プロとしての名前よりも、ハンドルネームの方が一部の界隈では有名であろう。
「みかん太」
これはネット麻雀「天鳳」で安定して好成績を残すアカウント名であり、中の人は癒し系の美人ママ。
人狼ゲームプレイヤーとして番組に出演することもあるマルチプレーヤー。
今回は瑞原明奈プロの軌跡を紹介したいと思います。
◆瑞原明奈(みずはらあきな)
◆生年月日:1986年11月19日(32歳)
◆出身地:長崎県佐世保市
◆血液型:O型
◆所属チーム:U-NEXT Pirates
◆所属プロ団体:最高位戦日本プロ麻雀協会
◆趣味:人狼ゲーム
◆主な獲得タイトル:麻雀ウォッチ プリンセスリーグ2019
◆Twitter:@akn19mj
牌の音や美しい手牌に魅せられる
瑞原が麻雀と出会ったのは21歳の頃。早稲田大学在学中に、1年のアメリカ留学から帰国した後、映画や海外ドラマ見放題に釣られてケーブルテレビに加入することに。適当にチャンネルを回していた時に手が止まったのがMONDO TV麻雀プロリーグだったのです。
最初はただ牌の音や手牌の見た目の美しさに魅せられて興味を持ちましたが、ルールがわかるようになってからはそのゲーム性、物語性、そしてプロの個性に惹かれたといいます。しばらくは見るだけでしたが、24歳頃からは自分でも打つようになりました。
しかし身の周りに麻雀をする人が少なく、1人で麻雀店に行く勇気も出なかったので、ネット麻雀を打つようになります。しかも制限時間にドキドキしてしまうため、CPU相手のアプリゲームが中心。いまや天鳳の上位プレイヤーとなった瑞原からは想像もつきません。
年に1、2回セットメンツが集まり牌に触れられるときは、遠足の日のように楽しみにしていたそうです。一度当日に39.8℃の熱が出てしまいましたが、栄養ドリンクと冷えピタとマスク持参で強行したとのこと(笑)
”アガリたい”から”勝ちたい”に
その後結婚を機に当時勤めていた会社を退職し、関東近郊に引っ越すこととなった瑞原。旦那さんの友達に麻雀好きがいたため、週に1回は麻雀が打てる生活になりました。
しかし、この頃が瑞原の麻雀人生で一番厳しい時期でした。いくら打てども勝てずひたすらに負け続け、ついに心が折れてしまいました。
「自分は麻雀に嫌われている、向いていない」と思いましたが、すぐに思い直しました。まだ向いていないと結論を出すほど麻雀と向き合っていない、もっと麻雀を楽しむために強くなる。
ここから瑞原の意識はガラリと変わります。元々は手役が好きで、効率よりもアガりたい手を狙っていましたが、心を鬼にして手役を切り捨ててアガリに向かうなど、勝つための最善手を追求するようになりました。
そんな中、Twitter上で見つけたとある募集が瑞原の麻雀人生を大きく変えることになります。
ニコ生出演をきっかけに麻雀プロの道へ
「麻雀強くなりたい女の子募集」
竹書房が運営するニコニコ生放送のチャンネル『梶やんチャンネル』に、生徒役で出演する一般女性の募集でした。
あまり人前に立つことが好きではない瑞原にとって、自分がそこに応募することを想像すらできませんでした。しかし、「麻雀強くなりたい女の子募集」という文字が頭から離れません。
最終的には旦那さんに背中を押してもらい、応募することに決めた瑞原。当時の応募者は全員採用という事で、番組への出演が決まります。
この活動の中で競技麻雀の大会に出場したり、いろいろな麻雀プロと出会うにつれて、自身もプロになりたいと思うようになっていきました。
こうして2014年、日本プロ麻雀協会13期生としてプロの門をたたきます。

プロ入りした冬に妊娠が分かり産休に入った瑞原は、雀力が落ちないようにネット麻雀『天鳳』を打ち始めます。
産後は育児の都合で平日対局の多い最高位戦へ移籍。
この間、天鳳で9段を達成し、その後も安定した成績を残すなど徐々にその存在が知られていきます。
みかん太九段爆誕(*゚v゚*)! pic.twitter.com/FOwsZB9Hsw
— 瑞原 明奈 (@akn19mj) September 28, 2016
元々着順取りの意識と仕掛けが苦手でしたが、天鳳での経験は瑞原に大きな成長を与え、アガリを目指す以外に出来るゲームメイクの引き出しが格段に増えたといいます。これがこの後の瑞原のブレイクに大きく関わっているのではないでしょうか。
プリンセスのタイトルを手に、Mリーグで鮮烈なデビュー
そして2度目の産休を挟んだ後の2019年、Mリーグドラフト会議でU-NEXT Piratesから指名を受けるに至ります。

Piratesは他にも3名の指名候補がいましたが、「デジタル」というチームカラーに加え、天鳳位の朝倉をはじめとしたチームメンバーがみな天鳳にゆかりが深いという理由から瑞原の指名を決めたといいます。
産休でプロ活動を行えない中でも続けてきた天鳳が、瑞原の運命を大きく変えることになったのです。
競技麻雀では実績がなかった瑞原ですが、Mリーグ開幕直前のプリンセスリーグで見事に優勝。
ビッグタイトルをひっさげてMリーグに臨みます。

そして10月3日のMリーグでは、沢崎誠・瀬戸熊直樹・佐々木寿人という難敵を相手に見事にトップを取りデビュー戦を華々しく飾ると、続く10月7日の試合でも前原雄大・二階堂亜樹・岡田紗佳を相手に圧勝して2連勝。瑞原の指名が間違っていなかったことを見事に証明しました。
新規加入の選手の中でいち早くその存在をアピールし、数多くのファンの獲得に成功。Piratesの優勝への航海は瑞原の右手にかかっているかもしれないですね。

年 | 年齢 | 主な出来事 |
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1986 | 0歳 | 長崎県佐世保市生まれ |
2008 | 21歳 | 留学から帰国し、テレビで麻雀を見るようになる |
2009 | 22歳 | 一般企業に就職する |
2011 | 24歳 | 実際に麻雀を打つようになる。ニコ生の麻雀放送の存在を知り、さらに麻雀を見る機会が増える |
2012 | 25歳 | 会社を退職し、関東近郊に引っ越す |
ニコ生の麻雀番組に生徒役で出演 | ||
2014 | 27歳 | 日本プロ麻雀協会入会(13期) |
2015 | 28歳 | 第一児を出産 |
2016 | 29歳 | 天鳳で9段を達成 |
2017 | 30歳 | 最高位戦日本プロ麻雀協会に移籍 |
2018 | 31歳 | 第二児を出産 |
2019 |
32歳 |
Mリーグ2019ドラフト会議でU-NEXT Piratesに指名される |
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麻雀ウォッチプリンセスリーグ2019で優勝し初タイトルを獲得 | |
Mリーグデビュー戦をトップで飾る |