技術9
「現麻本」で扱った牌姿は、「特に条件が無ければ打Aが正着だが、打Bとは微差で、多少B寄りの条件が入れば打Bが正着になる」というものが中心です。
何故なら、どちらかと言えば打A有利となる基準を押さえていれば、明確に打A有利となるケースで迷わずに選択できるのが一点。
もう一点は、判りやすさの観点からは明確に打A有利になる牌姿も同時に掲載した方がよいとはいえ、それには分量が足りなかったためです。
昨今は手作りに関する記事も充実してきているので、本格的に読み込もうと考えていらっしゃる方も多く見受けられます。
しかし、「本格的に読み込もう」と考えている時点で、既に平面上で明確に差がつく問題については迷わず正着が打てている可能性が高いので、そのような方こそ実戦を通して場況判断を学んだ方が成績への寄与が大きいということは私も同意するところです。
便宜上、基礎と応用という形で分けることもありますが、麻雀の上達のために必要な技術は順番通りに学ばねばならないというものでもありません。
むしろ、今の自分の弱点を把握し、足りていないものを重点的に学ぶというあり方こそ、効率よく上達するために必要なことではないでしょうか。
技術10
(手変わりがあまり多くない)愚形のみ手は待ちがまずまず良ければリーチ。
技術8の待ちの強さを意識していれば、のみ手でも不利にならないリーチを打ちやすくなります。
逆に言えば、テンパイしてもリーチが有利と言えなさそうな待ちになる場合は、テンパイ以前の段階からよりよい待ち、あるいは打点を上げる変化を重視して、即リーチを打ちやすい手組を目指します。
リーチのメリットはほぼ打点上昇の一点に集約される一方、「ダマにしたくなる要素」というのはそれこそ山のようにあります。
しかし、それでもまだリーチが有利ということが多いのが麻雀です。
成績が伸び悩んでいる人でリーチ率が低い方は、自分がリーチするか迷うケースはそれでもリーチが有利であると思ってもらっても結構です。
逆に、基本は即リーチというセオリーを当然のものとして受け入れてきた方は、ダマ寄りになる要素自体は数多くあるので、要素が積み重なってリーチしないケースも実戦では時たま出現するということを意識していただくと、場況判断を学ぶうえでも役に立つと思います。
技術11
牌姿Eはおそらくピンズの形は(タンヤオがつかない)と思われます。
これなら手変わりは多くないとはいえ打点上昇が大きいので中盤くらいまでテンパイを外します。
終盤なら牌姿Aでも即リーチすべきというのはその通りですが、テンパイ以前に何らかの3〜7牌を引いていれば先にペンチャンを外した方がよいので、正しい手順を踏んでいれば、手変わりがかなり強いが巡目が深いので仕方なくリーチということが減り、より有利な手でリーチを打てることが増えると思います。
本記事に関するご紹介
ネット上にあふれる情報をただ「得る」だけではなく、それを「使いこなす」ことが重要だと平澤プロはいいます。そして本書で情報の整理ができるようになれば、今後手に入れるすべての情報を生かして「強くなり続ける」ことができるはずです。
常に立ち返ることのできる「麻雀の勝ち方」を示した一冊、ぜひ手に取って読んでみてください。