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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第36回 牌効率(その20)複雑な多面待ちを得意にしよう

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第36回 牌効率(その20)複雑な多面待ちを得意にしよう

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インターネット麻雀とリアルな麻雀の間には、多くの違いがありますが、チンイツやホンイツの多面待ちもその一つです。
ネット麻雀は、ややこしい待ちでも、アガれるときは「ロン」や「ツモ」と表示してくれるので安心です。

が、リアル麻雀だと、頼れるのは自分だけ。チンイツやホンイツができるのは嬉しいはずなのに、「これは何待ちだ?間違えてチョンボしたらまずいな…」と冷や汗をかくこともしばしばです。

実際は、チンイツやホンイツの複雑な待ちになる確率は、それほど多くはありません。1日打っていて、一度もならないこともあります。ただ、アガれると打点が高く、一撃で半荘の勝利を決めうる役でもあるので、重要性は高いですね。また何より、高い手ができるたびにヒヤヒヤすると、麻雀自体が楽しくないですよね。基本をおさえて、思い切ってチンイツやホンイツに向かえるようにしましょう。

また、もし将来プロ試験に興味がある方は、どの団体でも筆記試験で多面待ちが出題されるので、練習が必須になります。「麻雀は正解のないゲーム」と言われますが、何待ちかは必ず正解があります。そのため、試験に出しやすい面があるのですね。

多面待ちの把握は、人によっていろいろな方法がありますが、私は次のようにしました。

1  基本の7枚形を暗記する。7枚形は、この連載の第26回をご覧ください。
2  アンコがあれば、その3枚を抜いてみる。あるいは、3枚のうちの2枚を抜いてみる。
3  端からシュンツを抜いてみる。
4  スジが待ちになった場合は、横に伸びることが多いので確認する(2と5が待ちなら、8も待ちのことが多い、など)

繰り返しになりますが、基本の7枚形は超超超大事です。これをマスターすれば、成績はかなり変わります。漢字や英単語のように何千個も覚える必要はないので、気合で飲み込みましょう。

では、具体的にみてみましょう。最高位戦の筆記試験問題は、ウェブサイトに公開されていますので、その中から、最新の第46期後期の問題(PDF)をみてみます。

例えば問題6の5は、

[2][2][3][3][3][4][4][4][5][6][7][7][8] 

アンコの[3][4]を抜きます。

[2][2][5][6][7][7][8]    [3][3][3] [4][4][4]

シンプルになりましたね。[6][9]のリャンメン待ちだとわかります。(A)

次に、さきほどはアンコで抜いた[3][4]を、もし2枚抜いたらどうなるかを考えます。

[2][2][3][5][6][7][7][8]    [3][3] [4][4][4]

[2][2][4][5][6][7][7][8]    [3][3][3] [4][4]

これは、残念ながらどちらも待ちができないですね。

次に、端からシュンツを抜く作戦です。

上の方の[6][7][8]を抜くとどうでしょう。

[2][2][3][3][3][4][4][4][5][7]  [6][7][8]

[6]のカンチャン待ちができました。(B)


下の方はどうか。[2][2][3][3][4][4]のイーぺーコーが目立つので、一気に抜いてみます。

[3][4][5][6][7][7][8]  [2][2][3][3][4][4]

[7]のタンキ待ちが浮かび上がってきました。(C)

(A)(B)(C) をあわせて考えると、[6][7][9]待ちが正解、となります。

[6][9]が待ちの時は、スジの[3]も待ちになりがちなので、念の為確認して、[3]は違うことがわかればより確実です。

もう1問、問題6の9。

[1][1][1][2][3][4][6][6][6][7][7][8][8]

ぱっと目につくのは、[6][6][6][7][7][8][8]の7枚形ですね。

これは、基本7枚形の1つ(第26回で紹介したパターン12)で、[6][7][8][9]待ちです。(A)

暗記しておくと、考えることなく一瞬で待ちがわかるので有利ですね。


また、端っこからシュンツを抜いてみて、[6][6][7][7][8][8]のイーぺーコーを抜くと、

[1][1][1][2][3][4][6]  [6][6][7][7][8][8]

になります。

この形も、基本7枚形の1つ(第26回で紹介したパターン14)で、[5][6]待ちです。(B)

(A)
(B)をあわせて、[5][6][7][8][9]待ちとなります。

これは、基本形を覚えておけば、考えることなく反射的に待ちがわかるケースでした。

このように、さっと分かるケースもあるのですが、とはいえ、対局していると、頭を悩ませる場面が数多くあります。プロ入りして長い実力者の先輩でも、毎日多面待ちの反復練習をされている方が多いですが、「それでも時々、一見分からない問題があるよね」というので、初心者の方が戸惑われるのは無理はありません。

問題を解いていると、「おお、この形でこれも待ちになるのか!」と感動することも多いので、苦行をするというよりは、パズルを楽しむような感覚で練習していただければ幸いです。なにより、形に強くなると、強くなりますし、麻雀自体がより面白くなると思います。

動画では、麻雀ウオッチの
【するしないメンバーが教える!】麻雀プロ試験対策講座 多面待ち編 がとても勉強になりますので、ぜひご覧ください。

最後に、最近あった不思議な?出来事をご紹介します。

先日打っていたときの出来事です。南場でトップ目の親で、他家からリーチを受けました。無理せずオリていると、ピンズばかりツモってくるんですね。

あっという間に、このようになりました。

[①][①][①][③][④][⑤][⑥][⑦][⑧][⑨][⑨][⑨][⑨]

[②][③][⑥]待ちで、[②]でアガると九蓮宝燈です。
そして、リーチしていた方から[②]が出て、生涯初めて、憧れの役満をアガれました。

配牌から鼻息荒く狙ったのではなく、回っているうちに自然に成就したので、達成感というよりは驚きの方が大きかったですが、麻雀には奇跡的な瞬間があると実感しました。

このような時に、アガリ逃しをすると泣くに泣けないので、その意味でも、多面待ちの訓練はおすすめします!

次回は、あえてテンパイに向かわないケースについて考えます。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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