバーに受けることで678三色とチートイツの両天秤。
変化に関しても、を切った場合は
のようなテンパイになることも一応あります。見た目にとらわれると難しいですね。
大切なのは、「よりよい手を目指す」「一手先の手牌の価値を正しく評価する」ことです。
今回も問題を出題します。
問 天鳳段位戦の東南戦南4局です。開局時点で次の条件を満たす場合の、1位~4位までの持ち点を答えて下さい。
条件A 1位の打ち手が、流局時に4位になったうえに半荘が終了する可能性がある。
条件B 4位の打ち手の持ち点は、条件Aを満たす場合の最低点である。
条件C 3位の打ち手の持ち点は、条件A、Bを満たす場合の最高点である。
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