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ネマタの麻雀講座 第18回 「リーチ判断 その4」

ネマタの麻雀講座 第18回 「リーチ判断 その4」

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 前回は中盤(9巡目)のダマ4翻手の先制リャンメンテンパイは概ねリーチでよいという話でしたが、これが終盤、14巡目(残りツモ4回)であればどうでしょうか。

 14巡目の先制リャンメンテンパイなら、リーチアガリ率は約40%、ダマアガリ率は約50%、リーチすると全員が降りて出アガリが期待できないのであればアガリ率は約25%になります。アガった時の平均打点と合わせると、

ダマ:0.5×8000=4000
リーチ:0.4×10800=4320
リーチ(全員降り):0.25×12000=3000

 他家が全員降りれば自分が失点するケースが無くなり、一人テンパイであれば3000点の収入あるので、実は全員降りる仮定だとしてもまだ期待値上はリーチ有利なのですが、巡目が深くなるとリーチの優位性が下がっていると言えます。こういった大差無いケースであれば、アガリ率を優先して基本はダマをお勧めします。

 理由はいくつかあります。一つ目は、終盤のリーチに、他家がこちらに通っていない牌を止めたとしても、流局すれば必ずノーテンという仮定があまり実戦的ではないということです。リーチが入れば基本降りる手であっても、終盤なら待ちが絞れていることが多いので、危険牌を引かずにテンパイすることもありますし、危険牌を止めつつテンパイできる場合もあります。その危険牌が本当に当たり牌であれば、アガリ逃したうえに、その他家からテンパイ料を取ることもできないことになります。

 二つ目は、麻雀が素点だけでなく着順を争うゲームであるということです。満貫をアガることで他家と点差を付けることができれば、それだけトップ率も上がり、トップを取ればルールによって変わりますが、素点にして数万点の価値がある順位点を獲得できます。この順位点は、ダントツであっても僅差のトップであっても変わりません。それなら、素点で見た場合の期待値で大差ないのであれば、点数状況的にどうしても跳満にする必要があるというのでもないなら、基本は満貫のアガリやすさを優先した方がよいでしょう。

 三つ目は、ある程度リードしている局面の方が、多くの打ち手にとって打ちやすく、アガリ以外にも有利なゲーム回しをしやすいためです。安手ならアガリやすい手でどこまで高打点を追うか、降りるだけなら簡単な1シャンテンでどこまで押すか、勝っているなら鳴き手にアガらせてもよい局面で、どこまで絞りつつアガリを目指すか…打牌選択が難しくなるのは、多くの場合自分が負けている局面です。「ある程度リードしている局面」の頻度を増やすためにも、アガリ率と打点の比較で迷うケースは、アガリ率を優先しておくのが無難ではないでしょうか。

 期待値上で大差がある場合でも、安定志向でアガリ率を優先してしまう傾向は多くの打ち手に見られるので、ダマ30符3翻以下の手を何となくダマにしてしまうことが多い方はどんどんリーチしていくことをお勧めします。ただし、微差の場合は、安定志向が有利になりやすいので迷ったら無難な選択をとっておくというのも、麻雀に勝つうえでは重要な考え方です。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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