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ネマタの天鳳日記 第35回

ネマタの天鳳日記 第35回

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 配牌でいきなりこんな手が入りました。俗に言う、「オバケ配牌」。こんな手こそ少しでも収支がよくなるように集中したいものです。西から切っていますが、これだけの手牌なら白がかぶったところでアガリ逃しにならないことが多いので、万一の四風連打をケアしてから切った方がよかったかもしれません。

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 もしがドラでないなら、完全1シャンテンに取らない打がよいとみます。赤+高め三色なら、共通の受け入れを引いた場合もソーズの3メンチャンよりマンズのリャンメンが残る方がよいので打か打

 打ツモでテンパイを逃しますが、引きで更に手広い雀頭無しの1シャンテン。ツモなら今度はソーズの3メンチャンが残りを使い切れる1シャンテンになります。

 頭頭くらいの1シャンテンなら、引きの良形変化をみるよりはテンパイ優先で打とすることが多いですが、頭頭から打とするように、受け入れが4枚減る代わりによりよい変化が4種程度あるなら受け入れを狭めて変化を見るというのが一つの目安です。

 しかし今回はドラで満貫以上確定。これならツモ引きでも待ちが残る方がよさそう。

 どんなに優れた1シャンテンへ変化したとしても、をポンしたタンヤオドラ3の3メンチャンテンパイほどではないとみて、打でアガリやすさを重視するのが無難そうです。

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 しかし今回は満貫ツモはまだ3着、跳満ツモで2着、倍満ツモでトップならということであえての打。正直判断に自信があったわけではなく、この手牌ならどうせアガれるだろうからなるべく高い手にしようと高を括っていたことは否めません。

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 リーチがかかったうえに打ならここでテンパイしていたはずのツモ。しかしこの1シャンテンなら次巡何を引いても降りずに勝負するところ、それならここで現物を切ってテンパイ率を落とす打よりは打で手広く受けます。

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 打なら一発ツモだったを引いてテンパイ。ダマでも満貫以上確定でが現物とはいえ、は2枚のみ。ドラを勝負となるとダマでもテンパイは読まれそう。今回は即リーチがよかったように思われます。

 ただ、現物待ちでリーチを打つかどうかの判断は、画一的に決めない方がよいことも多いと思います。どんなにアガリ牌が山に残っていても、自分のツモ筋に無ければ他家が出さなければアガれませんが、他家の手牌で浮いていて、すぐにでも切られる牌が待ちになっているのであれば、それこそアガリ率は100%に近くなります。

 もちろん、「すぐにでも切られる」ことを読めることはほとんどありませんが、ダマのままリーチ者から出るなりツもるなりしてもそれほど損ではないのなら、脇からの出アガリに期待して一旦ダマ、手牌から抜き打ちしてくることが期待できないと判断してからリーチもアリではないでしょうか。

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 どのタイミングでリーチするのが「最善」であるかは何とも言えませんが、親の落としはスジなので回し打ちもありますが、ここでを手出しで合わせ打ちならベタ降りで出アガリは期待できないとみてリーチしました。

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 裏は載らなかったので一発でも跳満止まり。アガれたのはただ運が良かっただけですが、あまり最善にこだわり過ぎると、瑣末なところばかり気にして大局を見失ってしまう、あるいは、最初の判断が実は間違っていたにも関わらず、その判断が正しいと思い込んで最後まで間違うといった結果に大きな影響を与えかねないミスをしがちなので、一旦ダマにしても、「やっぱりリーチ」と思い直したらあまり気にせずツモ切りリーチすることにしています。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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