技術28
ルールによって打ち方が変わる例の最たる例が「順位点」絡み(特にオーラスやオーラス間際)です。
これだけはルールの違い目をはっきりさせたうえで対局に臨む必要があります。
逆に言えば、(四人打ちのリーチ麻雀の範疇であれば)それ以外のルールの違いはさほど気にしなくても結構です。
順位点関連以外のルールの違いは打ち方にさほど影響しないというと語弊があるかもしれません。
正確には、「ルールによって手牌や場況の出現頻度は変わるが、手牌や場況の違いだけを意識すればルールを考慮しなくても正しく判断できる」と言う意味です。
例えば、「赤有りルールは早アガリを目指すべき」と言うのは誤りではありませんが、手牌に赤が豊富にある手なら「アガリさえすれば高打点になる手牌だから早アガリを目指す」、鳴いて早アガリを目指している他家がいるのであれば、「他家の手が早い局面だからこちらも早アガリを目指す」というように、それぞれ手牌、場況に着目すれば事足ります。
そのようなケースが増えるので早いアガリを目指す技術が重要になるというのは事実ですが、手牌と局面が同条件であれば、ルールの違いだけで打ち方を変える必要があるケースは多くありません。
むしろルールを意識しすぎて、実際に与えられた手牌、局面を見たうえでの判断が疎かにならないように注意したいですね。
技術29
オーラスやラス前であれば点数状況によって打ち方が変わるのは当然ですが、平場に準ずる局面であっても、打牌候補が複数あり、手牌、場況を考慮したうえでの優劣がいずれも微妙であれば、点数状況によって打ち方が変わることは考えられます。
読みと一緒で他が大差ないと分かっていれば定性的判断であっても十分に役立ちます。問題は定量的判断が必要になる局面ですが、これについては、まさに今後の麻雀研究の課題となりそうです。
技術30
「何巡目ならどうするか」という話はよく聞きますが、数巡の差が気になるほど平面上では微差の問題に関しては、何巡目ならこうすると決めてしまわずに、実際の場況に着目すべきでしょう。
下手に基準を決めてしまうと場況を見ることが疎かになりがちというのもあります。場況が変わってもやはり判断が変わらないということも多々ありますし、「不利な要素はあるけどそれでも○○すべき」という判断を下すのは人には特に難しいので、状況によらない基準をまず押さえておくことは上達のうえで大事なことですが、そのうえで実戦では、場況を見ることを怠らないようにしたいものです。
練習問題についての補足
問題1
待ちになった時に強いところを固定し、そうでないところを厚く持つとよく言われますが、平面上の話に限った話ではないですね。
問題3
打点が1〜2翻上昇する手変わりが5種18枚。中盤だと手変わりの量が若干不足していますが、2巡目でこの手なら、仮に東1原点だとしても打西が有力とみます。
第5章はデータや座談会がメインなので私が言及するところは特にありませんが、非常に有益な内容なので是非とも御一読下さい。次回からは、近代麻雀戦術シリーズ、『天才雀士3人に麻雀のことを聞いたらバカ勝ちできた』(通称バカ本)のレビューに入ります。