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ネマタの戦術本レビュー第999回「『鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム』編 その20 著:お知らせ」

ネマタの戦術本レビュー第999回「『鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム』編 その20 著:お知らせ」

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ネマタの戦術本レビューとは
  • 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
  • ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
  • 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!

当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。

PART6 作業の前倒し

3 タンキカウント                  

手組の話と言うとどうしても「計算」のイメージが付きますが、実際は計算というよりは「数え上げ」です。それも受け入れ何種何枚のような話ではなく、特定の牌が場に何枚見えているかを把握しておくことが重要になります。そのあたりを意識できていないと、細かい手組の話ばかりが気になって重要な場況を見落としがちになる、あるいは逆に、何を切るかに正解はないから知識を身につけても仕方無いといった発想になりがちです。

メンツ手のターツ選択や浮き牌選択に関しては、数え上げ以外の要素で判断が決まることも多いので、数え上げが特に重要になるのが必ず単騎待ちになるチートイツのケース。今回のように手変わりの少ない28単騎でリーチ効率のよいチートイツをダマに構えるのも避けたいところですが、絶好の待ちだと思ったらポンされていて純カラ、自分で切っていてフリテンのような単純ミスを防ぐうえでも、テンパイ以前の段階で数え上げる習慣をつけておきたいところです。

p201のようなメンツ固定とアタマ固定を比較する問題でもタンキカウントが重要になります。今回のように縦受けが薄い場合はメンツ+リャンメンのアタマを作りやすい形を含む場合もアタマ固定有利になる場合があるので、その形が無い場合はなおのこと場況次第とみてよいでしょう。メンツ手の単騎テンパイは多メンチャンや平和変化があるのでチートイツよりはダマに受けることも増えますが、それでもリーチが最善になることも少なくありません。単騎リーチは麻雀にある程度慣れている人ほど取りづらい選択なので、このあたりの判断を高い精度で出来るかどうかは戦績にも結構関わってくると考えられます。                    

4 ツモに備えるということ

「一番めんどくさいツモに備えること」というフレーズが印象に残ります。一番めんどくさいツモが何かが分かるということは、それだけ手組の知識がついているということですし、一番めんどくさいツモに対応できれば、それ以外のツモで何を切るかは容易に判断できるようになっているということです。

従来の何切る問題集は一定の解答を示したうえで、限られた文章量で解説を書く形式を取っていたので、正着を示すのが難しい「めんどくさい牌姿」を扱いづらく、扱ったとしても実戦で活用できるような解説を書くのとが困難という面がありました。戦術書として需要が見込めるかは難しいところですが、本項目のように、「一番めんどくさいツモは何か」「そのツモに対して、どのような局面であれば何を切るか」について検証する形式の「何切る本」があってもいいのではないかと思わされました。

鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム

「麻雀は考えるのが大事とよく言われます。では実戦でどうすればより良い思考ができるでしょうか。答えは単純で、『考えられた結果を手が勝手に出力する』ようにすること
です」(まえがきより)

麻雀とは人間の処理能力を超えた情報量を与えられ、限られた時間でそこから最適解に近いものをいかに導き出すか、というゲームであると言えます。
その際に役に立つのが「システム」です。状況をある程度パターン化し、抽象化することで個々の事象に対して、最善の選択をする可能性を上げることができます。

本書があなたに提供するのは最高レベルのシステムです。驚異的な打荘数で知られる「鬼打ち天鳳位」ことお知らせ氏が生み出し、磨き上げられた55のシステムとその詳細な解説が本書に書かれています。 

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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