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もっと勝つための現代麻雀技術論 第171回 「押し引き判断の基礎」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第171回 「押し引き判断の基礎」

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 これまで、攻め(第1章の手作り)と降り(第2章のベタオリ)のやり方について触れましたが、他家の攻撃を受けて、攻めるか降りるかを決定するのが押し引きです。利用頻度も多く、結果に与える影響も大きいので非常に重要ですが、強者でも極めることは難しく、最も実力差が出やすい分野です。ここではまず、押し引き判断について考えていくことにします。

他家がリーチしたら、まずは攻めるか降りるかの方針を決める

 他家のリーチに対して何を切るか迷って、攻めるにしても降りるにしてもどっちつかずの牌を切ってしまう。これも勝ててない人によくみられます。攻めるなら最大限に攻め、守るなら最大限に降りるのが基本です。他家がリーチしたら何を切るかより先に、攻めを継続するか、それとも降りるかの方針を決めるようにします。

 ただし、あくまで方針を決めるだけであり、攻めないといけない、降りないといけないというわけではありません。降りる方針でも現物を切りつつ勝負に見合う手になれば押すべきですし、逆もまたしかりです。打牌選択についてはその時点での損得で決めるべきであり、一貫性にこだわる必要はありません。「こだわり」は正しい判断のさまたげになるだけです。

基本は自分の手牌で決める

 よく、「親だから勝負」「トップ目だから守り気味に」「かなり危険な牌を引いたから降り」という話を聞きますが、押し引き判断で最も重要なのは自分の手牌です。押すべき手なのに考えすぎて降りてしまったり、降りるべき手で安易に押してしまわないように、まずは自分の手牌が押すに見合う手かどうかを基準にして、そこから局面によって判断を調整していくのが望ましいです。

テンパイなら意外と押せる

・相手
ロン、ツモ、別の他家からロン、流局

・自分
ロン、ツモ、別の他家からロン、流局

 相手と同程度に良い手でないと勝負できないと思われがちですが、自分のアガリは、「相手からロン」「ツモ」「別の他家からロン」の3通りあるのに対して、自分の振込みは「相手がロン」の1通りだけです。また、降りたとしても、「相手がツモ」「流局ノーテン」による失点は残ります。

 ですから、テンパイさえしていれば意外と勝負になります。よく、先手、良形、高打点。2つ揃ったら押しと言われますが、先制テンパイなら悪形のみ手でもリーチが悪くないですし、他家からリーチが入っていても、良形テンパイか悪形でも高打点テンパイなら押すことが多いので、むしろ条件は1つで十分ですね。

ノーテンなら大体降りる

 一方、かなりテンパイしやすい1シャンテンであっても、テンパイするまでに危険牌を押し、テンパイで更に危険牌を押すことになるので、悪形テンパイよりアガリ率、放銃率両方で劣ることになります(巡目が遅い場合はなおさらアガリ率は下がる)。

 よってノーテンから押せるケースは基本的に、「受け入れが広く高打点が狙える1シャンテンで、残り巡目も十分にある」場合に限られます。安手のテンパイから降りるのに、ノーテンから「高打点が狙えるかも」という理由で通ってない牌を押す人も結構見受けられます。

 第2回 など、手作りの項目でも申しましたが、従来の麻雀観では、安手や悪形残りの手はアガリに近い段階でも過小評価されやすく、逆にアガリに遠くても、「高打点の可能性が残る」手は過大評価されがちでした。

 「押し引き」の段階であればなおのこと、重要なのは、「アガリやすさ」です。どんな手が「よりよい手」であるかの基準がずれていると、手作りだけでなく押し引きでも打牌選択を誤りがちです。改めて、どのような手が押すに見合う、「よい手」なのかを次回以降確認していくことにいたします。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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