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もっと勝つための現代麻雀技術論 第174回 「切る牌の危険度を考慮する」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第174回 「切る牌の危険度を考慮する」

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切る牌の危険度を考慮する

 基本は自分の手牌で押し引きを決めればよいと第171回で申しましたが、微妙なケースになると、「切る牌の危険度」が判断に影響することも実戦では珍しくありません。

 巡目毎の切る牌の危険度については現麻本p159でも取り上げましたが、より詳しいものについてはこちらで解析されています。

 牌の危険度7 ~一般論~ - 現代麻雀理論

 巡目が深くなるにつれ牌の危険度が上がっていますが、危険度が上がる理由は巡目が深くなるからというより、巡目が経つにつれて通る牌が増えていくので、相対的に通っていない牌の危険度が上がるという方が正確です。

 便宜上巡目毎で分けていますが、重要なのは「通ったスジの本数」です。特に鳴き手のように1巡毎に押すか引くかを決めることができる手については、「この手なら何があっても降りない」と考えるのは、どんな勝負手であっても厳密には正しくないということは、より精度の高い押し引き判断を目指すうえでは意識しておく必要があります。

 むしろ、「よほどのことがない限り押す」手をテンパイしているなら、アガリ牌を見逃さないこと以外に意識することがあるとすれば、「よほどのことがあるとすれば何か」以外に無いとも言えます。

 「ベタオリの手順」の項目でも申しましたが、同ランクの危険牌の中でも、条件によって比較的通りやすいと言える牌があります。例えば第169回で申しましたように、早い段階で切られた牌を面子候補の一部とするような待ちで当たる可能性は低くなります。

 逆に言えば、「比較的通りやすい」と言える牌が数多くある場合は、そうでない牌の危険度が相対的に高くなるということです。確かに、「最後まで押す」「最初から降りる」で問題ないことが多いのは事実です。

 でも、「この手なら押す」、逆に、「この手なら降りる」と決めつけてしまわずに、ツモってきた牌の危険度に対して意識を持っておくことで、押し引き判断を切り替えるべき場面に出くわした時に対応しやすくなります。

 前回も申しましたが、セオリーを押さえたうえで、「実戦ではいつセオリーが覆るのか」を探してこそ、他の打ち手と差をつけることができるのです。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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