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奇跡への軌跡【シンデレラファイト シーズン3 SemiFinal  ♯3 担当記者・中島由矩】

奇跡への軌跡【シンデレラファイト シーズン3 SemiFinal ♯3 担当記者・中島由矩】

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2024年8月16日(金)AM 10:00、筆者はアイスコーヒーを飲みながら、シンデレラたちがSemiFinalに向けての意気込みを語る動画を見ていた。

 

テレビは高校野球の得点推移を報じている。応援しているブラスバンドの楽曲が新しくて耳慣れない。ねらいうちとかサウスポーは、もうやらないのかしら。

 

いやいや、意気込み動画だ。これ、言っていることはそれぞれなのだが、不思議と内容が酷似している。

 

 

「どえりゃあことになってましたね。」とは名古屋の方言だろうか。梶田琴理の胸元には、登場シーンで話題をさらったサングラスがかかっていた。

 

梶田はさらに神妙な面持ちで、「首の皮一枚でした。」と続ける。

 

 

「奇跡みたいなアガリがあったんですけれど。」とは、川上レイの弁。

 

 

先行テンパイ者への放銃牌を止め、その[中]単騎でアガるという曲芸をして見せた川上は、目線を斜めに移し「ホント奇跡ですよね…。」とつぶやきながらしみじみと噛み締めた。

 

麻雀はいつだって、1牌の後先が残酷に勝者と敗者を分かつ。BEST16は6戦とも、そういう激しい戦いだった。彼女たちは、勝ってインタビューを受けている。

 

 

小條薫は、ここまでの戦いを「全部トップ通過〜!」と笑顔で振り返った。嬉しい奇跡が連続したことに対し、手をたたいて喜びを表し、

 

 

みあは、敗退したシンデレラ、FIREBIRDでともに働く西園遥を気遣って、「はちゃ(西園の愛称)の分も頑張ります!」と力を込めた。

 

昨年のシーズン2で流した涙は、よもや忘れていないだろう。開幕戦でみあが泣いたその次の試合から、反省会にティッシュ箱が用意されるようになったことは、この観戦記にもぜひ刻んでおきたい。

 

シーズン2のことまで回想していたら、アイスコーヒーを入れたグラスは氷を残して空になり、テーブルには小さな水たまりができていた。そう言えば、台風は大丈夫なのだろうか。

 

では、Final進出最後の2枠を争った、SemiFinal♯3を振り返っていこう。

 

 

【東1局】

 

序盤にいい奇跡をつかまえて波に乗ったのは、ラストイヤーのみあ。

 

4巡目にカン[七]待ちのテンパイを入れるものの、ここは打[八]として外し、マンズ・ピンズの伸びと[6]へのくっつきを見る。

 

 

さらにはドラの[③]を引き入れて、打[6]とし、盤石なイーシャンテンに構えると、

 

 

最後はツモ[六]に妥協点を見出してリーチ。先ほどカン[七]待ちのテンパイを外したときから巡目が進み、さらに自らの手牌がドラ・赤になったことも考慮した。

 

 

みあはこのシャンポン待ちを一発でツモり、2000・4000を先制する。みんな苦しい立ち上がりだが、特に梶田は痛い親被りとなってしまった。

 

【東2局】

 

みあの独走に待ったをかけたのは、小條。

 

 

■赤引き

■ピンフ変化

■三色変化

 

など楽しみを残しながら、4巡目にダマテンを入れると、

 

 

なんと同巡にみあから[赤五]切りリーチが飛んでくる。 小條、ピンチ。

 

 

しかし小條は、川上からの[六]をとらえて、みあのアガリを未然に防いだ。同点で並走するライバルから点棒を引き出し、返す刀でトップ目からリーチ棒を奪い、Finalへの道を探る。

 

【東3局】

 

最初に選択が光ったのは、ラス目に沈んでいる梶田だった。

 

 

この試合に限ったことではないが、チートイツは梶田琴理の生命線だ。ここは、1枚でも多くのチートイツテンパイチャンスを逃すまいと、暗刻のドラ表示牌[四]を1枚外し、

 

 

最速のチートイツテンパイを取りに行く。四暗刻をはじめとするメンツ手には戻れなくなったが、 退路を断ってアガリに向かう、いい判断だ。

 

 

最後は[②]にねらいを定めて、梶田はリーチを宣言した。ダマで3200を拾うような麻雀は打っていない。

 

 

ここに勇気を持って立ち向かったのは、川上レイ。

 

ドラ表示牌でもあるカン[四]待ちは、さぞかし心許なかったことだろうが、これが他家から出たときに「ロン。」と言えないようでは弱すぎる。ツモアガって梶田のリーチ棒を加算すると一躍トップ目に立てるということもあり、ここを勝負局と定めて追いかけリーチを打った。しかし、これが山にはない。

 

 

最後に真打登場は、トップ目のみあだ。

 

私たち視聴者は、先制リーチの待ち牌が[②]単騎とカン[四]で、山にあるアガリ牌は2人合わせて1枚だけだと分かっている。みあはドラ3内蔵の両面待ちだし、三軒リーチのめくり合いを見てみたい。

 

しかし、実際ここに座っていたとして、その選択ができるかどうか。喜んで奇跡を迎えにいけるものだろうか。みあはトップ目なのだ。大事にいきたくはならないか。

 

 

果たしてみあは、最高の選択をし、ツモアガって裏ドラを1枚乗せ3000・6000とリーチ棒2本を手にした。ハートが強く、踏み込みが鋭い。目が澄んでいて、河をよく見ることができている。選択がことごとくビシッとハマる。

 

 

甲子園はー、清原のためにあるのかー。

 

という、名実況が頭をよぎった。

 

シンデレラファイトはー、みあのためにあるのかー。

 

