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羽月のシンデレラストーリー【シンデレラファイト シーズン3 SemiFinal ♯1 担当記者・坪川義昭】

羽月のシンデレラストーリー【シンデレラファイト シーズン3 SemiFinal ♯1 担当記者・坪川義昭】

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東家:梶田琴理(最高位戦日本プロ麻雀協会)
南家:みあ(日本プロ麻雀協会)
西家:鴨舞(日本プロ麻雀連盟)
北家:羽月(日本プロ麻雀協会)

セミファイナルからはAbemaでの放送となり、視聴者数も格段に増加した。
より多くの麻雀ファンの方に観てもらえることは喜びでもあり、普段以上にプレッシャーとの闘いにもなる。
各者の緊張感が画面から伝わってくる中、試合が開始された。
そんな中で本人も後に語るように、羽月はどこか普段とは違う思考を入れてしまう————

東1局

ドラの[西]をポンしたのは鴨舞だ。
[四]を序盤に放し手狭な進行となっていたが[西]さえ鳴ければ、ここからは一本道となる。
あとは一人旅をし、ゆっくりとテンパイに向かいたいところ。

そこに無筋を叩き切ったのが羽月である。
ピンフ高め三色の大物手が見えるイーシャンテンだ。この手を貰って守備的に構えている場合じゃあない。

上家の鴨舞から切られた[一]をチーすれば躱し手の出来上がりだが、1000点で流すために勝負してきたわけではない。
大きく振りかぶって[九]を横に曲げた。


この局はすぐに鴨舞にもテンパイが入り2000-4000のツモアガリとなったのだが、自身が勝ち上がるために勝負手を作り上げた羽月のナイスプレーな手順も素晴らしかった。

東3局

羽月からポンの声。
役牌の[中]を仕掛けて全力でアガリに向かう。
雀頭がなく不安定なものの、赤とドラがあれば役は確保したいところだ。

[一]を持ってきて少考の後、打[4]とした。
[一]はというと、親だけの現物であり残りの2人には通っていない。
そして、[4]を切るだけで手牌は窮屈になりアガリへの道筋が大幅に減ってしまった。
羽月もそれは理解した上で違和感のある選択をしてしまっている。
プレッシャーという見えない敵との戦いが始まった。

なんとか終盤にテンパイを入れ、流局へ持ち込んだ。

東4局1本場

タンヤオ仕掛けのみあがドラの[7]をポンし、場が沸騰しはじめる。

みあの現物待ちで鴨舞が8000点のヤミテンを入れる。
今このタイミングならば全員が警戒せずに切ってしまうような絶好の待ちが残った。
最初に掴んだ者が犠牲になる。

このヤミテンを看破するのは不可能で、羽月にとっては痛恨の失点となってしまった。

南3局2本場

羽月にとって最後のチャンスが訪れる。
ドラの重なりを逃すのは痛いものの、何を切っても後戻りできないような裏目があるならば、手牌を目一杯に広げよう。

絶好のカン[⑤]を引き、手拍子で[⑧]を河に置いた。
3着までは6300点差である。
その距離を縮めてオーラスを迎える為には見える手役は逃してはならない。
一呼吸おいて、手牌を見直すことができたならば違う選択も見えてきたかもしれない。


引き戻したのは嬉しいような、そうでないような[9]だ。
この形でテンパイが入ったならば、ヤミテンに構える余裕はもうない。
山との捲り合いに運命を託した。

羽月は回ってきたハイテイ牌に願いを込めたが、想いは届かず流局となる。
河に並んだ[四][赤五][六]が静かに卓の中に落ちていった。

南4局3本場

終局はあまりにも早かった。
みあがノーミスでチートイツをアガリ切り試合終了。

序盤のリードで逃げ切りに成功した鴨舞が一足先にファイナル進出を決めた。
みあ、梶田琴理は♯3に運命を委ねる。

そして、羽月がここで敗退となった。
悲しみと悔しさの中、涙を見せず気丈に振る舞うその姿は美しく、来年もこの舞台に戻ってきて欲しいと誰もが思っただろう。

羽月のシンデレラストーリーは一年後に次のページが開かれる————

Day7 SemiFinal 結果レポート

#2,#3観戦記

灼熱のSemiFinal#2を制したのは…!?【シンデレラファイト シーズン3 SemiFinal ♯2 担当記者・神尾美智子】

奇跡への軌跡【シンデレラファイト シーズン3 SemiFinal ♯3 担当記者・中島由矩】

公式HP

 

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