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ネマタの戦術本レビュー第979回「『データで勝つ三人麻雀』編 その16 著:みーにん 編:福地誠」編

ネマタの戦術本レビュー第979回「『データで勝つ三人麻雀』編 その16 著:みーにん 編:福地誠」編

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

33 ワンチャンスの安全度

四麻はダブルワンチャンスになれば筋程度に安全になりましたが、三麻ではそれでも筋より安全になりません。三麻は相手が2人しかいないので、4枚目の牌をリーチ者が持っている可能性が高くなるというところでしょうか。

自力ワンチャンスと他力ワンチャンスは、無筋の場合自力ワンチャンスの方が若干安全という傾向はありますがデータ上は大差ないようです。四麻の場合も同様の傾向があり、こちらでも検証されています。

 

ただ、個人的に少し気になるところがありました。ここでは「リーチ者の現物でない」3枚切れの牌のまたぎを他力ワンチャンスと定義していますが、データ研究がなされる前、「ワンチャンスにも安全なものと危険なものがある」ことが話題になった時に取り上げられた「危険なワンチャンス」は、「リーチ者の現物である」3枚切れの牌のまたぎのことだったと記憶しています。4枚目が他家から切られずノーチャンスにならないということは、最後の1枚をリーチ者が持っている可能性が高いという理屈です。

別の方がされた研究結果では、「自分で暗刻持ちのワンチャンス」と、「場に3枚切れワンチャンス」では、後者が前者より1.5倍程度危険で放銃率に有意差があるというものでした。確かにこちらでも、「場に3枚切れ(リーチの現物でない)」との但し書きがあり、危険になる理由について説明されている際も、3枚切れの牌がリーチの現物でないことが前提になっています。

しかし、ワンチャンスの危険度を調べる際、あえて「リーチ者の現物である」3枚切れの牌だけを除くのは、いささか不自然な気もします。「自分で暗刻持ちのワンチャンス」と「場に3枚切れのワンチャンス」とを比較するのであれば、場に3枚切れのケースはリーチ者の現物かどうかを問わないのが自然ですし、「リーチ者の現物でない」3枚切れをとの比較をするのであれば、「リーチ者の現物である」3枚切れも同時に調べるのが妥当ではないでしょうか。

そして、表には、(ワンチャンスのマタギは通っていない)との但し書きもあります。解釈をこちらに合わせるなら、「リーチ者の現物でない」のは、「3枚切れの牌」ではなく、「ワンチャンス」です。

憶測の域を出ませんが、元データの「場に3枚切れワンチャンス」は、「3枚切れの牌がリーチ者の現物」のケースも含んだものであったにもかかわらず、データを説明する際に、「3枚切れの牌がリーチ者の現物でない」ものとしたため、本書ではその前提でデータが取られ、結果的に自力他力に大差ないという結論になったように思われます。

34 ドラ 

ドラで無ければ安全な待ちほど、ドラ受けであることが残される理由になるので、ドラで無い場合と比べて危険度が跳ね上がります。三麻は元々の放銃率が四麻より高く、表ドラ以外で高打点を作りやすいことからドラ待ちにこだわらないことが多いためか、四麻と比べれば危険度の上昇率自体は低い傾向がありそうです。天鳳位のコメントにありますように、他の牌を切るよりはマシという理由でドラでも比較的通りやすい牌を切る機会は四麻よりは多そうです。

みーにんさんの『データで勝つ三人麻雀』

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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