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第18期雀王決定戦 最終日観戦記 著:佐治敏哲

第18期雀王決定戦 最終日観戦記 著:佐治敏哲

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堀慎吾プロが優勝した第18期雀王決定戦最終日の戦いの観戦記!著者は第17期新人王佐治敏哲プロ(@toshiaki_25)です。

当観戦記は日本プロ麻雀協会公式HPにて公開されたものの転載になります。

日本プロ麻雀協会公式HP

1日目観戦記 
2日目観戦記
3日目観戦記 

16回戦(矢島→堀→渋川→金)

快晴で迎えた最終日。
堀は残り5回戦のうち1トップをとればほぼ決まり。その自覚もある。
2番手の矢島が追いつけるかが焦点となる。

○東1局
 ポン  ドラ
親の矢島は序盤から仕掛けてホンイツへ。
安手の連荘を拒否し、トップを狙う。

 ポン ドラ
堀が1枚も余らず清一色テンパイ。
アガれば決定打になりうるが・・・。

 チー  ツモ ドラ
染め手合戦を制したのは渋川。
満貫ツモでまずは先行。

○東2局
 ドラ
矢島が3巡目に高め三色リーチ。

これを受けて、親の堀の手順がスゴい。

ここからワンチャンスのをサラッと切ると
 ツモ ドラ
次巡、も押した。
無筋な上に、シャンテン数も下がっている。
押し返す上でアガるための良形意識だ。
1番打ちたくない相手のリーチに、勇気ある選択。

ドラ
矢島の高めを吸収してリーチ。
アガリを予感させるが、そこは麻雀。
さらにを掴み8000の放銃。

ここから矢島が猛チャージを見せる。
 ポン ロン ドラ
 ツモ ドラ 裏ドラ
 ツモ ドラ 裏ドラ

一気に49000点まで伸ばした。
あとは堀を4着にすれば第一関門突破だ。

○南4局1本場

堀が2000/4000で逆転2着。
イーシャンテンの段階で
4巡目
 ドラ
ポンの3着でも良しの打
ソーズを払って柔軟に構えると思ったが、状況判断がハマった。

「オレの麻雀ってかっこいいよね」
まだ4回残っているが、堀はいい意味で心に余裕が見える。
矢島にトップを取られたとは思えない程リラックスしていた。

16回戦スコア ()はトータル
矢島+64.2(+57.2)
堀+5.2(+239.5)
渋川△16.5(△136.2)
金△52.9(△163.5)

17回戦(堀→渋川→矢島→金)

○東1局
 ポン  ドラ
堀が長い戦いを終わらせにかかる。
1トップでほぼ優勝なら、当然の選択だ。

しかしここは渋川がリーチでアガり1300/2600で望みを繋いだ。
 ツモ ドラ 裏ドラ

○東2局

国士無双テンパイ。は山に3枚。
しつこいようだが、アガれば終わりだ。


矢島が平和リーチ。なんと山に6枚生き。
堀が一発目に無筋を切る。河は明らかに国士だ。

 ドラ
高まる緊張感の中、十分形で金もリーチ。


勝ったのは矢島。
3900を堀から直撃した。
16回戦でも堀から直撃してトップを取っている。
矢島の可能性が、少しずつ現実味を帯びてきた。

○東4局1本場

ここから切りの2シャンテン戻し。
ソーズが高く、カンに固定せず柔軟に対応できる選択だ。
親であり、巡目を考えるとイーシャンテンとらずは怖い。
その勇気が最短のテンパイを入れた。


リーチ・ツモ・海底・一盃口。4000は4100オール。

このアガリで火がついた。
 ツモ ドラ 裏ドラ
 ツモ ドラ 裏ドラ
3連続のツモアガリ。
3つ目のリーチは矢島から見逃している。
4着目の堀を楽にしないために。
そう、400p差だろうと金は優勝をまっすぐ見据えている。

○東4局4本場

堀から8000は9200。
3度目の直撃。

ついに堀が箱下になった。
全てが真っ向勝負の放銃だが、これだけの貯金だ。
安全策、保留の一手を人は選びたくなる。

解説の出番待ちの鈴木たろうが参考になることを言っていたので書いておく。
「包囲網の時って、自分がオリちゃうと見逃しとか好き放題されちゃうんだよね。
だからこそオリないし、そのための手作りが大事。
よく狙われるから、こーゆー時の打ち方がわかるんだよね」

