- 『ネマタの戦術本レビュー』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる戦術本レビューです。
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第2章 分析16
分析14の染め手ブラフは、アガリに遠く安い手ほど河を目立たせる、高い手ほど河を目立たないようにするという話でした。
しかし125ページのように、染め手以上に警戒されやすい手が実際に出来上がっているとなれば話は別です。アガリに遠い手ほど染め手狙いの河になりやすいので、実際に手が入っている可能性も低いという読みを逆手に取る狙いです。
逆に言えば、河と合わせると染め手の材料が十分あったにもかかわらず染め手傾向でないとなると、一色手にしなくても高い手が入っている可能性が高いことになります。大三元のような出現率の低い手役が本当に出来ているかどうかを見抜くうえで意識しておきたいところです。
手作りや仕掛けに関するセオリーは、他家も真っ直ぐアガリを目指すことを前提に置いているので、仕掛けやその後の手順で他家の挙動が変わると予想できる場合は判断が変わる場合もあります。
127ページは「メンゼンを崩したうえにあまりアガリやすくならない仕掛け」ですが、赤5を仕掛けることで他家に警戒させる狙いの仕掛け。分析14のブラフに近いですが、鳴いてもアガリ目は十分に残り打点も落ちにくいのでより効果的です。手牌が短くなるデメリットはありますが、を切ってきた東家には以外のソーズは大体通るので降りやすいというのもポイントです。
129ページは「巡目が深くなっても手広く受けない」ケース。鳴いて2翻以下の手ならテンパイ料と大差ないので、他家全員がこちらの仕掛けに降り気味に打っていると分かるなら悠々と高い手を目指すのが有力になります。
131ページは「アガリに遠い仕掛けだけど、他家からはテンパイの可能性が高く高打点のケースも否定できない」ケース。「安くて遠い仕掛けはしない」と言われることもありますが、安くて遠いなりに仕掛けてアガリに向かわざるを得ない局面は多々あります。その時は「他家から見てテンパイかつ打点もある」と思わせられるように手を進めることができないかも意識しておきたいところです。
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