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抗えぬ運命、その一打【シンデレラファイト シーズン5 GroupD #3 担当記者・中野るい】

抗えぬ運命、その一打【シンデレラファイト シーズン5 GroupD #3 担当記者・中野るい】

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誰もが避けることのできない放銃があるとすれば――。

まず、その一人目となったのは内村翠。

昨年のシンデレラファイトシーズン4では決勝まで勝ち進み、惜しくも準優勝。それでも、プロ4年目とは思えない堂々たる打ち筋と華やかな存在感に、魅了された方も多いのではないだろうか。
現在は各地でのゲスト活動に加え、日本プロ麻雀連盟の対局実況も担当。さらに麻雀格闘俱楽部での「投票選抜戦2026」の出場選手にも選ばれるなど、人気・実力ともに急上昇中の選手だ。

Group D #3は、以下の4名で対局が開始された。
東家:桃瀬古都(日本プロ麻雀協会)
南家:柊なつき(日本プロ麻雀協会)
西家:内村翠(日本プロ麻雀連盟)
北家:平城六花(日本プロ麻雀協会)


【東3局】ドラ[②]

親番の内村は、3巡目にドラの[②]が重なり、柔軟に鳴きを入れてアガリへ向かう。
#3はトップと2着が勝ち上がるシステム。5800点のアガリでも、その価値は十分に高い。さらにドラや赤が加われば、12000点の加点も見えてくる。


3つ目の副露を入れ、内村は[②][⑤]のシャンポン待ちで聴牌。
待ち牌はすべて山に残っていた。

その直後に平城から立直が入る。

待ちは[3][6][9]の三面張待ち。こちらも山に3枚残っていた。

…だが、二人はまだ知らない。
柊の手が、国士無双十三面待ちの一向聴であることを――。

内村が聴牌してから3巡。
平城が立直してから2巡。
山に残る二人のアガリ牌、計7枚は、誰の手にも流れることなく過ぎていく。


そして柊が――

最後の1枚となる[一]を引き入れた。
国士無双十三面待ちの聴牌。

誰もが興奮を抑えきれず、配信画面に釘付けとなった瞬間。
次巡内村が手にしたのは――

[南]だった。
内村から柊への32000点の放銃。

シンデレラファイトシーズン5の本戦、初めての役満。
それは0.02~0.03%の確率とも言われる国士無双十三面待ちとなった。

そして二人目は、平城六花。

大阪に住みながら、私設リーグへの参加だけを目的に東京へ通い、多くの勉強会にも積極的に参加する努力家である。
その熱意と麻雀の精度の高さを評価され、今年は「シンデレラファイト関西チーム」のメンバーとして、産経新聞社杯オーブリーグへの出場も決定。今後さらなる飛躍が期待される、関西を代表する若手選手の一人だ。

【南4局】ドラ[3]

東家:桃瀬古都 25000
南家:柊なつき 56400
西家:内村翠 ▲15700
北家:平城六花 34300

2着目でオーラスの親番を迎えたのは平城。
3着目の桃瀬との差は9300点だった。

桃瀬が勝ち上がるためには、満貫ツモ、平城から5200点以上の直撃、または他家から12000点の出アガリが必要となる。

平城としては、流局して伏せれば2着。
トップ目の柊がアガっても、2着を確保できる。
しかし、赤ありルールであることを考えれば、桃瀬の条件は決して厳しいものではない。
自らアガリを決めて点差を広げ、もう1局につなげる選択肢もある。
その一方で、放銃だけは絶対に避けなければならず、立直も打ちづらい。
攻守のバランスが非常に難しい局面だった。

先に聴牌を入れたのは平城。

七対子、赤1。
ここで一度アガることができれば、次局は桃瀬の満貫ツモ条件が消える。
もちろん立直はせず、ダマテンに構える。

そこへ追いついたのが――桃瀬。

立直、タンヤオ、ドラ3。
ツモ、平城からの直撃、そして他家からの出アガリでも裏ドラが1枚乗れば条件を満たす。

立直を受けた平城。
聴牌を崩し、徹底して守備に回る。
しかし、最後のツモ番で完全安牌がなくなった。
思考を尽くして一打を選ぶ平城。

手牌の中で、最も通りやすいと思われた牌は――。

桃瀬の当たり牌、[8]だった。

Best16への最後の切符を手にしたのは、国士無双十三面待ちという奇跡の一撃を成就させた柊なつき。

そして、オーラスで見事に条件を満たし、2位通過を決めた桃瀬古都。

これで、シンデレラファイト シーズン5・Best16を戦うすべての選手が出揃った。

対局後の反省会。

「あの国士無双十三面待ちを避けられる人は、この世にいない」
「ほかに切れる牌がないか探してみたけど、[8]が一番いい。だから、あの放銃は回避できないね」
そう語った綱川プロからも、二人へのお咎めはなかった。

抗えぬ運命の一打によって、敗退することとなった二人。
それでも、きっとこの二人ならば、
「それも麻雀だ」と受け入れ、再び前を向いて歩き出すだろう。

Day4結果レポート

#1,#2観戦記

羽月(おかえりなさい、綱川さん。私は…。) 【シンデレラファイト シーズン5 GroupD #1 担当記者・中島由矩】

小西雅の最終舞踏会【シンデレラファイト シーズン5 GroupD #2 担当記者・坪川義昭】

公式HP

この記事のライター

中野るい
最高位戦日本プロ麻雀協会44期前期
最高位戦D3リーグ・女流Dリーグ
北海道在住。麻雀プロ・医療事務の二刀流。
趣味は飛行機と宿のセールチェックで自称麻雀プロの旅行代理店(無料)

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