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脱サラMリーガー・永井孝典「麻雀の世界1本でやっていこうと決断したきっかけは二階堂亜樹さんのお言葉です」 Mリーガー列伝(50)

脱サラMリーガー・永井孝典「麻雀の世界1本でやっていこうと決断したきっかけは二階堂亜樹さんのお言葉です」 Mリーガー列伝(50)

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 Mリーグ2025-26シーズン開幕前、EX風林火山『ドラフト会議指名選手オーディション』で優勝した永井孝典選手はドラフト指名を受け、17年間勤めていた会社を退社。関西から関東に生活基盤を移し、39歳でMリーガーとなったその素顔とはーー

麻雀との出会いはいつ頃ですか?

 麻雀と出会ったのは高校生の頃だった。「テニス部の同級生の家に麻雀卓があったんで、ちょっと遊んでみようと井出洋介さんの東大式麻雀入門書を買ってやってみたら、すぐに夢中になったのが始まりでした。大学の周りにも麻雀店がめっちゃあったので、仲のいい友達たちとよく打ってましたね。下宿だったんで授業、テニス、麻雀、バイトというサイクルの毎日でした」

「今の性格にもつながっているんですが、幼少期から活発でおちゃらけている性格でしたね」
「中学、高校、大学、社会人でもテニス一筋で、テニスコーチをやっていた時期もありました」

プロ入りされたきっかけは?

 大学卒業後は化学メーカーに入社した。「会社の独身寮に入ったら、麻雀をやる人が多かったんです。それで会社に了承を得て、安い全自動卓を購入して共有スペースに設置しました。仕事が終わったらすぐに麻雀できたので、誰かが眠くなって自分の部屋に戻ったら、抜けた席には他の誰かの部屋をピンポンすれば、すぐ4人そろうんです(笑)。データや統計を取ることが好きだったので、会社仲間との麻雀でも打牌選択の期待値等のデータを自己流で集めて研究してました。この研究はすごく面白く、プロになったらもっといろんな数値を突き詰められるんじゃないかと思って、33歳の時にプロ入りしました」と最高位戦日本プロ麻雀協会に入会し、関西リーグを拠点としてプロ活動を始めた。

永井選手の麻雀をひとことで言うと?

 「リーチしてツモる麻雀です。配牌を見たら、まずはどうやったらリーチできるのかという手順を考えます。リーチがむずかしいと感じたら、守備的に構えるか、鳴いてアガることを考えています」

「スペシャルスパーリングパートナー(SSP)」としてどんなことを?

 EX風林火山はチームメンバーの練習相手となるSSPを大会形式オーディション『IKUSA』で決定する。永井選手は『IKUSA2024』で優勝し、SSPとなった。「私のような無名な人がタイトルを取るためには数多く打つしかないんで、プロアマ問わず出られる大会は関西から遠征してなんでも出ていました。その中のひとつが『IKUSA2024』だったんですが、勝てたことは自分の実績にもなるので本当に嬉しかったですね。せっかく頂いたチャンスを活かして、自分の麻雀人生のプラスにしたいなと思い、EX風林火山の月イチ練習会をはじめ、各種イベント、楽屋応援等には会社に休暇届を出して自腹で来てました。勝又健志さんはチーム内でも先生と呼ばれているんですが、まさにその通りで、麻雀の知識はもちろんですが、イベントなどにおけるプロとしての立ち居振る舞いから仕事の選び方まで様々なことを教えてもらいました」

「SSPの頃から勝又さんにしか出来ない手牌構成の手順など、自分に無かった思考を吸収させてもらえる環境はありがたいですね」©︎ABEMA

『ドラフト会議指名選手オーディション』のために準備されたことは?

 Mリーグ2025-26シーズン開幕前、EX風林火山『ドラフト会議指名選手オーディション』に『IKUSA2024』優勝者枠で出場した。「平日は会社員で土日しかプロ活動ができない私は一番実績もなく無名でした。他の選手より練習量も雀力もあきらかに足りていない私が勝つためにはどうするのかを考えました。具体的にはレギュレーションを分析して、どういう着順配分だったら予選通過率はどのぐらいなのか等、あらゆるパターンをシミュレートしました。実際、初戦はラススタートだったんですが、想定していたので焦ることなく戦うことが出来ました」と見事優勝し、ドラフト指名権を獲得した。

退社を決断されるまでの経緯は?

