- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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テーマ 11
前回に引き続き押し引き判断の話。麻雀は1対1対1対1のゲーム、4人の中で互角以上であればよいので、3人リーチになる場合も押して損しないことが案外あるものです。
ただし、本書でも指摘されている通り、リーチ宣言時に切る牌が通って初めてめくり合いを挑むことが出来るので、切る牌が危険であればそれだけ押せる領域が減ります。特に2人に通っていない牌となるとなおさらです。こちらも具体的には『統計学のマージャン戦術』を御参照下さい。
手牌Aと手牌Bはどちらも待ちで残り5枚ですが、他家が切っている牌はその他家が使っている可能性が低くなる分、自分で1枚使っている手牌Aの方が僅かながらアガりにくいというのは確かでしょう。手変わりについても手牌Aの方が強いので、「BならリーチするがAはダマ」という局面も有り得るかもしれません。ただしそのような場合はそもそも、「Bでもリーチするかどうか微妙」なケースでしょうから、細かい差にとらわれて優先順位を見落としがちなうちはあまり気にせず両方ともリーチすることをお勧めします。
経験がかえって人を弱くさせる場合もありますが、正しい知識を打牌に反映させるためにも経験が必要ですし、十分に研究されていない分野については、時には勘や経験則に頼る必要もあります。しかし、そのためにもやはり土台となる知識が必要ですし、その知識が身に付いていない段階であれば、それまでの経験からくるイメージは一旦脇に置くべきでしょう。
テーマ 12
麻雀の目標はあくまでルールに応じた勝利であり、アガリはそのための手段に過ぎません。高い手を狙うことも、降りることもやはり勝つための手段です。手段と目的を取り違えないよう注意しましょう。
手牌Bは打としてソーズを引いて1シャンテンになっても、は落とさずに打としてリーチが打てる受け入れを増やすため、ホンイツよりは良形リーチ狙いで打としそうです。一色の牌と字牌が多くあるとはいえ、メンツが多くターツが少ないので鳴きの価値が低く、メンゼンで進める価値が高いと判断します。
手牌Eはカンで自信を持ってリーチといけないからというよりは、カンテンパイよりは、三色、含みのとのくっつき1シャンテンの方が強いと判断してシャンテン戻しの打とします。
他に差がなければ受け入れ枚数が多い方がアガリやすいことは確かですが、アガリに遠い段階であれば、受け入れ枚数が多少増えたところでアガリ率は微かに上がるだけです。一方、打点については1翻アップするだけで低打点の場合は2倍近くになります。「現代麻雀は打点よりスピード」と言われたのは、一昔前の戦術書に、アガリまでの手数を軽視してまで、不確定要素の強い手役狙いを推奨する選択が多々見受けられたためです。昨今の戦術書から麻雀を学ばれた方は、不確定要素が大きいスピードより、確定要素の高い打点を重視して手作りを進めることをお勧めします。
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