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ネマタの手組の達人 第36回

ネマタの手組の達人 第36回

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 ドラ

「23322」の形に取れるリャンメン2つの1シャンテン。7割以上の方が打を選択。1シャンテンに取ってへのくっつき期待。先にリャンメンがメンツになればを切って平和聴牌というところでしょうか。

私はこのような、「何切る問題にありがちな解説」に不満を覚えていました。確かに上記の解説の中に、事実に反する文言は一言も出て来ません。しかし、この牌を切るということは、裏を返せば他の牌は切らないということ。他の打牌に対して優れていることを示してこそ、問題の解説としてふさわしいのではないでしょうか。

前回の問題についてブログで少し補足させていただきました。手牌の組み合わせは無数にありますが、どんな手牌であれ考えることは、「残したターツがメンツになったら」「残した浮き牌ターツになったら」と一手先の形を評価すること。名前こそ「何切る」ですが、実際は何を残すかに着目することが重要。本記事のタイトルを「ネマタの何切る」にしなかったのは、実はこういう意図があったためでもあります。

今回の手牌についても、「リャンメンがメンツになった時の手牌評価」を考えてみましょう。打は先程やったので次は打。どのリャンメンがメンツになった時でもよいですが、仮にを引いたものとしましょう。

ならメンピンで聴牌しているところ。を残すとして切るなら打ですが、メンピン聴牌よりも優れた手になる受け入れは、打点込みでも含まれる程度でしょうか。手変わりを待つには4種はやや少なめですが、123三色で打点が大幅に上昇する変化もあるので悪くはないところ。ただし雀頭を崩しているので、ドラの引きでも聴牌しないのが少し勿体ないと感じてしまいます。

そこで第3の選択として打、リャンメン落としを考えます。同じようにを引いた形を考えます。

としてメンピン聴牌より優れた手になる受け入れは、打点も加味して。打とした場合より手変わりが多く、特に引きの2翻アップが大きい。聴牌から手変わりを待つ基準としてはこれでもやや少ないくらいですが、2翻アップの手変わりを含むとなれば話は別。今回は4巡目なので、聴牌を逃すツモさえ悪くないのだから手変わり狙いで2シャンテンに戻した方がよいと判断しました。いきなりリャンメン落としと考えると抵抗がありますが、に超浮き牌級の価値があるので、ついでに手変わりを更に強くするために三色絡みのまで残すと考えると分かりやすいかもしれません。繰り返しになりますが、「何切る」と言っても、実際は「何残す」が重要なんですね。

よって今回は打…と言いたいところですが、ターツをどこから外すのかよいのかという問題がまだ残っています。を引いた時にが雀頭になった方が高め123三色が残るのでならを切りますが、マンズ側のターツを落とす打があります。

マンズのリャンメンは自分でを1枚使っているので、ピンズ部分が雀頭やターツになって(ツモ)1シャンテン(「23322」)になった場合はソーズリャンメンを残す打有利。一方ピンズ部分が順子になって(ツモ)1シャンテン(「13332」)になった場合は、が残っていれば雀頭が完成するでも聴牌するので打残し有利となります。

ごちゃごちゃしてきたのでツモアガリ確率計算機の力を頼ってみたところ、打に分があるようです。後者のような3メンツある1シャンテンは元から和了率高めなので、前者のような2メンツ1シャンテン時に和了率を高める選択が有利になりやすいということでしょうか。よくある麻雀セオリー「弱いところをフォローする」にも通じる考え方。どんな複雑な問題も、答えを導くまでのアプローチは変わらないということに改めて気付かされます。

手組の達人第37回

 ドラ

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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