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ラスるために勝ち上がったんじゃない、けれど〜酒寄美咲は人を愛し麻雀を愛す〜【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final 酒寄美咲視点 担当記者・中島由矩】

ラスるために勝ち上がったんじゃない、けれど〜酒寄美咲は人を愛し麻雀を愛す〜【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final 酒寄美咲視点 担当記者・中島由矩】

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高校野球の情報を見ていて、【踊るために入部したんじゃない、けれど】というタイトルの記事が目に留まった。

 

概要は、こうだ。

 

滋賀県代表・滋賀学園の控え部員がアルプス席でやっている創作ダンスが、ちょっとした話題になった。それを指して、SNSでは「ダンスするために野球部に入ったわけじゃないだろうに」というコメントがついた、と。

 

自身も元高校球児だというその取材記者は、創作ダンスをする控え部員のことを、「現時点での負けを受け止め、応援団という役割をまっとうした経験は、その後の夢へとつながるはずだ。」と言及した。人生は長い。高校野球が終わってからが本番だ、とも。

 

 

シンデレラファイト本戦を3戦3トップでこのFinalまで勝ち上がってきたものの、Finalで手痛い4着となってしまった酒寄美咲にも、このアルプス席で踊る控え部員たちと同じことが言えるのではないだろうか。

 

もしも酒寄が、誰か心ない人に「ラスるためにFinal行ったんじゃないだろう」と揶揄されたとして、それに対して私たちはどう考え、何を思えばいいのだろう。

 

 

大事な試合の前には、神社に向かって手を合わせる。いつも太陽のように明るい酒寄には、しかし繊細な一面があった。もう少し正確に書くと、繊細な一面を悟られないよう、明るさでカバーしているところがあった。

 

 

酒寄は、自分を応援してくれる周囲への感謝を決して忘れない。最も多くの目が集まるこのFinalの舞台に、ヘルメットを持ち込んだのは、その証左だ。みんなのためにも、シンデレラになりたい。いや、なるんだ。

 

 

ボトルをあおるパフォーマンスも、自身の名前「酒」寄をアピールするため。鴨舞がネギを持っているのと理屈は同じで、視聴者に自分の存在を印象づけようと努力しているわけだ。

 

 

ここで、酒寄のアンケートをいくつか紹介しよう。

 

Q・最近成長したと思ったことは?

 

A・人を噛まなくなった(酒癖)

 

Q・麻雀プロになって嬉しかったことは?

 

A・出会いがたくさんあること。対局でドキドキワクワクできること。

 

Q・優勝したら○○が欲しい!

 

 A・みんなからの笑顔!

 

パーソナリティ診断はISFJ・献身的なサポーター。酒寄の言葉には、酒寄の頭の中には、いつだってみんながいて、そのための献身があった。みんなのために、勝ちたかった。勝って、みんなに褒めてもらいたかった。

 

 

ツモられても、放銃しても、しっかり点棒を払い、次の局が始まったらまた懸命に山に手を伸ばす。麻雀が、好きだから。

 

 

SemiFinalでは、あわや地和という三面張ダブリーも打った酒寄。このFinalでも大物手を予感させる配牌を入れるものの、

 

 

どうにも手が進まないまま先制を取られると、[北]の暗刻を落として対応した。命運を預けられる、勝負ができる、そんな形が整わない。モヤがかかったようだった。

 

 

まれに先制が取れてリーチを打てば、ドラを固めた鴨舞から押し返される。

 

 

なす術が、なかった。

 

酒寄は鴨舞に対し、事前アンケートで、

 

「勢いは私が止めます!」

 

と書いている。

 

しかし、鴨舞の勢いは、とどまることを知らなかった。

 

 

酒寄はすぐ顔に出る。

 

♯1を箱下9400点のラスで終え、巻き返しを誓った♯2の東1局で、川上レイに6000オールをツモられると、さすがにグッと来た。

 

(それは…私がやりたかったやつ…。)

 

 

さて、♯2のオーラスを、優勝までダブル役満条件で迎えた酒寄だったが、2本場から8本場まで合計7回あったうち、たった1度だけ条件を満たせそうな牌姿になった瞬間があった。

 

 

この小四喜・字一色だ。左に[1][3][9][①]と置いてあるものの、国士無双では条件を満たせない。酒寄はそこまで追い込まれていたのだった。

 

しかし、この夢のダブル役満も、

 

 

川上から3枚目の[南]がツモ切られて、泡と消えた。

 

酒寄は川上に対し、事前アンケートで、

 

「可愛い顔には惑わされないよ!!!」

 

と書いている。

 

酒寄、もしや川上に惑わされたのか。

 

 

南4局6本場、ドラがみあの風牌である[西]になった。

 

この時の、みあの条件は3000・6000ツモ。

 

■西・ホンイツ・ドラ3

■西・トイトイ・ドラ3

 

など、ドラの[西]を使って3000・6000になるルートは複数ある。

 

 

これを警戒した川上が第1打に[西]を選ぶと、

 

 

酒寄もこれに合わせ、第1打を[西]とする。即席のみあ包囲網は、こうして完成したのだった。

 

酒寄はみあに対し、事前アンケートで、

 

「ラストイヤー、お互い悔いなく戦いましょう。」

 

と書いている。

 

みあはみあの優勝を目指して思い切り腕を振った。一方で、酒寄も酒寄の麻雀を打ち、川上・みあら子方を締め上げることで、鴨舞の親番をつなげ、自らのダブル役満条件を探った。地和・大三元や、地和・四暗刻など、局数が増えれば増えるほどチャンスが増すダブル役満はいくつかある。

 

しかし、8本場まで積まれたオーラスもついには終局し、こうして酒寄美咲のシンデレラファイトはフィナーレを迎えた。プロ7年目の酒寄は、この観戦記でも「ラストイヤー」と称されることが多く、このFinalは卒業式でもある。シーズン3での快進撃は記憶に新しいところだが、昨年行われたシーズン2・DAY8では、敗退した時のワンシーンが話題になったこともあった。

 

 

また、その時に2代目シンデレラとなった新榮有理とも同卓しており、今年鴨舞の戴冠を見届けたことにより、2年連続シンデレラを送り出す側にもなった。

 

 

 

酒寄は、人が好きで、麻雀が好きだ。この手痛い敗戦もプロ人生のいい1ページにして、また今日もどこかで打っているか、飲んでいることだろう。

 

 

酒寄にとって、このシンデレラファイトが、どんな位置づけだったかは分からない。しかし、シンデレラファイトにとって酒寄美咲は、必要不可欠であり唯一無二の存在だった。

 

酒寄美咲、本当にありがとう。心から尊敬しています。

Day8 Final 結果レポート

決勝戦 各選手視点観戦記

▼3代目シンデレラになるために〜鴨舞が箱下から積み上げた29200点〜 【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final 鴨舞視点 担当記者・中島由矩】

▼川上レイから笑顔を奪った日 【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final 川上レイ視点 担当記者・坪川義昭】

▼「悔し涙ではなく嬉し涙を流したい」みあが最後に流した涙は…【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final みあ視点 担当記者・神尾美智子】

▼ラスるために勝ち上がったんじゃない、けれど〜酒寄美咲は人を愛し麻雀を愛す〜【8/23シンデレラファイト シーズン3 Final 酒寄美咲視点 担当記者・中島由矩】

公式HP

 

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