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ネマタの手組の達人 第6回

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今回の牌姿は、昨年麻雀ウォッチ内で開催された、「なにきる大会」で出題されたアディショナル問題の類似形です。

選択肢の中で打は1シャンテンに取る選択。打と比べて受け入れロスはの1枚のみ。ソーズ4連形を伸ばして良形変化を狙う選択です。

、打は2シャンテンに戻す。2シャンテンに戻すなら、トイツ落としより、へのくっつきで良形が残る1シャンテンに取れる打がよいでしょう。ツモテンパイを逃した場合も打として、

ピンズ中ぶくれ形とソーズ4連形のくっつき1シャンテン。良形テンパイになる受け入れが8種もあれば、通常の無スジカンチャンテンパイと同程度かそれ以上のアガリ率が見込めます。平和もつきますね。  

しかし、今回は打ならツモで打リーチ。

のシャンポン(はスジ待ち)か、でテンパイします。これならリャンメンテンパイと同程度にはアガれそうなのでこちらが有利ではないでしょうか。

同様にツモなら、打としていた場合は同じく良形8種のくっつき1シャンテンになりますが平和はつかない形。打としていた場合はカンテンパイ(をリーチ宣言以前に切っているスジ待ち)。シャンポン待ちほどはアガリやすくありませんが、それでも通常カンチャン待ちよりはアガリやすく、符ハネで出アガリ50符になるので打点面では僅かに勝ります。一長一短ありますが、これも後者が有利と判断して、ピンズを切るなら打がよいと判断しました。

…ここまではアディショナル問題と同じですが、今回はドラが。ソーズ部分にドラがあれば、4連形かつドラをもう1枚使える可能性が残る手変わりを残すに越したことはありませんですが、今回はソーズを落とした場合、テンパイしないピンズ引きでソーズを丸ごと落としてチンイツに移行する手があります。チンイツに移行するなら、将来危険になりやすい内側から切るので打

こうなればソーズ1メンツを切り飛ばしてチンイツ2シャンテン。アガリやすさではソーズの4連形が伸びた1シャンテンに劣るとしても、鳴いても満貫なので打点は大差。ソーズの4連形から良形以上ができる変化は4種。テンパイしないピンズは5種あるのですから、手変わりの質だけでなく量でも勝ります。先にピンズで鳴ける牌が出た場合も鳴いてソーズメンツ落としでよいでしょう。

最高形は九蓮宝燈。もちろんこんな手になることは滅多にありませんが、一見受け入れ枚数が最大というだけで手変わりを一切無視したようにも見える4連形切りが、実は最高の手変わりを見据えた選択だというのが何とも面白いと感じさせられました。

10年以上前、「現代麻雀技術論」で同様の問題を取り上げました。その時はドラが違えばチンイツ狙いが候補になる(だからこそ元の問題の制作者は4連形部分をドラにした)ということはおろか、2シャンテン戻しの選択も一切頭に入っていませんでした。当時は特に考えることもない問題だと思っていましたが、改めて見ると実に奥の深い問題です…いえ、結局1手先の手牌の形を評価しているだけに過ぎないのですから、麻雀が海のように奥深いというよりは、私が視野狭窄で、浅瀬でも簡単に溺れてしまうというだけなのでしょうね。

今回の問題

 ドラ

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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