今回は、オリたいけど安全牌がないときに頼れる「スジ」をご紹介します。
スジが比較的安全な理由は、リャンメン待ちに当たらないからです。
攻める側は、いい待ちにしたいので、最終形がリャンメン待ちのことが多い。しかし、スジを切れば、リャンメン待ちには当たりません。つまり、最もメジャーな攻撃手段を回避できるのです。
具体的にみてみましょう。例えば、あなたが次のようなテンパイでリーチを打ったとします。
ただ、序盤にを切ってしまっていました。そうなると、他家からが出ても、ロンできないですね。もしアガれば、フリテンでチョンボになってしまいます。
フリテンでもリーチはでき、自分でをツモれば問題ないのですが、他家からはアガれなくなるのです。
つまり、他家から見ると、を切っている人のリーチに対して、を切っても、絶対にリャンメンでは当たりません。同様に、がリャンメン待ちに当たることもありません。
他の牌も同様で、
河にが切られている→とがスジで、リャンメン待ちには当たらない
河にが切られている→とがスジで、リャンメン待ちには当たらない
河にが切られている→とがスジで、リャンメン待ちには当たらない
もちろん、ピンズやソーズでも同じです。
これが普通のスジで、さらに、中スジと呼ばれるものがあります。
河にとが切られている→が中スジで、リャンメン待ちには当たらない
河にとが切られている→が中スジで、リャンメン待ちには当たらない
河にとが切られている→が中スジで、リャンメン待ちには当たらない
を切っていると、のリャンメン待ちではロンできないですし、を切っているとのリャンメン待ちにはロンできません。つまり、はリャンメン待ちには当たらないわけです。
スジの牌を切ると、もし当たったとしても、リャンメン待ちではないので、少なくともピンフではありません。つまり、放銃したときの失点が抑えられるメリットもあり、スジは、安全牌がないときに頼れる存在になります。
ただ、スジだから、全部安全というわけではありません。指さし確認する例を2つ紹介しましょう。
1)スジでも、3と7は要注意
前回も強調したように、3と7は手作りのキーになる牌です。
安全度の順は、
1と9>2と8>3と7
なので、例えば、他家がを切っていたとき、同じスジでも、とでは、安全さは月とスッポンぐらい違います。
繰り返しになりますが、3と7は、リャンメン待ち、カンチャン待ち、ペンチャン待ち、シャンポン待ち、タンキ待ちの全5パターンすべてに当たります。
攻撃する際は最も頼りになりますが、守備側にとっては最凶の存在、危険物といって過言ではありません。
特に、放銃時にダメージを受けやすいのが、ペンチャン待ちに当たったときです。
攻撃の観点では、やのようなペンチャンターツは、序盤で嫌っていくことが多いですよね。牌効率がよくないからです。
にもかかわらず、最終形までペンチャンターツがあるのは、役を追求しているケースが多いのです。代表的な役は、サンショク(三色同順)とイッツー(一気通貫)です。
リーチした人の河にがあるからといって、安易にスジのを切って、こんな手に当たると、リーチ・発・チャンタ・サンショクで6ハン、跳満となり、決定的な失点になりかねません。
同様に、河にあるを頼りにを切ってこんな手に当たると、リーチ・イッツーで少なくとも3ハン。ペンチャン待ちの2符があるため、切り上げて40符になり、子で5200点、親で7700点の失点になります。さらにドラが1つでもあれば、満貫ですね。
全体からみると、サンショクやイッツーの可能性は、それほど高くはなく、恐れすぎなくてもよいのですが、振り込んだときのダメージが大きいので、気をつけてください。チャンタや純チャンを狙う人は、序盤から真ん中の牌を多く切るため、河をよく見ると気づけると思います。
2)リーチ宣言牌のスジは要注意
A リーチ
B リーチ
リーチしてきた人の河が、上のようだったとします。
が切られているので、とがスジですが、Bのように、リーチ宣言牌がのときは、とは要注意。というより、むしろ危険牌になります。
理由は、攻撃する側は、やのような形(カンチャンが2うあるのでリャンカン形といいます)を大切にするからです。
受け入れが2つあるので、リャンメンターツほどの嬉しさはないものの、まあまあ貴重な存在なんですね。
例えば、
ドラ
のようなイーシャンテンだと、ドラ2ですし、ぜひアガリたい。
かを引けば、のノベタン待ちでリーチを打てるので、のリャンカン形は最後まで崩しません。
ここで、もしかを引けば、を切ってカン待ちのリーチでも良いのですが、ふつうは真ん中の牌より端よりの方がアガリやすいので、を切ってカン待ちのリーチを打ちます。
すると、リーチ宣言牌がで、スジのがカンチャン待ちに当たることになるのです。
なおこの要注意ポイントは、リーチ宣言牌がのときのと、リーチ宣言牌がのときのには、あてはまりません。やがカンチャン待ちに当たることはないですからね。
いずれにせよ、スジのやが当たるのは、シャンポン待ちかタンキ待ちだけです。
端牌がスジになっているときは、純チャンやチャンタが警戒されるときなどをのぞけば、相当安全だと考えてかまいません。
次回は、スジと同様、守備の羅針盤になる「ノーチャンスとワンチャンス」を紹介します。
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