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ネマタの手組の達人 第21回

ネマタの手組の達人 第21回

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 ドラ

アガリを目指して手を進めていると、アタマより先に4メンツできることもあります。テンパイにとって良形への変化を待つことも、そのまま即リーチするかでも迷いますが、今回のように、(複数の順子がつながっている形)+リャンメンターツの形が残る場合は、順子を崩してアタマを作りやすい順子&ターツの形を作り、アタマが出来たときに良形テンパイが残るようにテンパイを外す選択も考えられます。

テンパイ外しは知らなければ選びにくい打牌なので、昔から何切る問題の定番になっていますが、実戦では単騎テンパイに受けることが大半です。単騎待ちなら123、789の順子1つにつき2種、他の順子なら1つにつき4種ものノベタン以上の手変わりがあります。それに加えて字牌単騎等の手変わりもあるのですから、アガリ率に関しては、単騎テンパイに勝る1シャンテンはほとんどないためです。

とはいえ、単騎テンパイに取っても良形変化が11種ほどあるとしても、良形テンパイには3巡程度かかります。一方、アタマを作りやすい順子&ターツ+リャンメンの1シャンテンに受けて、良形テンパイになる受けが7種程度あるなら、平均5巡程度で良形テンパイになり、悪形で即リーチするのと同程度のアガリ率が期待できます。よって、テンパイに取った方がアガリやすいとはいえ、両者のアガリ率の差はさほど大きくはありません。

よって、「テンパイを崩した方が高打点になりやすい」のであれば、順子を崩してアタマ無し1シャンテンに受けるのが有力になります。今回はテンパイ崩し側に678の三色があり、単騎待ちからの手変わりはタンヤオが崩れることもあるので、テンパイ外しに分があるとみます。

テンパイを崩すとして、選択肢には打と打を取り上げました。打ならツモ。打ならツモで良形テンパイになります。

ここだけ着目すると手変わりが多い打有利に見えますが、打ならツモでフリテンでリーチを打つ手が残ります。打としていた場合ははフリテン待ちのうえに3枚見え。流石にテンパイに取らずに再度手変わりを待った方がよさそうです。つまり実質的な手変わりは打が多く、手変わりの質も大差ないことから、なら打に分がありそうです。

ただし今回はもう1つ、打でテンパイを外す手があります。ツモの手変わりこそ無くなりますが、ツモでイーペーコーがつきます。ツモのフリテン3メンチャンも、イーペーコーがつく受け入れが多いので打点で勝ります。

ツモは3メンチャンを逃しますが、ツモは打で確定タンピン三色。打ツモでアガると三色も平和も消えてしまうので、3メンチャンが残るメリットがあまり大きくありません。

良形にはなりませんが、打はツモで1翻アップ。今度はテンパイを崩しても打点が上がりづらく、を切ったことでフリテンでない良形変化も少なくなったので打リーチに切り替える手が有力です。

 

ツモアガリ確率計算機で調べると、打>打>打ですがその差は僅か。必ずメンゼンツモの1翻がつき、ツモアガリでしか加点できないことから、低打点でも多メンチャンの評価が高く、高打点でも待ちの悪い単騎待ちの評価が低めに出ることを踏まえれば、巡目がそこそこ残っているうちは打としそうです。

今回のように多種多様の手変わりを含む手牌を実戦で迅速かつ正確に把握するのは至難の業ですが、私は極めてアバウトな基準として、「一定以上のアガリ率が見込めそうなら、満貫までは打点優先、跳満以上を狙うくらいならアガリ率優先」で選ぶようにしています。ピンズを崩すならいずれにせよアタマが出来やすいので、細かいアガリ率の差よりは打点優先で打。もしの1枚がなら、メンタンピンドラでも満貫に届くので打という感覚です。

実戦では打点よりアガリ率を重視する局面は多いので、毎回こう打つというわけではありませんが、特に点数状況が設定されていないフラットな局面であれば、これくらい打点に重きを置いてよいと考えます。アガリ率重視の選択が正解になる手牌、局面だと手組で迷う要素が少なくなってしまうので、どうしても設定が東1局の序盤ばかりになってしまいますが、その辺りは何卒ご了承下さい。

手組の達人第22回 

 ドラ

この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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