2020年6月23日にファイナルシリーズを終えたMリーグ。麻将連合の小林剛(@supatechi)、最高位戦日本プロ麻雀協会の朝倉康心(@asakurapinpin)、石橋伸洋(@rate1484)、瑞原明奈(@akn19mj)の4名のチーム「UNEXTパイレーツ(@unext_pirates)」は去年のレギュラーシーズンでの敗退の雪辱を期すシーズンとして今季を迎えた。しかし、レギュラーシーズンは最後までドリブンズと6位を争う展開となり、なんとか6位でセミファイナル進出。セミファイナルでは去年から苦戦が続いていた石橋が奮起、セミファイナル個人首位のポイントを叩き出しチームをファイナルへと導いた。ファイナルは4位からのスタートだったが、なんとか最終日まで突き放されずにくらいつき、最終日に石橋、小林の劇的な連勝で優勝に辿り着いた。
大和証券Mリーグ2019 レギュラーシーズン チーム成績
▲202.3(6位)
レギュラーシーズン個人成績
小林剛 211.0 (7位/30試合)
朝倉康心 ▲143.4 (3位/28試合)
石橋伸洋 ▲168.1 (24位/16試合)
瑞原明奈 ▲101.8 (17位/16試合)
朝日新聞Mリーグ2019セミファイナルシリーズ チーム成績
▲3.5(4位)
セミファイナル個人成績
小林剛 ▲17.0 (12位/4試合)
朝倉康心 ▲66.3 (19位/2試合)
石橋伸洋 215.5 (1位/6試合)
瑞原明奈 ▲34.6 (14位/4試合)
朝日新聞Mリーグ2019ファイナルシリーズ チーム成績
244.7(1位)
ファイナル個人成績
小林剛 46.9 (6位/4試合)
朝倉康心 85.4 (2位/3試合)
石橋伸洋 65.0 (3位/3試合)
瑞原明奈 49.1 (5位/2試合)
レギュラーシーズンは船長小林剛が大活躍したものの、残りのメンバーがそれぞれに苦戦、厳しい予選の戦いだったが、なんとかセミファイナルに駒を進めた。セミファイナルは去年、今年のレギュラーシーズンでずっと苦労してきた石橋が大活躍。チームを引っ張りファイナルに導いた。そしてファイナルでは初戦の小林の大きなトップ、そして三日目の朝倉の大三元アガリで一気に上位に迫り、その後再びフェニックスに差をつけられるもなんとか芽を残して最終日を迎え、最終日に石橋、小林の劇的な連勝で大逆転優勝を遂げた。
喜びと興奮が冷めやらぬ中、UNEXTパイレーツのメンバーに話を伺った。
UNEXTパイレーツインタビュー
──緊張の中で優勝されました、改めて今の心境をお願いします。
小林「本当にギリギリで…よかったなぁ~っていうのが印象ですね」
──放送中のコメントでも、小林さんがついに笑ったというところでかなり盛り上がっていました。
小林「(最後に)山崩しちゃったやつですか?山崩したのと、なんか泣きながら(チームメイトが)寄ってきたのが(笑)」
──シーズン振り返ると、かなりギリギリのところで勝ち上がりでした。“船長”、リーダーとして、どういう感じでシーズンを過ごされましたか。
小林「そうですね、ポイントが半分になるという仕組みで、全チームわかってやってるんで、途中段階ではやっぱり勝ち上がりを重視して、ファイナルでは勝つ麻雀をするという。その意気でやってたんですけど、その結果が、ファイナルだけ4人ともプラスできてるっていう理想的な勝ち方で。ポイントとしては、ひょっとするとフェニックスの方が勝ってたかもしれませんけども、やることはやったな、という感じですね」
──朝倉さんは、レギュラーシーズン結構厳しい時期もありました。リーグ中断後、急に上り調子になった感があるんですが、ご自身でも調子が上がったような感覚はありましたか。
