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ネマタの戦術本レビュー第161回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その11」

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二限目 講座5

 従来の何切る本で並びシャボの形が出てくると、大抵はそこを切ってリャンメントイツの形を残す問題だったこともあるためか、並びシャボは過小評価されがちです。確かに他のリャンメンターツよりは先に切ることになりますが、リャンメンターツを作る受け入れが2種8枚あるのですから、良形テンパイになる受け入れ優先の観点から他の悪形ターツよりは残します。

 二度受けの形であることも過小評価される理由の一つとして挙げられます。確かに実戦ではがかなり場に切られたために図Aから打とすることもあると思いますが、特に条件が無ければどの牌をツモる確率も同様に確からしいと考えます。良形テンパイになる受け入れの多さだけでなく、イーペーコー目があるので打点面でも勝りますし、鳴き手の場合はをチーしてリャンメンテンパイに取れ、しかも待ちは他家からみて盲点になるのでなおのこと並びシャボ残しが有利と言えます。

図Bはタンヤオがつくのでドラがだとしてもはっきりピンズ落とし有利。図Cもツモが3メンチャン、ツモでも高めイーペーコーなので、図Bほどではないですが図A以上に並びシャボ残し有利です。

 並びシャボを残さない例外が図D、ポンテンでも高打点なのでメンゼンで手を進めるメリットが低く、とあるので打としてもツモでリャンメンテンパイに取れるケース。他にも(タンヤオはつかない)とある場合も、ポンテンは低打点になりますが打ならシャボ待ちが残るツモでも字牌待ちになるので打に分がありそうです。

 図Dの牌姿でドラが無い場合はどうでしょうか、これならポンテンでリャンメンテンパイになるとは言え安手になり、チートイツ1シャンテンにも取れるので、最高でツモり四アンコまでみていっそのことの1メンツを落とすのが面白そうです。

講座6

 図Aは当然役牌残し。すぐにテンパイした場合はよりシャボが残る方がアガリやすいですが、中の方が出アガリしやすく中が出た方が高いので気にするほどではありません。

 図Bは少し迷います。役牌シャボ待ちがリャンメンテンパイと同程度にアガリやすいことを考慮すると、先にを引いた場合は安めが残るとはいえ待ちが残る方が有利であることが多そうです。

 ただを引くより先ににくっつく牌を引くことが多く、その場合はを落としていた方が有利になることが多いこと、祝儀有りならツモアガリで一発裏の祝儀が3倍になるので出アガリ率が落ちるデメリットが緩和されることもあり役牌トイツ落としが有力なことが多いでしょうか、数牌トイツがカンチャンでカンチャンが埋まれば平和がつく場合は微妙、つかない場合は基本カンチャン落としでしょうか、この辺りは場況で打牌選択が変わることも多そうです。

 図Cはピンズがリャンメンなので先に数牌トイツが変化する可能性が高くなったので、その分役牌落とし側に分があることが言えます。

 図Dのように2シャンテンになると、メンゼンでテンパイするより前に中が出て鳴けることが多くなるので、仕掛け込みならメンゼン限定のリャンメンと同程度かそれ以上にメンツになりやすい役牌トイツの価値が高まり、タンヤオ絡みの悪形面子候補より優先して残します。トイトイへの変化がある場合はなおさらですね。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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