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ネマタの手組の達人 第10回

ネマタの手組の達人 第10回

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手組について取り上げられている麻雀本の多くは、配牌に浮き牌が複数ある場合にどの牌から切るのがよいかという話から入ります。今回の手牌であれば、があるのでツモでもターツが出来るのでは不要。を残しておくとツモでのリャンカンができる。は将来安牌になりやすいのでより残す。よって打とするのが一つのセオリーです。解答でも半数の方が打を選ばれました。

…果たして本当にそれでいいのかというのが今回の問題。手組を数字で表してみると、この手牌は「22221」の4シャンテン。1メンツも無いので、トイツがあるとはいえ配牌全体の中ではアガリにくい部類。ほぼ切り出すことになるのであろう端牌との比較なら、安牌になりやすい客風のを残しておくに越したことはないでしょう。

を残すのであれば打と打の比較。打とした方がアガリやすいのは確かですが、アガリ率で表せば何%程度の差になるでしょうか。

例えば、1シャンテンでカンとカンのターツ選択になった場合。端寄りの方がアガリやすく、良形変化の枚数は変わらないので基本はカンを残すことになりますが、テンパイ時点で比較しても、カンでリーチした場合とカンでリーチした場合のアガリ率の差は3%程度。先にカンチャンが埋まることも、手変わりしてリャンメンになることも、そもそもどちらを選んでもテンパイしないこともあるので、1シャンテン時点のアガリ率の差は更に低いものになります。1シャンテンの段階でこれなら、4シャンテンの段階で端牌の切り順がアガリ率に与える影響はそれこそ微々たるものです。

それなら滅多にならないと言っても、うまく手役が出来た時の打点に着目した方がよいのではないでしょうか。アガリ率は0コンマ以下の比較になることが多々ありますが、打点は1翻で倍になるので微差同士の比較でも結果に与える影響は相対的に大きくなります。

ならマンズの一通、ホンイツの目が残り、次のように残しが活きる鳴いて満貫のアガリになることもあります。

 ツモ チー ポン  

だいぶ都合の良いツモを想定していることは否めませんが、をポンして手を進めたところで安くて遠い手になりやすく、かといってを鳴かないようではアガリ自体がかなり厳しい。それならうまくツモが噛み合った時に高い成果が得られるように、安牌や遠い手役絡みの牌を残す打に分があると判断しました。

その他としては、どうせのみにはしないからとから切り出す選択が考えられますがこれはやり過ぎ。配牌の段階でより先に切る必要性が特にありません。とはいえから切ってホンイツを見据える打ち手と、ホンイツを意識できずにヤオチュウ牌から切り出す打ち手とでは前者が勝るというのも事実でしょう。

配牌から何を切るかからスタートする戦術書ではこのような遠い手役を意識させることは難しいですし、かといって先に手役を意識させるやり方ではアガリを目指すうえでの基礎が身に付きにくい。『現麻本』ではこのことを踏まえ、先にアガリに近い段階の手組を取り上げ、アガリに遠い段階の手組は後回し。アガリに遠い段階の浮き牌の切り順の記述は基準を挙げるに留め、字牌を活かす手組については具体例も踏まえて取り上げさせていただきました。

手組の達人第11回

 ドラ

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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