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大貝博美プロの麻雀マナー講座 第8回

大貝博美プロの麻雀マナー講座 第8回

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 ~「麻雀界 第11号」より転載~ 

 トラブルの種類は様々あって、その対応も店によっても違うこともしばしば。
 今回は大貝プロが、起こりやすいトラブルを分類。全部覚えて大貝プロの裁定とともにグッドマナーに努めよう!

 

韓国麻雀界との交流

 先日韓国に行ってまいりました。主たる目的は韓国麻雀連盟との交流です。

 交流と言えば聞こえはいいのですが、要するにただ麻雀を打ってきただけのことです(笑)。

 採用されているのは一発・裏ドラありの一般的な日本ルール。韓国でのこのルールの定着には、ネット麻雀の普及も無関係ではないでしょうが、日韓双方多くの方々の努力があるのも確か。頭が下がる思いです。

 ちなみに、韓国は賭け事がご法度のお国柄につき、当然ノーレート。

 また、私にとって不幸なことに、卓内は全て禁煙となっています。韓国にはこんなお店が3店舗ほどあると聞きました。

 お店に着いたのは夜8時すぎ。最初は2卓稼動していただけですが、9時頃からは引きも切らず来客があります。

 「平日なのにすごいなぁ」などとノンキに眺めていた私、半荘2回を打ち終えてホテルに帰ろうとしたところ、「今日はみんな日本のプロと打ちたくて集まってるんですよ。もう少し長く、できれば全員と打ってもらえませんか」と韓雀連の会長さん。

 はいはい、喜んでおつきあいさせてもらいますよ(涙)。というわけ で、朝6時までしっかり打ってきたのです。

 コミュニケーションにはなんら問題ありません。とはいっても私が韓国語に堪能というわけではなく、彼らは日本語もちゃんと勉強しているからなのですね。発声や申告も「ツモ。センサンビャクニセンロッピャク」と、それは見事なもの。「アニョハセヨ」しか知らない私とは大違いです。

 

マナーのレベルは発展中!?

 麻雀の内容に関しては、残念ながらまだ日本のレベルに達していないのかもしれません。『一発だけは消さなきゃ』とリーチ宣言牌をポンして手詰まりを招いてしまったり、ヤミテンでも足りる点棒状況でリーチを選択して取りこぼしてしまったり。

 まあこのあたりは経験を積むことによって解消されていく部分なのでしょう。そして肝心のマナーについては、日本のレベルとはもう少し大きめの隔たりがあるようです。

 仕掛ける際に開示の前に打牌してしまうとか、牌の扱いが雑であるがゆえに見せ牌が頻繁に起こるとか。他家がアガった時にはそのアガリ手の確認もしないまま、自手を公開して裏ドラチェックや山の掘り返しにかかったりすることもあります。

 そんな中、何も言わずに延々とおとなしく打っていた私。私にしては珍しいことですが、外様であるうえに言葉の壁も少しだけありまして。

 作法自体は教えられても、なぜそうすべきかを納得してもらうのが難しいかと。でももしまた行くことがあれば、次はきっとお節介の虫が騒ぎ出すと思うのですが。

 

何かが違う見せ牌のマナー

 さて今回は見せ牌についての話です。

 昨今「見せ牌の規定はありません。ただし悪用はしないでください」と、ルール表に記載するフリー雀荘が増えたように思います。

 以前は「指摘された場合は出アガリできません」というルールが主流だったと記憶していますが。まあお客さん同士で指摘するのも難しいものがありますし、お店としても裁定せねばならないケースは少ない方がいいでしょうから、この傾向に物申すつもりはありません。単にルール上は見せ牌でもアガれるようになった、という話です。

 こういう変化の中、今でも手牌の一部を倒した時や山の牌をこぼした時に自己申告する人がいます。たいてい若い人なのですが。

 「〇〇(牌の呼称)見せ牌」とか「〇〇チェック」とか言うわけですね。そこで私が「見せ牌の規定はないみたいですよ」と言うと、「いや、僕は見せた牌ではアガらないと決めていますから」と胸を張ります。

 その意気、大いにけっこう。ただ、こういう人に限って牌をよく見せるんですよ。もう本当によく、「1局1枚」をノルマとしているかのごとく頻々と。

 そしてその都度「どうです、マナーがいいでしょう」と言わんばかりのドヤ顔で「〇〇チェーック」とくるわけです。こんな時『うーん、なんか違うよなー』と思うのです、私。

 他家のツモ牌をこぼした場合、まず口にするべきは見せ牌の申告ではなく「すみません」ではないでしょうか。自分の牌を倒した場合は誰にも迷惑をかけていないようですが、それでゲーム性を著しく損ねる可能性もあるわけですから、やはりまず謝罪すべきだと思うのです。しかるに自己申告を信条とする人の多くは、なぜか謝ることは信条とされていないようですね。困ったことです。

