2月2日(金)に、日本麻将体育協会が主催する中国麻将の「第15期研究リーグ決勝戦」が行われ、雀サクッTVにて配信されます。
→【2/2(金)12:30】【中麻】第15期研究リーグ決勝戦【日本麻将体育協会】
このコーナーでは、「日本麻将体育協会」の田中実さんに中国麻将のルールを紹介していただきます。
(1)日本マージャンとの違い
(2)8点縛り
(3)フリテンでの出アガリと点差のお話
(4)中麻らしい役
(5)片アガリから真のリャンメンへ
(6)中麻らしい役その2
(7)条件戦の楽しみ方
条件戦の楽しみ方
素点評価ならば、とにかくたくさんアガれば優勝に近づきますが、順位点のみを競うシステムでは、最後は自分がトップを取るだけでなく、特定の並びも必要になることが多いです。
その際の打ち方は、単にアガリを目指すときと大きく異なります。それぞれの選手にとって、都合が良いことは何かがわかると、より放送を楽しめると思います。
昨年の「第14期研究リーグ決勝」を例に考えてみましょう。
システムは今期と同じく各一荘のトップに3ポイント、2着に2ポイント、3着に1ポイント、ラスは0の「3-2-1-0」方式。
決勝はリーグ戦の成績を持ち越して3回戦。
同点の場合は期首順位上が上位。期首順位は上から「鈴木・内田・張・小田」
1回戦を終えて
鈴木(37)
張(36)
小田(35)
内田(33)
鈴木が2番手に3ポイント差をつければ、コールドゲーム。内田はもちろん小田もかなり大きな差、といえます。
小田がどう打ったのかに注目してみます。
西3局、鈴木+10・張△109・小田+200・内田△101
小田が大きなリードを得て、この局もテンパイ一番乗り。
小田は内田からも張からも見逃し。この並びのまま終われば
鈴木39
小田38
張36
内田34
で最終戦に入ります。
期首順位は小田が下のため、鈴木と2着順つける必要があります。
小田としては、張・内田が2人とも目なしになった中での2着順条件は厳しいので、この回で鈴木を内田か張の下にしたかったのですね。
結果は鈴木から出アガリし、2着めの鈴木と下2人との差を少し詰めることはできました。
第3回の点差の話でも触れましたが、着順操作には直撃よりも他者にアガらせることが大切です。
なので、小田は直撃できてシメシメではなく、アガらないでいるうちに鈴木にアガられたら元も子もないから、直撃ならアガれないよりマシ程度のもの。
できれば、張か内田にアガってもらいたいのです。
苦労して、鈴木からとったものの西4局は、小田が鈴木にお返し。結局、2局かけて鈴木と内田・張との差は開くことに。
北1局、小田+208・内田△117・鈴木+34・張△125
残り局数が減ったため、鈴木の2着以上は安泰となってきました。
小田は内田にがんばってもらいたいのですが、内田の立場からは小田までまくってトップにならないと意味がないので、少しでも差を詰めておこう、という打ち方はできないのです。自身のアガリはあまり望んでいない小田が、早々にテンパイ。
(局中、暗カンは4枚とも伏せられています)
ツモ打でさらにアガりやすい手になった小田、内田から出るも見逃し。
鈴木の着落ちもなさそうだが、自身と鈴木の差もけっこうあるので、僅かな可能性にかけたわけですが、結果は最悪。
鈴木が一色三歩高をツモアガリ、24は32オールで小田と鈴木の差が一気に46点まで詰まりました。
このあと、北2局と北3局も鈴木がアガり、小田を突き放し最終戦を待たずに鈴木の優勝が決まったのでした。
このときは小田の狙いが裏目に出て、大差でコールドという結果になりましたが、そこに至る四者の思惑を汲み取って見ていただければ幸いです。