朝倉「そうですね、ちょっとレギュラーシーズン、セミファイナルと、ずっと成績も内容も悪くて。自分でも不甲斐なさを感じてたんですけど、ちょうど自粛期間が長かったんで、その間に家でネット麻雀をして人よりも多く練習をしようと思って練習してて、それでちょっと自分の麻雀を取り戻したというか、自信がついて、いい感じでファイナルを迎えられた。結果、大三元をアガれたのはたまたまなんですけど。最終戦だけは、ちょっと納得いかなかったんですけど、それ以外は思うように打てました」
──優勝の瞬間は、瑞原さんよりも泣いてるんじゃないかというぐらいでした。麻雀でああいう風に泣かれたことってありますか。
朝倉「え~っと…そうですね、ありますね(笑)。完全に個人戦ですけど、最初の天鳳位になったとき泣いてました(笑)。それ以来ぐらいですかね」
──石橋さんは完全に尻上がりに調子を上げたというか、セミファイナルぐらいから急に変わったという感じがありましたが、ご自身ではどういう風に思われますか。
石橋「今シーズンから、打ち方を変えるというか意識を変えるようにはしてたんですけど、レギュラーシーズンはそれで結果が出なくて。セミファイナルも同じ打ち方をしてたつもりです」
──セミファイナルあたりから“俺たちのばっしー”とか“キング”とか、いろいろな愛称がつきましたが、そのあたりはいかがでしょうか
石橋「親しみを込めてそういう名前をつけてもらえたのは、非常に嬉しいです。自分はあまり、キャラクターが薄いんで(笑)。まあ、だから“キング”とかついたのかもしれないですけど(笑)。まあ、そういう名前をつけてもらったのは本当に嬉しいです」
──瑞原さんは1年目からこういう大きな舞台でいろいろ活躍もされて、涙の優勝となりましたが、改めていかがですか。
瑞原「本当に私は、3人にここまで連れてきてもらったっていう気持ちがすごく大きくて。特に、小林さんが“船長”っていう形があるくらいなので、やっぱり大事なところで、いつも小林さんに責任がのしかかるというか、いろんなものを背負っていつも戦ってくれてたなと思っています。すごい感謝の気持ちでいっぱいです」
──優勝の瞬間は泣き崩れるほどでしたが、どのあたりから泣いていたんですか。
瑞原「もうあの…、ちょくちょく我慢できずっいうのはあったんですよ。1戦目の石橋さんが帰ってきた時とかも、もうこんな感じだったんですけど(笑)。でも、2戦目のオーラスに、魚谷選手に(逆転の)条件を満たしたリーチが入っていて、本当にもう、ツモの度に「はあ…」って過呼吸になるぐらいになってて。最後のアガリ牌が他の人のところに行く時に、ほとんど優勝が決まった瞬間だったので、もうそこからなんかもう…意識がなかったくらいです(笑)」
──一点、木下監督に伺いたいのですが、ファイナルの選手起用にポイントなどはございましたでしょうか。
木下監督「セミファイナルシリーズまでを通して、チーム全員で戦う意識がパイレーツに追い風を吹かせたので、ファイナルもチーム全員で戦う意識で選手起用を行いました。ファイナル序盤も4選手1試合ずつ戦わせるつもりで、初戦を小林選手に託し、大トップでスタートできたことが特に大きかったです。ファイナル中盤は1戦目朝倉選手、瑞原選手がトップを取ったので、ラス回避2位の小林選手でさらなる加点を狙っていきましたが、そうさせてくれなかった他チームの選手をここは素直に称えたいです」
──最後に、来季、唯一連覇ができるチームということになりますが、リーダーの小林さんから連覇に向けて一言お願いします。
小林「かろうじて優勝できましたけども、これからはチャンピオンとして恥ずかしくない麻雀を打って、連覇に向けて精進していきたいと思います」
Mリーグの厳しい大海原、幾多の困難を乗り越えて優勝までたどり着いたPirates。来季は果たしてどのような航海を見せてくれるのだろうか。
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