- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
- ご意見・ご感想がありましたら、お問い合わせフォームから送信してください。
- 第1回から読みたい方は、目次からご覧ください!
当レビューは書籍の内容に関するネマタ氏が当書の回答に異論があるもの、追記事項があるものを取り上げます。姿牌、局面については書籍を購入してご確認下さい。
PART6 作業の前倒し
5 ベタオリ準備
のみ手でもリャンメンテンパイならベタオリするくらいなら押すことが多いのですが、迂回できるケースもあるので親リーチに巡目が深ければ無スジは止めることが多そうです。この段階ではまだ押すとしても、次巡以降の無スジは更に放銃率が上がるので、いずれ押さない方がよくなるケースが出てきます。よって、押せるかどうか微妙程度のテンパイが入っている時も、予めベタオリ準備をしておくに越したことはありません。
テンパイから迂回するなら、止めた牌が数牌なら、まとめて通るターツ落とし→通っている雀頭落とし→まとめて通るメンツ落としの順にテンパイに復帰しやすくなります(字牌はシュンツを作らないので、雀頭→ターツ)。今回はが無スジなので、迂回するならトイツ落としになります。
リーチに降りることや迂回できるルートを探すことばかりに集中して、別の他家への守備が疎かになるのもよくあるミス。可能な限り作業を前倒しにしてミスを防ぎたいものです。
6 不要牌
ブロックが足りている場合、既存のものより強いブロックを作らない浮き牌は不要牌になります。不要牌同士であれば、他家に対してより安全な牌を残すのが原則。一般論としてはメンツを構成しにくい牌ほど安全になりますが、場況によってはシュンツを作らない字牌より数牌が安全になる場合もあります。例外にすぐ気付くためにも、予め情報を確認し牌の危険度を把握しておく必要があります。
余談になりますが、不要牌同士の比較要素として守備力だけでなく、後まで引っ張られることで手牌構成が読まれやすくなるかどうかというのもあります。これについても数牌が残っている方が手変わりやメンツの一部のケースが残るので読まれにくくなると言えます。「とりあえず字牌を持っておこう」と考える前に他に残す牌がないか予め意識しておきたいですね。
鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム
「麻雀は考えるのが大事とよく言われます。では実戦でどうすればより良い思考ができるでしょうか。答えは単純で、『考えられた結果を手が勝手に出力する』ようにすること
です」(まえがきより)
麻雀とは人間の処理能力を超えた情報量を与えられ、限られた時間でそこから最適解に近いものをいかに導き出すか、というゲームであると言えます。
その際に役に立つのが「システム」です。状況をある程度パターン化し、抽象化することで個々の事象に対して、最善の選択をする可能性を上げることができます。
本書があなたに提供するのは最高レベルのシステムです。驚異的な打荘数で知られる「鬼打ち天鳳位」ことお知らせ氏が生み出し、磨き上げられた55のシステムとその詳細な解説が本書に書かれています。