その答えは、きっと来週出るのだろう。

 

【東4局】

 

空振りしても、空振りしても、愚直に、前に。梶田のチートイツが冴え渡る。

 

 

6巡目にテンパイ。場に1枚切れの[発]待ちは絶好だ。2着目までのわずか2300点差をまくりにいく。

 

 

一方、小條の[発]が危ない。残り1枚が山に眠ってもいる。どちらにせよ、梶田のアガリは成就目前に見えた。しかし、

 

 

[五]を暗刻にした川上が、[六][九]待ちで追いかけリーチをぶつけていく。これで勝負は、梶田が[発]を仕留めるかどうかではなくなった。梶田の単騎待ちが勝つか、それとも川上の両面待ちが勝つか。息詰まるめくり合いは、こうして幕を開けたのだった。

 

 

道中、アガリではないのに、川上が牌を手元に引き寄せる。[五]の暗カンだ。新ドラがめくれ、裏ドラが倍になる。この手をアガることができれば、Final進出をグッと手繰り寄せるはずだ。

 

 

先に川上は両面待ちだと書いたが、その片方である[九]は小條の手に4枚集まった。しかし川上は、流局が近づいたところで、

 

 

川上「1枚あればいいから。」

 

と言わんばかりのツモアガリ。リーチ・ツモ・赤の1300・2600を手にして東場が終了。BEST16で見せた[中]単騎のようなアガリを決めた。Final進出ポジションは、みあ・川上となって、折り返す。

 

【南2局】

 

南1局で最後の親番を落としたラス目の梶田だったが、逆にそれらの悪材料を覆して力強く前向きに進行したのがこの局だった。梶田は、

 

 

■ドラが字牌の[中]

■自分の手に字牌のトイツが2組

■上家がトップ目のみあ

 

という3つの武器を手に、カン[八]チーから発進すると、ソーズの出来メンツを[3][2][1]の順で河に並べていき、マンズに寄せる。

 

 

梶田の目論見通り、その後のみあの反応は機敏だった。

 

 

場風の[南]ポン

 

 

オタ風の[西]ポン

 

と、瞬く間に3副露させ、梶田は残り4枚に。

 

さすがに最後までは面倒を見る気がないみあはもちろんのこと、川上・小條も字牌とマンズが切りきれず、梶田の一軒テンパイで流局となった。梶田は3000点の収入を得、まず4着目から3着目に浮上する。

 

 

【南3局2本場】

 

ファーストテンパイはトップ目のみあ。

 

 

役牌の[発]を仕掛けて、[⑥][⑨]待ちの8000をテンパイ。これは、誰からアガるかによってもFinal進出者が変わると、視聴者をワクワクさせたが、

 

 

続いて川上もテンパイ。こちらは門前なのでリーチをかけるという選択肢もあったものの、川上はダマテンを選択。この局を静かに流す方針に決めた。

 

 

そんなトップ目・2着目の思惑を知ってか知らずか、親番の小條がリーチで勝負をかける。今まで梶田が何度もトライしてきたチートイツだ。今切られたばかりで通りやすく、なおかつ残り枚数の少ない[六]を河に放ち、タンヤオを捨てて絶好の[1]をねらう。ドラドラが頼もしい。

 

 

しかし、ここで思わぬ差し込みが発生してしまう。みあが一発で無筋の[⑧]を河に放つと、リーチの小條ではなく、ダマテンの川上にヒット。川上はこのアガリで小條との差を10000点以上に広げ、オーラスの満貫ツモに耐えられるようになった。

 

 

川上レイ・みあ、悲願の初Final進出まであと1局。

 

 

【南4局】

 

オーラスはどうしても、Final進出に向けての条件を考慮した手組みになる。トップ目のみあが親番であるため、次局があるとは考えにくい。

 

 

まずはラス目の小條が、イーペーコー・ドラドラのカン[七]待ちをリーチ。ライバル直撃以外の出アガリだと12000でも足りないが、もしツモれば一発or裏1条件ということになる。

 

 

ほどなくして、3着目の梶田からも追いかけリーチ。こっちは先に小條のリーチ棒があると分かっているから、10800点上の川上とは満貫ツモで逆転できる。

 

 

どこから出たらアガるか、あるいは見逃すか、たっぷりと時間をかけ、頭を整理してから、梶田は[七]を横に曲げた。よし決めた。この手でFinalへ。

 

 

しかし、ドラ表示牌のカン[七]というアガリ牌を見逃した小條はもちろんのこと、梶田にもアガリは生まれず、最後は流局となって熱戦にピリオドが打たれた。

 

 

 

SemiFinal♯3で、トップを獲得したみあと、同2着の川上レイは、いよいよFinalへとコマを進める。奇跡はあと1回だけでいい。

 

3着の梶田琴理と4着の小條薫はここまで。この試合において展開が向かなかったのは紛れもない事実だが、もし反省点があるとすれば、それは南4局よりももっと前の部分にあるはずだ。ちょっと気が早いけれど、来年ラストイヤーの2人をこの舞台でぜひ見たい。

 

次は8月23日(金)19:00〜、ABEMAでのFinalとなる。

 

♯1を制した鴨舞。

 

 

♯2からは酒寄美咲

 

 

この2人に、♯3を勝った2人がリベンジするという構図だ。

 

この夏最後の奇跡を、そしてそれが起こるまでの軌跡を、みんなで一緒に見届けよう。

Day7 SemiFinal 結果レポート

#1,#2観戦記

羽月のシンデレラストーリー【シンデレラファイト シーズン3 SemiFinal ♯1 担当記者・坪川義昭】

灼熱のSemiFinal#2を制したのは…!?【シンデレラファイト シーズン3 SemiFinal ♯2 担当記者・神尾美智子】

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