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卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第42回 打点をつくる(その4) 「ツモ力」をあげる

卓上でヨシ!麻雀暗記ノート 第42回 打点をつくる(その4) 「ツモ力」をあげる

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麻雀で気持ちよい瞬間のひとつは、「ツモ」と発声するときではないでしょうか。3人の視線が自分の手牌に集まり、一躍、主人公になれます。

Mリーグで、フェニックスの近藤誠一選手が大三元をツモった際の「カッ」は有名ですが(こちらのページから動画を見られます)、イメージ通りの牌をツモる感覚は、言葉にあらわせないですね。

メンゼンだと「ツモ」は役なので点数がアップし、他家3人から点棒をもらえる効果も大きいです。同時に3人と差をつけられる(あるいは縮められる)ので、トップに近づきます。

悩ましいのは、今どの牌をツモるかは、運によることです。一発でツモることもあれば、広い待ちなのに延々とツモれないこともあります。三面張でリーチをかけたのに、カンチャン待ちで追いかけられ、一発で放銃する、というような悲劇も起こります。

それゆえ、ときに麻雀は「運ゲー」と呼ばれることもあります。Mリーグのサクラナイツで活躍する岡田紗佳選手がインタビュー記事で語っているように、ときに理不尽な競技なのです。



だから、少しでも運を呼び寄せようと、私も、対局前に神社にお参りして、4連続トップを念じてお賽銭を1111円にしてみたり、「ゴーゴーカレー」の「必勝カレー」(カツが2枚のっている)を食べてみたりするわけですね。

それはさておき、何か技術的にできることはないでしょうか?
もちろん、あります。

1個の玉を引ける抽選で、2つの袋があるとしましょう。
A 10個の玉が入っていて、うち2個が当たり
B 10個の玉が入っていて、うち3個が当たり

どちらを選んでも良いなら、当然Bを選びますよね。Aの当選確率は20%、Bは30%で、Bの方が当たりやすいからです。いま当たるかは運次第ですが、抽選を繰り返して1万回引いたとすると、当たりはAは2000回、Bは3000回に近い値となり、長い目でみるとかなりの差がつきます。

そして、麻雀においては、自分の力で、Bの袋を用意できるのです。Aしか用意できない人と、Bを用意できる人が戦えば、長期的には後者が勝ちます。

具体的に考えてみましょう。

手作りの途中で、[一][三]か、[①][③]のどちらかのカンチャンターツを切るとします。
将来[二]をツモれそうなら[一][三]を残しますし、[②]をツモれそうなら[①][③]を残します。

何の情報もなければ、[二][②]は同じ確率なので、どちらを切っても同じ。運任せです。

が、卓上には毎巡、他家が切った牌が増えます。この情報が判断材料になります。チェックポイントは、主に3つあります。

1 既に見えている枚数が多いと、ツモりにくい

 もし、既に[二]が4枚見えているなら、今後[二]をツモれる確率はゼロです。当たり前の話ではありますが、ぼんやりしていると見逃すこともあります。
 自分が欲しいキー牌が何枚見えているかは、常に確認するのがお勧めです。4枚切れはもちろん、3枚切れでも残り1枚しかないので、なかなか厳しいといえます。

2  他家が序盤に切っている牌の周辺は、ツモりやすい
 
 もし、配牌で[①][②][②][③]があれば、いきなり[①][③]を切ることは少ないでしょう。
裏返せば、1~3巡目ぐらいまでに[①][③]を切っている他家がいたら、その人の手には[②]がない可能性が高い、といえます。
 他家が持っていないならば、残りのツモ山の中に[②]が残っており、ツモれる確率が高いと推測できます。
 他家のうち2人以上が序盤に[①][③]を切っているなら、[②]をツモれる期待がより高まります。


3 他家がホンイツやチンイツを狙っていると、その色の牌はツモりにくい
 

 例えば、他家が切った牌が[⑧][④][8][3][1]…のように並んでいると、マンズのホンイツやチンイツを狙っていると推測できます。
 ということは、その人はマンズを多く持っていますし、他家も警戒するので、マンズを手の中に抱えがちになります。つまり、将来マンズをツモれる確率は下がるので、他の色で待った方が得策になります。

 また、第23回で紹介したように、序盤は孤立しているスジ同士の牌を切ることが多いので、最初に[①]を切っている人がいると、[④]を持っている可能性が少し高く、将来[④]をツモれる確率が少し下がる、という読み方もあります。

 これらの推測を総合して、ある牌が山の中に多く残っていると思われる状態を、場況(ばきょう)が良い」と表現することがあります。放送対局の解説などで「[②]の場況が良いですね」というのは、「山の中に[②]がいっぱいありそうですね」という意味です。

 これらの技術を「山読み」といい、実力者は山読みによって、わずかでも確率をあげようとしています。

 確率についてフラットな感覚を身につけていると、メンタル面でも役立ちます。もしある日、ついていない状態が続いたとしても、「長期的には有利な選択がしている」という自信があれば、揺らぐことがないからです。

A 10個の玉が入っていて、うち2個が当たり
B 10個の玉が入っていて、うち3個が当たり

 の選択肢があって、なぜかAで当たりが連続し、Bは全く当たらない、、、ということは、短期的には起こりえます。ただ、だからといって「今日はAを選んでみようか」と揺らぐのは、長い目でみると負け組になってしまいます。

 卓上のヒントに目をこらせば、自力でツモれる確率をあげられるのも、麻雀の醍醐味の一つです。

 次回は、重要な「押し引き」の話を紹介します。

この記事のライター

藤田 明人
最高位戦日本プロ麻雀協会第43期後期(2018年入会)
兵庫県出身。東京大学法学部卒業後、新聞社に入社。
記者を経て、教育事業部門で勤務。
麻雀が、幅広い世代の学びにつながることを研究しています。

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