 EX風林火山からドラフト指名された永井選手は、22歳から39歳になるまで17年間、勤めていた会社を退社した。「実はドラフト指名オーディションに出ることは会社には伝えていなかったんです。どうせ負ける確率が高いと考えていたからです。勝てる確率は、実力関係なしに10%程なので、90%はこれまでと同じ生活だと思っていたんです。それがたまたま優勝しちゃったんで会社に相談したら、東京にも職場があるのでそこで勤めながらMリーグに出場するという選択肢を提示してくれたんです。最終的には監督の二階堂亜樹さんの『私に期待している』という言葉に背中を押され、中途半端はダメだと思って退職し、麻雀の世界1本でやっていこうと決断しました。なので決断したきっかけは、亜樹さんのお言葉です」

Mリーグデビュー戦の印象は?

 永井選手のデビュー戦の対局相手は、多井隆晴選手(渋谷ABEMAS)、瀬戸熊直樹選手(TEAM雷電)、逢川恵夢選手(EARTH JETS)だった。「めっちゃ緊張していましたね。ファンの方、スポンサーさんを背負って戦うという経験は無かったんで、プレッシャーもすごかったですね。ただデビュー戦でたまたまトップが取れたことで精神的に楽になり、何を切るのかも迷わずに、自分が思うような麻雀を打てているのは本当にツイていて、それが好調の要因だと思います」とスタートダッシュに成功し、ポイントゲッターとしてチームに貢献している。

“三河の猛将”という異名はどのように決まったのですか?

 Mリーガーになるまで、永井選手に異名はなかった。「ドラフト指名オーディションで優勝が決まってから、Xで募集したら600通ほどの応募が来て、最終的には二階堂姉妹のYouTube『るみあきchanねる』で数ある候補の中から亜樹さんに決めてもらいました」

チーム内の役割は?

 チームは二階堂亜樹監督兼選手を中心に勝又健志選手、KADOKAWAサクラナイツから移籍した内川幸太郎選手、永井選手の4人で編成されている。「積極的に笑いをとっていくというか、私がチームのみんなにいじられたりして話題の中心になることで、チームの雰囲気を良くしていけたらと思っています。ただ関東は関西と笑いが違うというか、ちょいちょいすべり芸もやっています。すべったことで起こる笑いでも全然いいので、あまり刺さっていないことは気にしていないんですよね(笑)」

「趣味の競馬は大学の頃から始めたので約20年。野球は愛知県出身なんで中日ドラゴンズファンで、大島洋平選手が好きです」

麻雀を通じて身についたことはありますか?

 「コミュニケーション力は磨かれたと感じています。もともと人付き合いは好きなんですが、麻雀をしたらすぐに仲良くなれるので、人とのコミュニティがさらに広がったことは麻雀のおかげですね」

◆写真:河下太郎(麻雀ウォッチ)/取材構成:福山純生(雀聖アワー)

永井孝典(ながい・こうすけ)プロフィール

1986年8月10日、愛知県田原市生まれ。B型。最高位戦日本プロ麻雀協会、EX風林火山所属。『IKUSA2024』優勝、『EX風林火山ドラフト会議指名選手オーディション』優勝。趣味は競馬とプロ野球観戦。好きな漫画は『キングダム』。勝負めしはカツ丼

永井孝典 年表
年齢 主な出来事
1986 0歳 愛知県田原市で3兄妹の長男として誕生
1992 6歳 小学校では地域の少年野球に通う
1998 13歳 中学校ではテニス部に所属
2001 16歳 高校ではテニス部に所属、麻雀と出会う。
2004 19歳 近畿大学に進学しテニスサークルに所属
2008 21歳 住友精化株式会社入社
2019 33歳 最高位戦日本プロ麻雀協会にプロ入り
2024 38歳 EX風林火山 第二代プロ雀士SSP決定戦『IKUSA2024』優勝
2025 39歳 EX風林火山『ドラフト会議指名選手オーディション』優勝
EX風林火山からドラフト指名を受ける

 

 

この記事のライター

福山純生 (雀聖アワー)
雀聖アワー代表。
マージャン普及を目的とした様々な事業を展開。
好きな手役は門前混一色七対子。
雀聖アワーオフィシャルサイト:http://8141.info/jansei/

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