確かに、堀の放銃はどれも手を作ったからこそだ。
堀も包囲網の戦い方がわかっている。
リスクを承知で前に出続けている。

○南3局1本場

イーシャンテンを保ちつつ三色も見て
矢島が金に迫っており、連荘・トップは阻止したい。

 ドラ
絶好のを引いてリーチは矢島。
堀にとって最も恐れた展開だ。

ドラを引き入れ堀もテンパイ。
矢島の現物で高めが3枚切れ。ダマテンだ。
渋川からで8000は8300をアガリ3着に浮上した。

「金さんからは見逃すつもりだったんだよね」
オーラスの矢島の条件を意識していた。
矢島の親リーチを受けて、普通それどころではない。
逆境の中で冷静な判断が光る。

○南4局1本場

平和高め三色をリーチ。
ダマでも堀を捲るがリーチの方がいい。
素点回復もあるが、金と矢島から差し込みが期待できる。

ノーテンもダメ、差し込まれてもラスという堀には厳しい展開。
 ドラ
を仕掛けて前進、その矢先だった。

堀が動いた瞬間にを渋川に放銃した。上手い。
すぐ当たり牌を選ぶのは流石の一言。
狙い通り堀にラスを押し付けた。

17回戦スコア ()はトータル
金+76.7(△86.8)
矢島+18.4(+75.6)
渋川△36.9(△173.1)
堀△58.2(+181.3)

18回戦(堀→金→矢島→渋川)

○東1局2本場
好配牌をもらった堀が、本日何度目か勝負にでる。
 ドラ
矢島がすぐ追いつき2人のリーチ対決。
 ドラ
しかし決着は刹那―

裏を見ずともわかる一撃。
6000は6200オール。
遂に勝負手が成就し、5万点を超えた。

○東1局3本場
9巡目、堀がリーチ。
 ドラ
アガればトップが盤石になる。

ところが追いついた金に跳満を放銃。
現物待ちでダマも考えたが、かわし手とするには惜しい魅力的な手だった。
最後まで諦めない、現雀王としての矜持を感じる。

○東3局
矢島に超大物手が入った。

ダマでも18000か24000。ツモなら三倍満だ。
金がピンズ、渋川は食いタン。
狙いのダマテンだ。

しかし渋川にアガられてしまう。
 チー  ツモ ドラ
実は金も堀も矢島をしっかり警戒していた。
以外すべて手出し、2枚目の切りが目立ったのかもしれない。
とはいえ、あまりに痛い空振りだ。

 ツモ ドラ 裏ドラ
 ツモ ドラ 裏ドラ
渋川が連続でアガり堀に迫る。
しかし堀としては、2人抜けの現状は矢島が厳しくなるため展開はいい。

○南4局
渋川35700
堀36000
金21500
矢島6800

堀のトップは断固阻止だ。
金はここまでの打ち方から、トップを狙うだろう。
渋川は堀と近すぎて軽い連荘はしたくない。
その点矢島は自由に打てるが、堀から直撃しかできない。

 チー ドラ
アガリトップの堀が仕掛けた。
タンヤオ、役牌、一通の3ルートがある。
柔軟性はタンヤオだ。
次巡カンでチー。

渋川は安手を嫌いホンイツへ。
 ポン ドラ
下家の堀が食いタン進行で不利だが腹を括った。
上家の矢島からアシスト期待も込みの判断だ。

6巡目に先制テンパイは渋川。
 チー ポン ドラ
更にTも鳴いて打点アップ。
 ポン チー ポン ドラ
鳴かせたのは全て上家の矢島。
当然のアシストとはいえ、ピンポイントで鳴かせる牌を選ぶのは技術だ。

しかし、単騎と両面では限界があった。
堀が最も望んだかもしれない1勝。
皆に絶望を与える鉄槌が下った。

18回戦スコア ()はトータル
堀+58.0(+239.3)
渋川+13.7(△159.4)
金△18.5(△105.3)
矢島△53.2(+22.4)

19回戦(渋川→矢島→堀→金)