 そしてこの件に関しては、実は謝ることと同じくらいに大切なことがあります。「見せ牌をしないよう、牌を丁寧に扱う」ということです。

 見せ牌を防ぐためにできることはいくつか考えられます。例えば、

①強打を避け、常に一定のリズムで摸打する。

②少なくなった牌山は誰もがツモりやすい位置、なおかつ自分が捨て牌しづらくない位置に寄せる。

③ツモった有効牌は手牌の上に置くのではなく、利き腕の側の端につけてから打牌する。

④壁打ちをしない。

 こんなところでしょうか。なお④の「壁打ち」という言葉は「手牌全部を手前のフレームにつけて摸打する打ち方」の意味ですが、はたしてこれが市民権を得た麻雀用語かどうかはわかりません。しかし原稿の文字数制限もあるため、便宜上使うことをご理解ください。

 

強打の原因となる壁打ち

 この際、その壁打ちについてもお話しておきましょう。「壁打ち禁止」と明示したお店は見たことがありませんが、私のイメージの中で「壁打ち」と「強打」と「見せ牌」は三点セットになっています。

 もちろん壁打ちしながらもソフトに丁寧に打てる人も中にはいるでしょうが、あくまで「総じて」という話です。

 フリーでご案内された卓に壁打ちしている人がいると、『君、ここ一番で絶対強打するでしょ。牌もポロポロこぼすんだろうね』と心中で語りかけ、そして概ね正解しています。

 相手リーチのマチは当たらなくても、こっちの予想はけっこう当たるんです。ウソだと思われている方がいらっしゃったら、さっそく今日から壁打ちウォッチングにかかってくださいますように。

 では、なぜ壁打ちが強打の原因になるのか、その因果関係は残念ながらはっきりと把握できてはおりません。捨てる動作が横回転ではなく縦回転になることに起因していそうですが、これもあまり説得力はありません。

 大昔は見られなかった壁打ち、その発祥はとある会の打ち手たちだと私は信じているのですが、その会に「突き刺すように強く切れ」という教えがあったことと関係があるのかもしれません。

 

壁打ちと見せ牌の関係性

 一方、壁打ちと見せ牌の関連性は明らかです。以前にも書いたかもしれませんが、卓のフレームに表面が接している牌に何らかの力がかかった場合、一方向(つまり表向き)にしか倒れようがないのは当たり前の話です。

 当然、フレームの反発も関係があるでしょう。卓上にコインを置いて、そのまわりを拳で叩けば、コインは跳ね上がります。ツモ牌をフレームに当てる都度、逆向きの力がかかる、これも同じことですね。

 ツモるたびにカチャカチャと耳障りな音がすることも合わせ、壁打ちにいいことは何ひとつありません。今その打ち方をされている方には、一刻も早く普通の打ち方に戻されることを強くお勧めします。

 

謝る心が一番重要

 見せ牌について書くつもりが、余談の方が長くなってしまいました。

 大事なことなので重ねて申し上げますが、牌を見せてしまった時はまず謝ることを忘れないようにしましょう。そして、それ以前に粗相をしないための丁寧な牌の扱いをしっかり身につけましょう。

 

手本となるべきマナー

 過日、国際ルールについての記事を目にしました。「中国麻将」とも呼ばれるこのルール、世界選手権やヨーロッパ選手権の開催もあって海外での人気・競技人口は急上昇中のようです。そういった大会での外国人選手たちの合言葉は「ゲーム運びの巧みさでは日本人に勝てなくても、マナーの点では負けないようにしよう」なのだとか。

 我々日本人としては彼らに追い抜かれないよう、また常に彼らの手本であれるよう、心していきたいものですね。

 それでは今回はこのへんで。皆さんの麻雀ライフがより豊かなものになりますように。

 

著者:大貝博美
プロフィール:昭和35年、東京都生まれ。101競技連盟所属。第22・30期王座。ファミレス店店長を経験後、競技麻雀に惚れこみ、麻雀プロの世界に足を踏み入れる。

 

出展:本ページは(株)日本アミューズメントサービス様からの転載許可に基づいて掲載しております 

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