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ネマタの天鳳日記 第117回

ネマタの天鳳日記 第117回

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 南家がポンと2フーロ。牽制を兼ねた遠い仕掛けなら、重なった時に役がつくは残しそうなものです。

 高打点かどうかまでは分かりませんが、トイツ以上の役牌+メンツ候補は既に持っていて役牌が鳴ければテンパイという可能性が高いとみます。

 一色手狙いの仕掛けで同色の牌が切られるとテンパイの可能性が高いように、「アガリに遠い仕掛け」であれば残されると予想される牌が切られているかどうかで、目立つ仕掛けが実際にアガリに近いかどうかを推測することが可能です。

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 こちらはダブドラを引いて一気にチャンス手になりました。

 しかし南家は先ほど言及した通り役牌トイツ以上の可能性が高く、残りの役牌はの3種。「アガリたいからこそ絞る」と言われることもありますが…

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 今回は絞らずに打。打としてもツモは1シャンテンですが、引きの1シャンテンを逃すうえに、ツモの場合はを残していた場合に比べてくっつきが弱い1シャンテンになります。

 「アガリを目指すうえでは基本絞りは考えない」「アガリたいからこそ絞る」。

 両方言われることがありますが、どちらを選ぶべきかを判断するうえで重要なのはやはり自分の手牌、特に「メンツ候補が足りているかどうか」にあります。

 手作りの基礎を押さえるうえでは、「絞りは考えない」つもりで打つ方がよいでしょう。

 配牌でメンツ候補が揃っていなければ、アガリを目指す過程で必ず「メンツ候補不足」の段階があります。

 この時点で「絞りを理由に字牌を残す」のは、シャンテンが進む受け入れも、アガリに近い段階の受け入れの質も落とすことが多く損になりやすい選択になります。

 「守備を理由に字牌を残す」場合も同じです。

 昨今の戦術書でも「守備や絞りの観点からの字牌残し」がいくつか取り上げられていましたが、それらはいずれも、「メンツ候補十分あるいはメンツ候補オーバー」で、字牌を残してもさほど受け入れロスの無い形でした。

 実力者にとっては言うまでもない話だと思いますが、それ故に前提が共有されずに誤解されてきた向きがあるので、「現麻本」や当記事では、「メンツ候補が足りているかどうか」を特に意識して書くようにしています。

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 メンツ候補十分の1シャンテンになったところでツモ。今度は「絞って南家に先制テンパイを取らせないために絞る(ただし放銃のリスクは増える)」例と言えます。

 これなら「アガリたいからこそ、放銃率を上げるリスクは覚悟で絞る」ことになります。

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 ツモ次第で他家の手を止めたうえでアガれることもあります。「絞った牌はいずれ出ていく」ことが前提でないなら、案外絞った方がいいことは多いと考えます。

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 相手の欲しい牌を押さえたつもりでいましたが、実際にはトイツ。裏が乗ったので跳満を満貫にしてしまう結果となりました。仕方がないとはいえなんか悔しいですね(笑)

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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