第12期雀竜位・斎藤俊プロ(日本プロ麻雀協会)によるプロ対局の寸評がスタートしました。今回は9月18日に行われた「雀王戦Aリーグ第10節(最終節)」です。
雀王戦Aリーグ第10節
本日の結果を以って木原雀王の挑戦権を得るもの、B1リーグに降級する者が決まる。長いようで短い通年リーグも今日の結果の為に各々打ってきたのだ。
会場の雰囲気はこのような感じである。
最終日ということもあり観戦者も多い。Aリーグは採譜者もつく。
10節最終半荘を迎える前の各者のスコアをまとめた。
たろうは決定戦当確。角谷、小川、金が2枠を争う。ざっくりとした条件は下記のようになる。
金はトップかつ、小川が逆連帯、もしくは角谷がラス。
小川は5.9P差を付けて角谷より上の着順なら確定。自身が2着だと金がトップを取った場合、28500点差未満ならOK。
角谷はそれらを満たされなければよい。
参考までに次々点の仲林は150000点トップかつ小川がラスというもの。
残留争いは抜け番都合で起こらなそうである。佐久間や伊達は箱下85000を越えなければ良い。
要は角谷、小川、金を除く全員が局消化をテーマに打つことになる。
A卓 角谷-阿賀-小川-宮崎
東2局 ドラ カンドラ
小川が既にリーチを打っていた宮崎から海底で和了
チー
8000点のリードを持つ。
ここからの小川は当然のガード戦法を取る。
東3局 親 小川 ドラ
ツモ
自分がすでに捨てているではあるが、8巡目にしてオリに回る。局のテーマにより手牌の価値は如何様にも変化するのだ。しばらくして角谷が8000を阿賀から和了。逆連帯を引かなければ良い2人がマンガンを和了する。
この後は小川が絞り、角谷が刻む。明確な役割と共に淡々と進み終局。
B卓 達也-仲林-佐久間-金
北家の金が普段通り丁寧に丁寧に打つ。
東1局 ドラ
ツモ 打
ツモ 打
ツモ 打
一気通貫と三色タンヤオを睨んだのトイツ落とし。単騎で出和了の1300の開局となった。見逃す手もあったが巡目との相談であろう。
東2局 ドラ
達也がファンタジスタっぷりを魅せるマンガン和了。
ツモ
前巡にを切っている辺りがいかにも達也らしい。
東3局 親番佐久間。和了牌が出るも見逃し。仲林が安手で流す。
東4局 金の大事な親番。今度は佐久間が安手で流す。
南1局 親番達也。流局時テンパイもノーテン宣言で流局。
南2局 仲林親番。下家佐久間が安手で流す。
南3局 仲林が1300/2600で局を進める。
南4局 仲林のアシストの元、佐久間が和了。
僅か8局。呼吸の合った3人の局運びの割を喰い、金はラスを引かされる展開となってしまった。
雀王決定戦進出者は、たろう、角谷、小川。そして王者木原が迎え撃つ。
10月15日協会最高峰の戦いがついに始まる―
順位 | 選手名 | ポイント |
---|---|---|
1 | 鈴木 たろう | 577.4 |
2 | 小川 裕之 | 504.1 |
3 | 角谷 ヨウスケ | 482.0 |
4 | 金 太賢 | 330.1 |
5 | 仲林 圭 | 218.4 |
6 | 鈴木 達也 | 166.4 |
7 | 矢島 亨 | 135.7 |
8 | 橘 哲也 | 101.4 |
9 | 阿賀 寿直 | 31.1 |
10 | 宮崎 和樹 | ▲180.5 |
11 | 佐久間 弘行 | ▲250.9 |
12 | 伊達 直樹 | ▲279.9 |
13 | 蔵 美里 | ▲405.8 |
14 | 鍛冶田 良一 | ▲592.7 |
15 | 土子 貴智 | ▲847.8 |