二限目 講座9
チートイツとメンツ手の比較については、「もっと勝つための現代麻雀技術論」第47、48回でも取り上げさせていただきました。基本的には他の手作り同様、受け入れ枚数より、よりよい手になる受け入れ優先。チートイツは受け入れが狭いとはいえ、役無し悪形テンパイよりはチートイツテンパイの方がよく、チートイツテンパイよりは平和テンパイの方が局収支期待値のうえでよい手と言えます。
よって図Bはもちろん受けの役無しテンパイよりはチートイツ優先で打、チートイツ1シャンテンとトイトイ1シャンテンの比較なら仕掛けがきく分多くの場合後者が有利、今回はスルーした場合は面子手も残りますが、1枚スルーすると面子手になった場合の待ちも弱くなるので、判断が変わるほどではないとみます。
図Cはメンツ崩しになるので打ちにくいですが、面子手はいずれも役無し悪形なのでチートイツを残す方が有利。しかも今回はタンヤオもつきます。一旦メンツを崩すといっても、タンヤオドラ3の1シャンテンなら仕掛けがきくのでタンヤオチートイツドラ3よりよい手なので仕掛けがきく牌は鳴きます。
図Dはチートイツを見切れば完全1シャンテン。タンヤオチートイツテンパイよりメンタンピンテンパイの方がよい手なのでこちらはチートイツを見切ります。
実は少し難しいのが図A、受け入れ枚数よりもよい手になる受け入れ優先。チートイツテンパイより平和テンパイの方がいいとなると打として受けを残す方がよいと思われたかもしれませんが、今回はチートイツを残す場合、ツモはタンヤオもつきます(ツモの場合は打リーチとしてスジ単騎で待つ選択もある)。
平和テンパイとタンヤオチートイツ、あるいは良形テンパイに近いアガリ率が見込めるチートイツテンパイとの比較であれば後者有利なので、今回は打に分があります。
チートイツは非効率と言われますがあくまで一般論での話。あくまで個別の手牌、局面に応じて、「よりよい手」になる受け入れ優先ということはメンツ手もチートイツも変わりません。
講座10
面子候補が足りていない段階では、安牌を抱えて手を狭めることは損であることが多かったですが、面子候補が足りていれば、浮き牌にくっついてもシャンテン数は進まないので、手変わりにさほどメリットがないのであれば安全牌を優先するのが原則です。
そのためにも、現状の手牌が面子候補の足りている手牌かどうかを確認することが必要になるので、「もっと勝つための現代麻雀技術論」でも、個別の牌姿に入る前に面子候補の数によって手牌の分類分けを行いました。
手役を狙うかどうかといった手作りの判断に比べると地味ですが、利用頻度は極めて高いので重要な技術です。戦術として書くこと自体は少ないのでどうしても分量は少なくなりますが、細かい手作りにとらわれて安牌残しが疎かになりがちな人は、面子候補が揃った場合に、比較的安全な牌を残して先に切るべき牌はないかを意識して着目することをお勧めします。
講座11
基本的に順子を構成しにくい端寄りの牌ほど安全度が高くなりますが、もちろんこれも場況次第。特に真ん中の牌の方が安全になるケースは盲点になりやすいものです。手拍子で内側の牌から切る前に、現状の場況ではどちらが安全になるかを再確認することをお勧めします。
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