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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第47回 リャンメンに当たらない「スジ」

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第47回 リャンメンに当たらない「スジ」

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今回は、オリたいけど安全牌がないときに頼れる「スジ」をご紹介します。

スジが比較的安全な理由は、リャンメン待ちに当たらないからです。
攻める側は、いい待ちにしたいので、最終形がリャンメン待ちのことが多い。しかし、スジを切れば、リャンメン待ちには当たりません。つまり、最もメジャーな攻撃手段を回避できるのです。

具体的にみてみましょう。例えば、あなたが次のようなテンパイでリーチを打ったとします。

[七][八][②][③][④][⑤][⑥][⑦][1][2][3][西][西]

ただ、序盤に[六]を切ってしまっていました。そうなると、他家から[六][九]が出ても、ロンできないですね。もしアガれば、フリテンでチョンボになってしまいます。

フリテンでもリーチはでき、自分で[六][九]をツモれば問題ないのですが、他家からはアガれなくなるのです。

つまり、他家から見ると、[六]を切っている人のリーチに対して、[九]を切っても、絶対にリャンメンでは当たりません。同様に、[三]がリャンメン待ちに当たることもありません。

他の牌も同様で、

河に[四]が切られている→[一][七]がスジで、リャンメン待ちには当たらない
河に[五]が切られている→[二][八]がスジで、リャンメン待ちには当たらない
河に[六]が切られている→[三][九]がスジで、リャンメン待ちには当たらない

もちろん、ピンズやソーズでも同じです。

これが普通のスジで、さらに、中スジと呼ばれるものがあります。

河に[一][七]が切られている→[四]が中スジで、リャンメン待ちには当たらない
河に[二][八]が切られている→[五]が中スジで、リャンメン待ちには当たらない
河に[三][九]が切られている→[六]が中スジで、リャンメン待ちには当たらない

[一]を切っていると、[一][四]のリャンメン待ちではロンできないですし、[七]を切っていると[四][七]のリャンメン待ちにはロンできません。つまり、[四]はリャンメン待ちには当たらないわけです。

スジの牌を切ると、もし当たったとしても、リャンメン待ちではないので、少なくともピンフではありません。つまり、放銃したときの失点が抑えられるメリットもあり、スジは、安全牌がないときに頼れる存在になります。

ただ、スジだから、全部安全というわけではありません。指さし確認する例を2つ紹介しましょう。

1)スジでも、3と7は要注意
 
 前回も強調したように、3と7は手作りのキーになる牌です。
 安全度の順は、
    1と9>2と8>3と7 
なので、例えば、他家が[六]を切っていたとき、同じスジでも、[九][三]では、安全さは月とスッポンぐらい違います。

 繰り返しになりますが、3と7は、リャンメン待ち、カンチャン待ち、ペンチャン待ち、シャンポン待ち、タンキ待ちの全5パターンすべてに当たります。
 攻撃する際は最も頼りになりますが、守備側にとっては最凶の存在、危険物といって過言ではありません。

 特に、放銃時にダメージを受けやすいのが、ペンチャン待ちに当たったときです。

 攻撃の観点では、[一][二][八][九]のようなペンチャンターツは、序盤で嫌っていくことが多いですよね。牌効率がよくないからです。

 にもかかわらず、最終形までペンチャンターツがあるのは、役を追求しているケースが多いのです。代表的な役は、サンショク(三色同順)とイッツー(一気通貫)です。

 [一][二][①][②][③][⑨][⑨][1][2][3][発][発][発]

 リーチした人の河に[六]があるからといって、安易にスジの[三]を切って、こんな手に当たると、リーチ・発・チャンタ・サンショクで6ハン、跳満となり、決定的な失点になりかねません。

 [一][二][三][四][五][六][八][九][②][②][6][7][8]

 同様に、河にある[四]を頼りに[七]を切ってこんな手に当たると、リーチ・イッツーで少なくとも3ハン。ペンチャン待ちの2符があるため、切り上げて40符になり、子で5200点、親で7700点の失点になります。さらにドラが1つでもあれば、満貫ですね。

 全体からみると、サンショクやイッツーの可能性は、それほど高くはなく、恐れすぎなくてもよいのですが、振り込んだときのダメージが大きいので、気をつけてください。チャンタや純チャンを狙う人は、序盤から真ん中の牌を多く切るため、河をよく見ると気づけると思います。

2)リーチ宣言牌のスジは要注意

A  [西][①][五][⑧][北][3] リーチ
B  [西][①][3][⑧][北][五] リーチ

 リーチしてきた人の河が、上のようだったとします。

 [五]が切られているので、[二][八]がスジですが、Bのように、リーチ宣言牌が[五]のときは、[二][八]は要注意。というより、むしろ危険牌になります。

 理由は、攻撃する側は、[一][三][五][五][七][九]のような形(カンチャンが2うあるのでリャンカン形といいます)を大切にするからです。

 受け入れが2つあるので、リャンメンターツほどの嬉しさはないものの、まあまあ貴重な存在なんですね。

 例えば、

 [一][三][五][④][赤⑤][⑥][6][7][8][9][西][西][西]  ドラ[⑥]

のようなイーシャンテンだと、ドラ2ですし、ぜひアガリたい。

 [二][四]を引けば、[6][9]のノベタン待ちでリーチを打てるので、[一][三][五]のリャンカン形は最後まで崩しません。

 ここで、もし[6][9]を引けば、[一]を切ってカン[四]待ちのリーチでも良いのですが、ふつうは真ん中の牌より端よりの方がアガリやすいので、[五]を切ってカン[二]待ちのリーチを打ちます。

 すると、リーチ宣言牌が[五]で、スジの[二]がカンチャン待ちに当たることになるのです。

 なおこの要注意ポイントは、リーチ宣言牌が[四]のときの[一]と、リーチ宣言牌が[六]のときの[九]には、あてはまりません。[一][九]がカンチャン待ちに当たることはないですからね。

 いずれにせよ、スジの[一][九]が当たるのは、シャンポン待ちかタンキ待ちだけです。
 端牌がスジになっているときは、純チャンやチャンタが警戒されるときなどをのぞけば、相当安全だと考えてかまいません。

 次回は、スジと同様、守備の羅針盤になる「ノーチャンスとワンチャンス」を紹介します。

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この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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