2番手の矢島は堀と217p差。
素点差も必要なトップラス2回条件だ。

○南1局

2分15秒の静寂が訪れる。
長考の是非は置いておくとして、何待ちにするべきか。
切りの
切りの
切りの

どれでも3面張の面白い形だ。
打点は跳満、倍満まで見える切り。
しかしは場に1枚見え、金の国士に当たる唯一の牌だ。

国士は無視できない。その選択が功を奏した。
「2000/4000」
堀の顔が曇った。天を仰ぐ金。
しかし、これはまだ初撃に過ぎなかった。

矢島
 一発ロン ドラ 裏ドラ
2件リーチに追いかけ、9600のアガリ。
2着目の渋川から直撃しトップが安泰になり、堀はラス目だ。
曖昧模糊たる出口の輪郭が、形を見せていく。

○南3局1本場

第1ツモで暗刻2つ、対子2つ。
かなり可能性を感じる手牌だ。
7巡目にテンパイ
 ドラ
四暗刻のイーシャンテンでもあるが、がない。
ダマテンに構えつつ変化待ち。
10巡目、ついにを引いてリーチ。
 ドラ
は山に1枚。

リターンの低さからダマにしていた渋川。
ドラを引き、これならばとリーチ。
は矢島の当たり牌だ。
しかし、跳満で堀が2着になってしまう。
アガらない。アガれない。

ダマが正解だったのか・・・。
しかしリーチで堀の足止め効果もある。

己の判断に自信はなかったかもしれない。
震えながらも力強く――最後の1牌を引き寄せた。

これを執念と言わずなんとするのか。
親かぶりで堀をラスに沈め、8万点の大トップ。
これ以上ない最高の結果だ。

19回戦スコア ()はトータル
矢島+100.2(+122.6)
渋川△1.7(△161.1)
金△39.0(△144.3)
堀△59.5(+179.8)

20回戦(渋川→金→矢島→堀)

その差57.2p。
トップ3着は無条件。
トップ2着or2着4着で17200点差。
1半荘前と比べ、なんと現実的な数字だろうか。

○東1局

リーチ・一発・ツモ・タンヤオ、2000/4000。
堀が息を吹き返した。
簡単なようで工夫が凝らされている。

配牌 
 ツモ ドラ
ここからを切った。
リーチ平和やリーチのみを嫌った一打。
は安パイ候補。目一杯に構える価値はまだない。

堀を知る者ならよく見る彼の手順。
あれほど強烈なラスを引いた直後なのに、焦りがみられない。
いつも通り打てている。この土壇場で。

いつも通り打つ堀に、いつも以上に牌が応える。

2度目の満貫。3局連続のアガリ。

最終戦の堀は水を得た魚のようだった。
選択がすべてハマり、アガリに結び付く。

仕掛ければアガり、
 ポン  ドラ
スルーすれば自力でテンパイしてツモる。
 ツモ ドラ

この半荘だけで5回もアガり、矢島の親も流した。
そしてオーラス。
 チー  ロン ドラ
トータル3位を狙って仕掛けた渋川のテンパイに即差し込み。
間髪入れず一発で射抜いたのも、美しい幕引きではないだろうか。

この瞬間、新雀王・堀慎吾が誕生した。
いや、彼の場合「誕生」よりも「君臨」の方が似合いそうだ。
それほど圧倒的な内容だった。
正鵠を射た手牌進行は、多くの人に驚きと感心をもたらした。

その強さに、人柄に、みんなが惹かれるのだろう。
自分の優勝に涙してくれる仲間がいる。
こんなに素敵なことはない。

「泰然自若」という言葉がある。
何に対しても慌てず、落ち着いた様子を表す。
堀にピッタリではないだろうか。
最後の窮地で普段の自分を出せるのは、これまでの積み重ねがあってこそ。
ぜひ贈りたい言葉だ。

改めて、第18期雀王決定戦の優勝は堀慎吾プロ!
本当におめでとうございます。
これからは協会の顔として、より多くの場で活躍してくれるでしょう。
そしてどんな大舞台でも、堀さんならこう言うに違いない。

「もっとオレを楽しませてくれ」

この記事のライター

日本プロ麻雀協会
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