プレイヤー数500万人を超えるオンライン麻雀ゲーム「天鳳」で、頂点に上り詰めた者だけに与えられる天鳳位を2度獲得。満を持してプロの世界に飛び込んできたのが、ASAPINこと朝倉康心である。AIで初めて十段に到達した「Suphx(スーパー・フェニックス)」を開発したマイクロソフトは彼を「神のような強さ」と例えた。本記事では朝倉の強さ、魅力に迫る。
目次
朝倉康心の基本情報・プロフィールデータ
名前 | 朝倉 康心(あさくら こうしん) |
異名 | ASAPIN(アサピン) |
生年月日 | 1986年3月4日 |
出身地 | 福井県 |
血液型 | A型 |
趣味・特技 | ゲーム |
本人公式SNS | |
所属団体 | 最高位戦日本プロ麻雀協会 |
所属チーム | U-NEXT Pirates |
プロ入会年 | 2017年 |
主なタイトル | 初代・11代目天鳳位 第4期天鳳名人位 |
天鳳に限らず、ゲーム全般をこよなく愛する朝倉プロ。幼い頃から、没頭したテレビゲームは納得いくまで続けていたそうだが、その姿勢がネット麻雀をとことん極めたことにつながっているのかもしれない。
経歴
2011年:初代天鳳位を獲得
2014年:第4期天鳳名人位
2016年:天鳳位vs連盟プロ1st season優勝、11代目天鳳位を獲得
2017年:最高位戦日本プロ麻雀協会に特例としてB1リーグからの参加を認められプロ入り、U‐NEXT Piratesからドラフト2位指名
2020年:Mリーグ2019ファイナル優勝
麻雀との出会い・きっかけ
朝倉が麻雀と初めて会ったのは大学4年の時。このままいけば卒業というところまで来ていたものの、麻雀の世界に魅せられた。そして23歳の時には麻雀ゲーム「天鳳」に出会う。「ASAPIN」という名前で、実戦を積み重ね、1年後には全プレイヤーの頂点「天鳳位」を獲得した。初代天鳳位となったことで、麻雀プロと同様にゲストや多くのメディアから注目を浴びる。対局番組からもオファーが入るようになり、「麻雀駅伝」など、数々の対局で優勝。これまでアマチュアとして活動していた朝倉。元々プロ入りは視野に入れていたものの、この頃から本格的に目指すようになったという。そして2017年、最高位戦日本プロ麻雀協会へと入会。一年後にはU-NEXT Piratesよりドラフト2位指名を受けるのであった。
朝倉康心の失敗学「メンタルゲームとは思っていなかった」 Mリーガー列伝(29)
朝倉康心プロの打ち方や雀風

オンライン麻雀天鳳において圧倒的な強さを見せ、Mリーガーへの道を切り拓いた朝倉。その雀風は、メンゼン・鳴き仕掛けどちらも器用にこなすバランス型。勝利するための最適解を探し出し、最善の選択を追い求める。山読みや手牌読みを高精度でこなし、その読みを活かした的確な選択で勝利を掴む。
朝倉はたびたび、「形テンは勝負手」という言葉を述べている。華やかなアガリと比べると地味で、おろそかにされがちな形式テンパイだが、朝倉は一回の形式テンパイが勝敗を決めることも少なくないと語る。勝利を掴むためにはどんなに細かなところまでも追求し、結果が出なかったときには改善点を徹底的に分析する。この麻雀への飽くなき探究心が、朝倉の揺るがぬ強さを生み出しているのだろう。
朝倉康心プロの対局時の様子
Mリーグ2019 12月2日 第2試合

朝倉がわずかな勝ち筋を見極めて勝利したのが「Mリーグ2019 2019/12/02 2戦目」の時のこと。他3者が満貫クラスの勝負手で激しい戦いを繰り広げるが、朝倉にはなかなか反撃のチャンスが訪れない。ライバルが壮絶な打ち合いをする中、朝倉は来たるべきチャンスをモノにすべく、失点を抑えてじっと耐える。
そして迎えた南3局の親番、朝倉は満を持して攻勢に転じる。鳴き仕掛けでスピードを兼ね備えた手堅い3900点をアガってトップへと抜け出した朝倉。オーラスではリードを活かし、安手でのアガリをものにしてトップを獲得。少ないチャンスを最大限に活かした朝倉の手腕が光った一戦となった。
【12/02 Mリーグ 結果】第一試合は麻雀格闘倶楽部・前原の完勝、第二試合はPirates・朝倉が待望の初勝利を手にする!
Mリーグ2018 レギュラーシーズン 2月12日 第1試合

