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もっと勝つための現代麻雀技術論 第178回 「ルールを考慮した押し引き」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第178回 「ルールを考慮した押し引き」

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ルールを考慮した押し引き判断

 前回、天鳳のようなルールは特に点数状況が押し引き判断に影響すると申しましたが、現在は「局収支」と、「半荘収支」(祝儀5000点相当のいわゆる雀荘ルール)と、「段位pt収支」(天鳳ルール)を元にした押し引き判断について具体的に検証されているので、そちらを参考に点数状況の影響具合について考察することにします。

 とりあえず麻雀研究始めてみました - 押し引き表の構成変更

 「半荘収支」の押し引き表を見ると、南1で4万点持ちのトップであっても、開局時点と比べて押し引き判断が変わるケースがかなり限られていることが分かります。明確に押し寄りから降り寄りになるのは、高打点テンパイだが2枚切れ悪形といったかなり待ちが苦しいような、負けている時はリスクが高いとはいえリターンも大きい場合くらいです。

 素点と祝儀の収支があるので、順位点を考慮してもそこまで押し引き判断に差がつかなくなるわけです。むしろ、簡単にトップを逆転されないくらい大差がつけば、着順を意識する必要性が薄くなるので、相対的に祝儀の価値が上がります。

 よってリードしている時でも、テンパイなら自分の祝儀収入を期待するとともに、被ツモによる祝儀の損失を防ぐために押すという選択が有力になるのです。

 一方、「段位pt収支」の押し引き表を見ると、南1で4万点持ちのトップの場合は、開局時点と比べてはっきり降り寄りになっていることが分かります。素点自体は段位ptに関係しないので、リードしている状況から更に点数を上乗せするメリットが小さいためです。

 また南1で1万点持ちの場合でも、前回も申しましたように、安手をあがっても点数状況があまり改善しないので、安手テンパイの場合はあまり判断が変わりません(むしろトビの影響で点数状況が平たい場合以上に押せないこともある)。負けている時に押し引き判断が明確に変わるのは、やはり高打点だけど待ちがかなり苦しいケースです。

 実戦では、どこからリーチが入ったかによって押し引き判断が変わることも多いので、今回のはあくまで目安として押さえていただければ幸いです。より具体的な押し引き判断については、第3章「状況判断」を扱う際にまた取り上げたいと思います。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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