二限目 講座12
平面上の細かい面子候補や浮き牌同士の比較については「限麻本」でも取り上げましたが、実戦では場に安い色の待ちを残す、面子候補が出来た場合に鳴きやすい牌を残すといった場況を見る方が重要です。何故なら細かい差はあくまで微妙ながら理論上優劣があるとはいえ収支期待値のうえではほとんど差がつかない要素に過ぎませんが、場に安い色を残すことは直接の受け入れに関わるので、数値化することは難しいですが確実に差がつくところだからです。
メンゼンでテンパイすれば多くのケースは即リーチ有利ですし、テンパイ即リーチほどではないとはいえテンパイなら他家から攻撃が入っても多くのケースで押し有利です。しかしその時点では有利と言っても、それまでの手順が正しかったかどうかは別です。リーチがあがれない、めくり合いで負けることが多いと感じている方は、他の人はついていていいなと嘆く前に、場に安い色で待つ手順を意識してはいかがでしょうか。先手が取れた場合のアガリやすさは勿論、後手を引いた時も場に安い色を残す事でベタ降りも回し打ちもやりやすくなり、結果的に失点を減らすことにもつながります。
講座13
基本的に手変わりよりは受け入れ重視、守備力よりは強い変化を重視しますが、守備力でも特に差がつかない場合は、他家から手牌構成を読まれにくくするために強い河を作ることを考慮します。
図A、Bにあるように、3枚からなる面子候補から1枚外す時に、他家から見て2枚からなる面子候補を落としたように見える場合は、なるべく面子候補を連続して落とすことで単純な面子候補落としに見えるように切ります。面子候補の感覚が空くと後から切った牌が3枚からなる面子候補の一部であることが読まれて待ちが特定されやすくなります。
面子候補が足りていて使わない浮き牌同士を比較する場合も、手役に関連する浮き牌を先に切ることで待ちを読まれにくくすることができます。
字牌の多いホンイツ手だと、その分必要な同色牌が減るので、図Cのように同色牌を先に切っても受け入れのロスができない手牌になる場合も増えます。逆にいえば、字牌の生牌が多く残っている時は、鳴き手と同色の牌が他色の牌より先に切られたとしても、ホンイツの可能性が否定できないことも多いことに注意しましょう。
基本的に河作りのために残す牌よりは安全牌や受け入れを増やす牌を重視します。しかし、あえて安全牌や受け入れが増える牌を先に切るリスクを冒してまでおこなう迷彩の方が、迷彩として効果的にはたらくというのも確かなことです。
雀荘ルールではなかなかなさそうですが、ルールや点数状況的に特定他家からの直撃に大いに価値がある場合はそのようなケースも出てきます。例として挙げるならこちらの3回戦南3局でしょうか。今では古いと言われる手筋でも、時と場合に応じて使える場合もあります。余裕があれば引き出しに入れておきたいところです。
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