「Mリーグ2018 2019/2/13 1戦目」では朝倉の的確な判断が功を成した。この一戦、ファイナルシリーズに進出するためには朝倉プロがなんとしてでもトップを獲得しなければならなかった。しかし、無情にも朝倉はラス目のままオーラスの親を迎える。チームの運命がかかった絶対に落とせない親番。とにかく先制リーチを打ってライバルに圧をかけたいこの状況で、カンチャンながらもテンパイが入る。
しかしここで、朝倉はこのテンパイを取らず。自身の手の伸びしろを信じ、絶体絶命の状況でも焦ることなく最善手を追求する。そして数巡後、満を持してリャンメンリーチをかけた朝倉。結果は見事に4000オールのツモアガリ。追い詰められた状況でも的確な選択を見せてトップを持ち帰った朝倉がファイナルへの希望をつないだ。
Pirates・朝倉が土壇場での逆転トップでファイナルへの望みを繋ぐ!【Mリーグ 2/12 第1試合結果】
Mリーグ2019 ファイナルシリーズ 6月18日 第1試合

2019シーズンファイナルシリーズ中盤、パイレーツを一気に勢いづかせたのが「Mリーグ2019 2020/6/18 1戦目」だ。序盤にハネマンをツモあがってリードを奪った朝倉。中盤の南1局、朝倉の配牌にはなんとが全てトイツ。
、
とポンしていき、終盤にはみごと役満・大三元を成就させてチームに大きな勝利をもたらした。
一見、危なげなく成就させたこの大三元。朝倉は大三元を捨て、アガリやすさを重視したハネマンを目指すプランも考えていたとインタビューで語る。役満といえど、アガれなければ勝利へは近づかない。勝利への最善の道筋を追求する朝倉プロらしさ溢れる思考を垣間見た一戦となった。
【6/18 Mリーグ 結果】朝倉大三元炸裂でPiratesが躍進!和久津初登板でトップを飾り、フェニックスは首位をキープ!
SNSでの評価・評判
ネット麻雀天鳳からキャリアをスタートした朝倉。SNSでは、天鳳プレイヤーからの応援や期待の声が多く寄せられた。
アサピンは天鳳界の誇りだ(*´ω`*)
— ふくちゃん?⚾? (@fukuchan02263) September 14, 2019
天鳳からMリーガーにまで上り詰めた朝倉。数多くの天鳳プレイヤーが活躍を願っている。
それにしてもアサピンが未だ調子が上がらず。
— しもで (@mu_shimode) March 4, 2021
昔のように麻雀だけに集中していれば良かった頃と違って、
今は麻雀以外の事も色々と気を遣わなければいけない立場になったからなのか。
とはいっても、この道を選んだのもアサピン自身。
天鳳民の端くれとして、天才アサピンの復活を願うばかり(>人<;)
ネット麻雀にはなかったものまで背負って戦う朝倉のことを心配し、温かく見守る声にあふれている。
頼れる上司コバゴーさん、ムードメーカーの瑞原さん、笑顔がかわいい石橋さん、真面目で責任感の強いアサピンさん。パイレーツいいチーム
— すいえみ? (@7dq10) March 24, 2020
強い責任感と、麻雀と真摯に向き合い続ける姿勢。朝倉は、パイレーツファンにとって頼もしい存在だ。
朝倉康心プロのニュース・こぼれ話
AIが人間を打ち負かすのは当たり前
マイクロソフト社が開発したAIが、天鳳で十段に到達したというニュースは、麻雀界を驚かせた。そして、その担当役員に「神のような強さ」と言わしめた朝倉プロだが、AIについては「人間より賢いAIが人間を打ち負かすのはある意味で当たり前」と語っている。AIが人間を上回る現実は受け入れたうえで、その力を借りながら最強を目指したいという朝倉。ネット麻雀を極めたプレイヤーならではの発言といえよう。
朝倉康心、トキへと変貌
Mリーグ2020 10月9日 第1試合、Mリーグの舞台に北斗の拳・アミバが登場した。その正体は朝倉プロ。長髪の頭にはヘアバンドを巻き、見事にアミバへと変貌。しかし試合ではミスが目立ち、「アミバは封印します」とのコメントを残す。「あの扮装はなんだったのかー。」ファンの間で話題になった。そして11月20日、今度はトキが現れる。Mリーグ2020 11月20日 第2試合、朝倉プロは長髪をシルバーに変え、見事トキへ変貌した。アミバ、トキと長髪キャラクターが続く...。そうすると今度は...ヒョウ!?