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ネマタの戦術本レビュー第190回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その40」

ネマタの戦術本レビュー第190回「フリー麻雀で食う 上級雀ゴロゼミ 著:雀ゴロK その40」

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五限目 講座1

 結果がそのまま順位点込みの収支に反映されるオーラス、しかも着順が変動しやすい僅差の局面ほど重要です。雀荘ルールはトップの比重が大きいですから、その中でもアガリトップの時の打ち回しがとりわけ戦績に大きな影響を与えると言えます。

 オーラスとなるとどうしても逆転手の手作りが重視されがちですが、大差になればなるほど最善を尽くしてもアガリに結びつかないことが多くなるので、まずはアガリトップの時に最もアガリ率を高めるように打つにはどうすべきかをしっかり身につけておきたいところです。

 前回の「鳴き過ぎ病」にも見られるように、平場であれば言われるほど打点よりアガリ率重視とは言えないのですが、それでも全体的に見ればアガリ率優先型に勝てている打ち手が多いのは、アガリトップのように戦績に大きく影響する局面でのミスが少ないためではないでしょうか。

 図A、Bのように打点が不要であればメンゼンの手でも前章で取り上げられたような、鳴き手におけるシャンテン変わらずの鳴きの技術がそのまま使えます。図Cの手からをツモった場合は、メンゼンで最も手広いのは打ですが、鳴いた時にリャンメン以上の待ちが残るようにリャンメンを落とす方がアガリやすいです。

 図Dは「新次元麻雀」でも同様の牌姿が取り上げられていました。異論もありそうですが、面子候補が足りてない段階で悪形を面子にできて、役牌の重なりが3種残っているのであれば鳴いた方がアガリ率で勝るとみます。リャンメンであればもちろんスルーするところです。

講座2

 アシストは知らなければなかなかできない選択です。攻めと降りの二択が基本というところから麻雀を覚えられた方は、自分のアガリが厳しい時に、放銃回避以外に何ができるかを常に意識しておきたいところです。

 着順が落ちる可能性がある場合でも、降りるよりは差し込んだ方が着順のうえで有利である場合もあるので、高打点の可能性があるから差し込まないと決めつけるのは早計です。

 ただし注意すべき点がいくつかあります。一つは、アシストという概念が無い(あるいは、知っていても本書にあるような理由で嫌っているのでやらない)打ち手が結構いるように、着順が変わらないアガリを嫌う打ち手も結構いるということです。そのようなタイプの打ち手が仕掛けてきた場合は、手牌の組み合わせのうえでは低確率でも、本当に逆転手になっている可能性が高いということです。

 もう一つは、素点と祝儀がある以上、ほぼトップが確定している状況で、振ってもトップだからという理由で差し込みにいくのは収支戦では損な選択であることが多いということです。このあたりは順位戦か収支戦かで打ち方を変えるべきところと言えます。

 このあたりは個別の局面によって判断が変わるところなので一般化は難しいですが、アシストや差し込みをする方がより有利と言えるような状況になってからそうする選択もあるので、するかしないかをすぐ判断せずに柔軟に構えるつもりで打つ方がよいと思います。

 アシストをあまりしない人にもよくする人にも言えますが、90%勝てると言える選択肢が見つかってそれが正しいと思い込んでしまうと、実は95%勝てる選択肢が存在していたとしてもなかなか気付けません。裏目の10%で負けてしまった場合、それが本当についていなかっただけなのか、より有利な選択肢がなかったのかどうか冷静に判断したいものですね。

本記事に関するご紹介

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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