7月17日に発表された「Mリーグ」は、麻雀業界にとってまさに「革命が起きた日」(藤田晋チェアマン)となりました。
日本有数の大企業が麻雀プロと契約してプロチームを持ち、1年をかけてリーグ戦を戦う。
多くの麻雀業界関係者が考えていた、麻雀業界へのスポンサードという思考を、別次元の方向で実現してしまいました。
これをわずか1~2年で実行してしまうところに、藤田チェアマンの凄さがあり、実現までには相当タフな交渉があったことは想像に難くないでしょう。
藤田チェアマンの想いに応えるためにも、麻雀のオリンピック正式種目化へ向けて、麻雀業界一丸となってMリーグを盛り上げていかなければなりません。
8月7日にドラフト会議が行われますが、発足会見でも情報があまり出てこなかったので、筆者が会見で質問予定だった内容から、Mリーグについて考察していきます。
Mリーグはいつ頃から構想があったのか
まず筆者が質問しようと思ったのが、「Mリーグ」構想をいつ頃から考えていて、実際に動き始めてからどれくらいの期間で実現したのか?という点です。
先日行われた麻雀大会で藤田チェアマンが「1年近く奔走していた」と発言しており、構想自体は2年前、実際に動き始めたのは1年前と予想します。
これまでの麻雀のイメージもあって、上場企業を説得するのにかなり苦労をしたようです。
おそらく参加7企業の何倍もの会社と交渉しているのではないでしょうか。
今後チームは増えるのか 参加企業の条件は?
参加した企業は、以下の7社(50音順)です。
株式会社コナミアミューズメント
株式会社サイバーエージェント
セガサミーホールディングス株式会社
株式会社テレビ朝日
株式会社電通
株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
株式会社U-NEXT
Mリーグは、本来8チームを想定しており、あと1チームの空きがあります。
もう1社を募集中とのことですが、どういった企業であれば参加できるのか。
まずは参加企業7社のデータを見てみましょう。
企業名 | 売上高 | 従業員数 |
---|---|---|
コナミアミューズメント (コナミホールディングス) |
2,395億円 | 4,706名 |
サイバーエージェント | 3,713億円 | 4,902名 |
セガサミーホールディングス | 3,236億円 | 7,726名 |
テレビ朝日 (テレビ朝日ホールディングス) |
3,025億円 | 4,616名 |
電通 | 5兆1,873億円 | 60,064名 |
博報堂DYメディアパートナーズ (博報堂DYホールディングス) |
1兆3,350億円 | 17,048名 |
U-NEXT (USEN-NEXT HOLDINGS) |
1,142億円 | 3,856名 |
※売上高、従業員数は直近の企業発表(連結)による
すべての企業で売上高が1000億円、従業員数が1000人を超えており、東証一部上場企業で構成されています。
売上高1000億円以上の会社は、日本にある400万社のうち、約950社です。
あらためて、日本有数の大企業が参加していることがわかりますね。
ちなみに、麻雀業界の市場規模は490億円です(2016年)
あと1企業として、どのような企業が考えられるでしょうか?
藤田チェアマンは、2015年から「麻雀企業対抗戦」を開催しています。
まずその参加企業が候補に挙がるでしょう。
■参戦したことがある企業(50音順)
カヤック
クレディセゾン
講談社
コンカー
Cygames
GMOインターネット
スターティア
大日本印刷
竹書房(近代麻雀編集部)
DeNA
文藝春秋
ミクシィ
また、2014年に行われた、「麻雀最強戦 エキシビジョンマッチ 日本トップ経営者頂上決戦」では、藤田チェアマンの声かけで、大企業のトップが対局しており、これらの企業も候補に入るのではないでしょうか。
■麻雀最強戦 エキシビジョンマッチ 日本トップ経営者頂上決戦 出場者
藤田晋(サイバーエージェント)
安田隆夫(ドンキホーテホールディングス)
林野宏(クレディセゾン)
大塚達也(アース製薬)
日野洋一(鉄人化計画 )
堀江貴文(SNS)
宇佐美進典(VOYAGE GROUP)
柳澤大輔(カヤック)
特に、アース製薬は麻雀最強戦に協賛し「アース製薬杯男子プレミアトーナメント」を開催しているというのが注目です。
そして、イオングループのイオンファンタジーが2017年に健康麻雀店をオープン、ニューロン麻雀スクールが2018年にイトーヨーカドー内に教室をオープンしており、イオンとセブン&アイ・ホールディングスという日本を代表する小売・流通業界の2社も候補に挙がるでしょう。
参入はしたいが、とても敷居が高いと感じる企業が多いかもしれません。しかし藤田チェアマンは、M2リーグやM3リーグといった下部リーグの創設も視野に入れていると発言しており、Jリーグのように下部リーグから入れ替え戦で這い上がっていくという形で参入できるのではないでしょうか。