- 『ネマタの麻雀徒然草』は、麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者・ネマタさんによる「麻雀に関する話題を徒然なるままに書き連ねていく」コラムです。
現在の麻雀の点数計算となると、そもそも「場ゾロ」とは何なのかという話になります。毎回場ゾロの2翻を加えるので、役牌のみの1翻も、本来の定義からすれば3翻。私が麻雀を覚えた頃の入門書の点数表は場ゾロ込みの翻数で書かれていましたが、1翻から始まらないことに違和感を覚えたものです。
場ゾロとは何かについてはこちらで説明がされています。
「ゾロ」とはサイコロのソロ目のことで、元々は得点を増やすための追加ルールだったようです。
こちらでは、そのうち大ゾロでないと興味が薄れるということで、毎回場ゾロの2翻を加えるようになり今の得点計算のかたちになった、と解説されていますが、「興味が薄れる」という説明は腑に落ちないところがあります。何故なら、毎回2翻を加えると見た目の点数が増えるだけなので、ゲーム性のうえで特に意味のないルールになってしまうためです。
現在のリーチ麻雀では、「基本符」の1の位を切り上げ(アルシアール麻雀は符を四捨六入)、鳴き手は最低30符として、場ゾロの2翻を追加し、点数結果の10の位を切り上げる(アルシアール麻雀は切り上げない)ことで、アガリの最低点が1000点。リーチ棒の1000点と等しくなっています。
私は、リーチ麻雀の原型がアルシアール麻雀であることを踏まえると、「アガリの最低点を、リーチ棒出費の1000点と同じにするとキリが良い」というのが、場ゾロの2翻を追加した理由ではないかと推測します。リーチ麻雀の原型がアルシアール麻雀であることを踏まえると、場ゾロを追加する理由として妥当なところではないでしょうか。点数結果の切り上げについても、リーチ、ドラを採用することで点数がインフレ化したための処置であるとうかがい知れます。点数が5桁になる麻雀で10の位まで計算するのは何かと煩雑で、点棒の受け渡しも面倒になります。
今の視点だけで見ると、麻雀の点数計算の仕組みはだいぶ奇妙なものに見えますが、リーチが導入されるうえでの結果と考えれば(より優秀な方法があった可能性は否めませんが)、妥当なところではないでしょうか。