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「誰よりも結果を求めるからこそ、誰よりも結果にこだわらない。」 赤坂ドリブンズマッチレポート

「誰よりも結果を求めるからこそ、誰よりも結果にこだわらない。」 赤坂ドリブンズマッチレポート

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ファイナルシリーズ第2

「俺たちは勝つことでしかファンの人たちを喜ばせることができないから。」

310日、快勝の週末を終えた夜の東京。ハイボールを流し込み、顔を軽く赤らめながら、冗談半分、本気半分といった面持ちでたろうが言った。

見栄えがいいわけでも、卓越したファンサービスを提供できるわけでもない。そんな不器用なおじさん達の使命は1つ、勝利を届けることだ。

そして勝利という目標に向けての手段も1つ。園田はその手段について、ファイナルシリーズ開始前の記者会見でこう語った。

園田「麻雀の結果は意気込みの量によって左右されるものではない。期待値を稼ぎ続けることだけが、結果に繋がる。」

2019年2月13日放送 ファイナルシリーズ記者会見

期待値を稼ぐという言葉の真意を理解するためには、麻雀のゲーム性を理解しなければならない。園田は麻雀のゲーム性について教えてくれた。

放銃することは不正解ではない

園田「麻雀をしていると誰だって放銃することがある。放銃は嫌だよね。俺も好きじゃない。でも放銃したからその選択が間違っていたかというと、そんなことはないんだよね。」

FS 10/24回戦 東2局、テンパイで赤5sを勝負する園田。
園田から12,000点をアガる多井。

園田「例えば先週の日曜の対局で、多井さんのダマテンに12,000点の放銃をしたけど、この選択が間違っていたとは思っていない。」

園田はこの局を冒頭から振り返ってくれた。

牌譜はこちら

1巡目、トップ目で親番の多井選手がをアンカン。

園田「めちゃ怖い。カンの大好きなたろうさんならともかく、リスクに敏感な多井さんだから。親番とはいえ、トップ目からいきなりアンカンするということは戦える手牌だということが分かる。」

6巡目、多井選手は場に1枚切れのを手出し。

園田という使いやすい数牌の後にの手出し。アガリに必要なターツが足りているなと思った。シャンテン数は分からないけど、この先いつリーチが来てもおかしくないと。」

10巡目、南の手出しの後、という2枚のドラをツモ切っての手出し。

園田「打点が十分ならこの時点でダマテンが入っている可能性も十分にある。」

そうして15巡目に自身もテンパイ。これが冒頭の放銃シーンに繋がる。

園田「多井さんがリャンメンでテンパイしているとしたら、残っている筋は2つだけ。そう言われると1/2で放銃するめちゃ危険な牌に思えるけど、実際は愚形でのテンパイの可能性、あとはノーテンの可能性もある。」

加えて多井選手の立場に立ったときに、もう一つの理由に突き当たったという。

園田のリャンメンならリーチするんじゃないかなという考えもあった。どのみちは警戒されてかなり出にくい待ち。それならば抑えつけて打点を上げた方が得だなって考えることもありそう。」

しかし結果はこので多井選手に放銃。

園田「これこそが今回、皆さんに伝えたいこと。麻雀は手牌が伏せられている以上、トッププロであっても相手の手を完璧に読み切ることはほとんどできない。だから手出しやツモ切りから手牌を推測するしかない。推測である以上、読みはどこまで行っても可能性でしかない。今回のケース、放銃という結果になる可能性も予測していたし、こうならない可能性もあると予測していた。そしてこれと全く同じ状況を無限回数繰り返したときに、自分がアガったりテンパイ料を貰ったりして得になることの方が多いと判断した。これが我々の言う”期待値的に得”というものの正体。」

園田は決して多井選手の手牌を読み違えたわけではない。期待値的に得だと判断したから押し、残念ながら今回は悪い目が出た。そういう話である。

園田「もっと分かりやすい話をしようか。赤いボールを引いたら勝ち、青いボールを引いたら負けというルールのゲームを仮定する。Aの箱には赤いボールが2つと青いボールが1つ。Bの箱には赤いボールが1つと青いボールが1つ。さて、どちらの箱からボールを引く?当然、全てのボールを引く確率は同様に確からしいものとして。」

Aの箱で勝つ確率は2/3Bの箱で勝つ確率は1/2。言うまでもなくAの箱だろう。

園田「そうだよね。もしAの箱ではずれを引いて負けたとき、Bの箱から引くべきだった…と後悔する?」

そんなわけはない。

園田「もしBの箱から引いて勝った人がいたとしても、その行為が正解だとは思わないよね。麻雀も一緒。ただ麻雀の場合はAの箱とBの箱、どちらが得かを見極めるのが難しい。それを見極める力こそが雀力。我々にできるのは雀力を駆使して期待値が高い選択を続けること、Aの箱を選び続けることだけなんだよね。」

そうは言いながらも放銃後、どこか悲しげな顔を見せる園田

対局の翌日、ドリブンズは映像を見返し検討会を行っている。

園田「メンバー全員で再度検討した結果、やはりは切った方が期待値的に得な可能性が高いという結論に至った。放銃したという結果ありきで検討しても意味はない。見るべきは期待値的に得か損か、それだけ。」

ドリブンズはどこよりも勝ちにこだわる強い姿勢を持っている。しかし結果というのは評価をブレさせるバイアスでしかない。誰よりも結果を求めるからこそ、誰よりも結果にこだわらない。

ところで、ずっと気になっていたのだが――

なぜテンパイ時、ではなくを選んだのだろうか?

園田「多井さんがの後に手出しだったのね。ソーズの上の愚形、つまりシャンポンとかカンの可能性の方が高いと思って。を先に切ってる分、は愚形にはほとんど当たらないから。」

で放銃するあたりがオシャレでしょと、結果など気にも留めていない様子で笑う園田。ドリブンズは今までも、そしてこれからも、このスタンスからブレることなく進んで行くことだろう。

Go!Dorivens!

この記事のライター

阿部 柊太朗
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。
関西を中心に活動している95年生まれのゆとり世代。
Mリーグでは赤坂ドリブンズの記者として活動中。
目指すは未来のMリーガー!

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