二限目 講座4
図Dの手牌で打として面子を固定するとテンパイする受け入れは8種28枚、打として雀頭を固定とすると4種16枚。実に12枚もの差がついています。打の方が良形テンパイになりやすいとはいえその差は4枚で、打として単騎待ちになった場合も手変わりを待つことができます。にもかかわらず、フラットな場では落とし推奨というのですから、ほとんどのケースで単純な受け入れ枚数よりも、良形テンパイになる受け入れ枚数を重視した方がよいということが分かります。
牌姿ごとの面前聴牌スピード考察-2 - ぐっさんの麻雀研究日誌
とはいえ面子固定も雀頭固定の大差ないので、状況次第で面子固定を選ぶ場合もあります。詳しくはこちらの研究を御参照下さい。
図Dのケースで良形テンパイになる受け入れを重視するのですから、図Aや図Bはなおのこと良形テンパイを重視してカンチャンを落とすのが有利であることが分かります。図Aについては、序盤なら打としてツモでテンパイしても、良形変化が豊富で平和、イーペーコーがつくケースもあるのでテンパイ外しの打が有力です。
それなら打でもよさそうですが、と落とすとと落とした場合に比べて待ちが読まれやすくなるというデメリットもあります。序盤ならとの危険度の差もあまり気にする必要がないので、いずれにせよ打とすることをお勧めします。
図Cは良形テンパイの受け入れ重視ならカンチャン落としですが、カンチャン落としで打としても良形テンパイになるのはツモのみですし、打として単騎待ちになった場合も比較的アガリやすい単騎待ちでリーチするか、手変わりを待つかを選ぶこともできます。これなら打に分がありそうです。
「受け入れ枚数より、よりよい手になる受け入れ優先。しかし特定の牌を引いた時だけ有利になる選択よりは、その牌を引かなかった場合に有利になる選択優先」と押さえておくと多くのケースで対処できるようになると思います。
ただし今回の手牌でもカンチャン落としがそれほど損というわけではありません。仮にがなら、へのくっつきで更に良形テンパイになりやすくなるので、その場合はカンチャン落としを推奨します。面子候補を1つ落とすことで手役やドラ絡み、あるいは安牌候補といって浮き牌を1枚持つことができるメリットもあります。
いずれにせよこの辺りは優劣微妙なので、実戦では場況をふまえたうえで柔軟に対応されることをお勧めします。
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