- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
22 1シャンテンからの反撃
四麻だとリャンメン×2の1シャンテンで無筋勝負なら大体満貫クラスの打点が必要なので、ツモ損有り三麻ならリーチ者が北0枚なら同程度、北が抜かれていれば更に要求打点が上がるイメージでしたが大体当たってそうです。個人的にはツモ損無しルールでもそこまで押し引き判断を変えていなかったので、いささか引き過ぎていたと反省させられました。
天鳳位のコメントにありますように、ベタオリ失敗率と切る牌の危険度を考慮すればもっと押せる領域が増えると言えます。下手にベタオリしようとしたせいで、結果的に北を抜かれてから安牌が尽きて振り込んでしまう展開も有り得ます。一度押すと決めたからといって最後まで押す必要はないので、序盤で情報が少ないリーチに対してはもっとファジーに押すつもりで進めてよさそうです。
切る牌の危険度読みも三麻では特に重要なところ。極端な話、相手のリーチが一色手と分かっていれば、もう片方の色は全部通せることになります。そこまでではなくても、無筋の中で濃淡がつけられることは多いので、1シャンテンからでも割りと押せる、逆に良形テンパイであっても押すのは厳しいといった判断をすることも案外多いのではないでしょうか。
23 2家リーチに対するオリ
ツモられる可能性も上がりますが、リーチ者間の横移動率も上がるので、結果的に1家リーチに降りた場合と局収支にそれほど差はなさそうです。この辺りも四麻と傾向は変わりません。
2家リーチとありますが、実戦では1家リーチ+鳴きテンパイ、1家リーチ+ダマテン、鳴きテンパイ+ダマテンといったケースも少なくありません。明示的な攻撃が入った他家にばかり気を取られて、もう一方の他家への注意が疎かになってしまうというのはありがちなミス。ある程度打ち慣れていれば、手が入っていない時に降りるのは簡単にできることですから、実戦では目立つ相手がいる時ほど、目立たない相手への注意を怠らないようにしたいものです。
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