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ネマタの天鳳日記 第231回

ネマタの天鳳日記 第231回

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 役牌トイツはありますが1面子も無い手。をポンしてヤオチュウ牌から切り出していくと、「安くて遠いうえに守備力の無い」手になりそうです。

 このような場合はある程度アガリに近い形になるまで役牌を鳴かないつもりで打つというのも一つの手です。少なくとも守備力を考慮せずにただアガリを目指すよりはよいでしょう。

 しかしそれでは実際にアガリに結びつけることは難しく、アガれたとしても高い手にはなりにくい。よってこのような場合はホンイツのように、「アガリに更に遠くなるけど、ある程度高くてある程度守備力の有る」手にする方針で進めることをお勧めします。

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 ホンイツにならないメンツ候補はすぐに面子にならない限りは切っていくのでからでも鳴いてマンズ落とし。とてもアガれそうには見えませんが、マンズを残したところでアガリが厳しいので、アガれた時に高く、アガれなかった場合の失点を抑えやすいようにするということです。

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 思ったより手が進みましたがここで南家からリーチ。基本は降りることになりますが、浮き牌がいずれも通りやすい牌なのでツモ次第でアガリの可能性も一応残ります。通りやすい牌が残っていると先制テンパイが入った場合も、安牌を切りつつアガリの可能性が残る。逆に言えば、先制テンパイが難しい手の場合は、手が進む受け入れ枚数そのものにはあまりこだわる必要はないということです。「安牌を抱えていた方がかえってアガリやすくなる」とまで言えるかは分かりませんが、「それほど差がつかないから安牌を抱えておくに越したことはない」ということは言えそうです。

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 南家はと手出しする前にを切っていることからも通りやすい。ここから危険牌を引いた場合に確実に降りきれるとは限りませんが、これくらいならをポンしてアガリ目を残します。

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 特に放銃を避けたいラス目からリーチが入りますがくらいは勝負。今回は次巡以降危険牌を引いてもほぼ降りきれますが、4翻リャンメンテンパイの時点で「止めるべき危険牌」があることは少なく、止めるべきと言えるほど放銃率が高い牌があるのであれば、それ以外の牌は比較的通りやすいのですから、「安牌が無いから降りきれない」ということもないはずです。

 よって、「次巡以降危険牌を引いたら困る」という理由で、この時点ではテンパイ取りが見合う手をテンパイに取らずに降りるべきケースはほとんどないでしょう。打牌選択は過去や未来にとらわれず、あくまで現時点の手牌、局面で判断します。

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 は両方のリーチの現物ということもあり、安牌に窮した東家から出アガリすることができました。リーチ者の待ちは両者とも。南家はリーチ宣言牌のはツモ切りなのでテンパイ打牌は打待ちを読まれるのを嫌ったツモ切りリーチはいかにもありそうで、他の待ち候補もかなり絞れていることからだけは止めた方がよさそうです。

 実戦ではツモ切りリーチを失念していたこともあり、をつかんでいたら止め切れずにダブロンされてそうです。止めるべき危険牌を止めきれずにギリギリまでアガリを目指して痛い目にあったことは数知れませんが、悪いのはアガリを目指したことではなく、止めるべき牌を止められなかったこと。あくまで現時点でのベストを追求するスタンスで打ちたいものです。

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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