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ネマタの戦術本レビュー第372回「「統計学」のマージャン戦術 著:みーにん その12」

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 テーマ22

 「リーチ宣言前に切った牌の外側の牌」とありますが、正確には、「リーチ宣言前に切った牌がメンツ候補の一部であり、そのメンツ候補が待ちとして残っている場合は当たりになる牌」ということになります。例えばリーチ宣言前に3と8が切られていれば、内側の牌ですが5も該当します。
 平均的な筋並みということは、モロヒッカケのような比較的危険な筋よりは通りやすいということになります。他が無筋しか残っていないと、当たりそうであってもつい筋に頼ってしまう傾向がある打ち手は少なくないので注意しておきたいところです。
 外側牌が安全になるというだけでは、外側でない無筋の危険度が跳ね上がるということはありませんが、外側牌に該当する牌が多数ある場合は、手牌が整っていてリーチの待ちが良形である可能性が高くなると言えます。特に宣言牌が字牌であればなおのことリャンメン以上の可能性が高く、外側牌はなおのこと通りやすくなるので、ここまで条件が揃えば外側以外の無筋の放銃率が上がり、押し引き判断に影響することも珍しくはなさそうです。

 テーマ23

 モロヒッカケが危険になるのはそこを待ちとするメンツ候補がテンパイまで残る可能性が高いためです。単に浮き牌だったケースも否定できないモロヒッカケですら無筋と同程度に危険になるのですから、浮き牌であったとは考えにくいケースになると通常の無筋以上に危険と判断すべきこともありそうです。
 筋1937に関しては後ヒッカケよりは前ヒッカケの方が危険という結果になっていますが、単騎、シャボ、ペンチャンに関しては受け入れを狭めずに前ヒッカケが可能で、可能なら優先して筋待ちになるように河を作られるというのが理由でしょうか。テーマ22と同様、宣言牌が字牌等の理由で前ヒッカケは考えにくいと読めるケースがあるのは確かなので、このあたりは個別の読みをもとに判断する方がよさそうです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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