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ネマタの手組の達人 第35回

ネマタの手組の達人 第35回

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 ドラ

和了形を「23333」と表すなら、今回の手牌は「23222」2。いわゆる6ブロックの形。将来余剰牌が出ないように5ブロックに受けることが推奨されやすい手牌。回答もツモでもメンツが完成するので余剰牌が生まれない打が多数派でした。

「余剰牌が出ない」。確かにこれはメリットではありますが、あくまで、余剰牌が出るより受け入れが広くなりやすいことを意味しているに過ぎません。手組はあくまで「よりよい手牌」を目指すもの。余剰牌が出たとしても、その方が待ちの強さや打点で勝るならこの限りではありません。

今回の手牌からを引いて1シャンテンになった場合、打だと234三色になるには高めを2つ引く必要がありますが、他の選択なら高め1つで済みます。ドラ無しのこの手において、変化を経由せず満貫に届く受け入れは極めて重要。受け入れを4枚増やすために、4枚より多い牌で受け入れの質が劣ってしまうのは損と言えます。

は6組を維持する選択ですが、残りがいずれもリャンメンなので聴牌時に必ずリャンメンを残せます。三色が崩れるツモでも、聴牌時に必ずリャンメンが残る4種15枚受けの1シャンテンになります。

しかしピンズの形が(他に雀頭無し)との4種12枚受け。打か打としてツモなら、良形12枚、悪形8枚の6種20枚1シャンテン。こちらで取り上げられているように、良形1枚と悪形2枚を等価とみるなら互角に近いと言えそうです。

三色が崩れるツモですら互角ならば、悪形残りでも三色が残るツモの差で、打か打が勝ると考えられます。

と打では4連形が残る打を選ばれた方が多かったですが、ツモはメンツが完成するのでを残す意義は薄い。一方打ならツモで、

を落とせば三色に加え一盃口。トイツができるツモでもチートイツ1シャンテンの形に変化します。この変化があるので、今回は打に分があると判断しました。

 形に慣れるとつい、でもメンツが出来るからとを切りがち。「ロスが少ないように打つ」のが手組の基本とされてきたこと。「受け入れ全体を把握するのは難しいが、受け入れロスだけを把握するのは容易」というのがその理由でありましょう。

しかし、手組というのはどこまで行っても、「より価値の高い手牌」を目指すもの。その価値がアガリ率の高さや打点の高さや放銃率の低さであったりするのです。手拍子や付け焼き刃のセオリーで選ぶのではなく、一手先の形を想定して何を切り何を残すか選ぶようにしたいですね。

手組の達人第36回

 ドラ

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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