- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析15
「勝つための現代麻雀技術論」コラムにて、麻雀の選択の手順を、「認知」「判断」「打牌」の3つのステップに分けましたが、麻雀は「認知」の重要性が卓上ゲームの中では比較的高い部類に入ります。将棋ほどは「判断」のために深い知識や読みの技術を要求されませんが、将棋の駒が40枚なのに対して麻雀牌は136枚。必然的に卓上の情報量も増えますし、しかもすぐに手番が回ってくるので素早い処理能力が求められます。
「場を見る」といっても漠然と見るだけでは効果がありませんが、かといって全体をくまなく見るのもかなりの労力になります。重要なのは、「自分の手牌だけ見た場合と判断が変わりそうな重要な情報」を見落とさないことです。
特に重要かつ頻繁に出現するのが、「場に多く切られた牌」。少なくとも3枚、4枚と見えた牌に関しては確認を怠らないようにしましょう。
「場況に対応する」ために必要なのは「判断」のための知識です。「何切る」には確かな正解がありますが、正解以外の選択肢が必ずしも悪手というわけではありません。むしろ意見が分かれそうな問題なら、局面次第で別の選択こそその場の最善手であることは珍しくありません。よって単に解答を暗記するのではなく、それぞれの打牌にどのようなメリットがあるかも踏まえたうえで問題に取り組むことをお勧めします。
119ページはが場に多く見えていることに加え、他家のダマテンの可能性を考慮に入れるケース。ダマテンの可能性は低いと言っても、手組のうえで大差ないのであれば、ダマテンの他家がいたとしても放銃リスクが低い牌を選ぶに越したことはありません。
123ページはテンパイ時に切る牌の放銃リスクを考慮に入れるケース。鳴きやすさに差があるといっても、互いに完全1シャンテンなら大差ありません。一方放銃率が10%の牌を切るとすると、それだけでアガリ率も1割減るのですから、テンパイ時に切る牌の放銃率はアガリ率に結構な影響を与えます。「和了しにくい安全策より和了しやすい危険策」というセオリーは、悪形テンパイと良形テンパイの比較のようにテンパイ打牌が通った時のアガリ率に大差がつく場合の話。どちらも大差ないならアガリを目指すうえでも放銃リスクを下げることを優先します。
現代麻雀の神ワザ
本書は日本最大のネット麻雀サイト「天鳳」における鳳南(鳳凰卓の東南戦)で、麻雀強者の牌譜を見続けてきた「鳳南研究所」による書き下ろしの麻雀戦術書です。
「強者の共通点はびっくりするほど少ない」と筆者は言います。
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