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「チームとしてどうやれば勝てるのかはいまだに全くわかっていない」赤坂ドリブンズ越山監督インタビュー第1回(全3回)

「チームとしてどうやれば勝てるのかはいまだに全くわかっていない」赤坂ドリブンズ越山監督インタビュー第1回(全3回)

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Mリーグ2019開幕を直前に控えた9月27日、昨年の優勝チームである赤坂ドリブンズの監督、越山剛氏に話を聞いた。

どうやれば勝てるのかはいまだに全くわかっていない

とある麻雀店の奥に通された私たちは、越山とともに階段を登る。そこには、秘密基地のような場所が広がっていた。下の階では選手たちが練習している。昨年からドリブンズが練習場所としてメインで利用しているお店の、プライベート空間を特別に貸していただき、今回のインタビューを行うこととなった。

越山といえば、2018シーズンの半ばにインタビューしたことが思い出される。

「目指したのは最適戦術を1から作っていけるチーム」赤坂ドリブンズ越山監督インタビュー第1回(全3回)

「チームワークなんてない。それは勝ったら自然とできるもの」赤坂ドリブンズ越山監督インタビュー第2回(全3回)

「もっと3人で飲みにいってほしい。3人で飲みにいく環境を整えるのも監督の仕事」赤坂ドリブンズ越山監督インタビュー第3回(全3回)

その中で、越山は最初にドラフト会議についてこう言った。

「プロスポーツチームである以上、選手を選ぶ基準は当然『勝てる』かどうか。『勝てるチーム』より優先する方針はない。『勝てる』の解釈は本当に難しかった」。

また、最適戦術を1から作っていけるチームを目指した、とも言っていた。これを聞いている麻雀ウォッチ編集部としては、最初の質問は1つしかないように思えた。最初の質問は当然「解釈が難しいと言っていた『勝てる』の定義のようなものがわかってきたのか?最適解は見つかったのか?」だ。

越山 「初年度では優勝したわけですが、『こうすれば勝てる』については正直全然わかっていないですね。しかも、『Mリーグで勝つ』ということを考えると、今年レギュレーションが大きく変わるので、勝つための方法も作り直しだと思っています」

Mリーグ2019では、2018シーズンと大きく異なる点がある。プレーオフが2段階になった点だ。レギュラーシーズンの成績を半分にして上位6チームでプレーオフ。さらにポイントを半分にして上位4チームで決勝を行う。

越山 「つまり、決勝はレギュラーシーズンと比べてポイントが4倍になると言える。逆に言えば、レギュラーシーズンのポイント価値は1/4と見ることもできる。このレギュレーション自体はリーグ機構が全体最適を考えて決定したことだから全くもって構わない。どのチームも平等だし」

越山 「ただ、1つ考えなければならないことがあるとすると、このレギュレーションで勝つための方法が昨年とは違う可能性があるということ。マラソンでいうと、最後のスプリントレースになるようなコース設定がされたということ。40km過ぎてからの坂の勝負、みたいな。レギュラーシーズンで600ポイント離されていても決勝ではたったの150ポイント差にしかならない。これは、レギュラーシーズンの戦い方を変える必要がある可能性を検討するには十分な材料。確かにルール上はトップの価値が非常に高いので、トップ率が大事であることは言うまでもない。しかし、優勝ということを考えた場合、レギュラーシーズンのトップ率が本当に大事なのかはわからない。麻雀は相対的なゲームなので、みんながみんなトップを目指してきたら、そうじゃない行動が得をする可能性もあると思っています」

それはつまり、レギュラーシーズンを保守的にやりすごすことが勝ちにつながる可能性があるということなのだろうか。

越山 「そうなる可能性もあると思っています。いずれにしても、半年間という短期間で最適解を見つけ出し、それを実行するメンタルを保ち、その上で運のサポートがあったチームが勝つ。それは昨年と変わらないわけなので、ある意味では昨年とやることは何も変わらないと思っていますね」

やることは変わらないとはいえ、今年から新規参戦してくるチーム・選手がいる。これは大きな要素だと思われるが、新規参戦選手に対する研究を特に意識してやるというようなことはあるのだろうか。

越山 「そういった他チームの研究というのは、昨年はすごくやりました。こういうのは比べるものではないと思いますが、おそらくどのチームよりもやったという感覚がある。その効果があったのかも検証しつつ、今年も引き続きやっていきたい。ただ、新規参戦選手を特に研究するというよりは全体のトレンドをしっかりと理解することの方が大事だと思っています。昨シーズンの終盤に、たろうさんが『最初に比べてみんな厚かましくなってきている』と言っていたのが印象的でした。つまり、相手の基本行動は常に変化しているということ。ドリブンズが稼ごうと思っている期待値は、相手の傾向も含めた『相対的な期待値』。そうである以上、Mリーグのような固定メンバーでの麻雀では、特定のチームや個人の研究よりはトレンドの研究をやった方が得だと思うので、今年もそういう観点がメインになると思います」

 

15勝の投手と8勝の投手、どちらを使うか

昨年、「本来なら勝てる2人を(上限いっぱいの)40回ずつ出すべき」と言っていた越山。結果的に昨年は3選手の出場回数にあまり差がなかったが、今年は大胆に差をつけてくるのだろうか。

越山 「その基本思想は今年も変わらないですが、(優勝メンバー)3人のうち誰が勝てるのかまだわからないので、現時点で差をつけるという発想にはなっていません」

ただ、昨シーズン終盤では村上選手の出場回数が若干少なかったように見えた。そこには何か意図があったのだろうか。

越山 「確かに、昨シーズンの終盤では村上の試合数が減っていった。ただ、それはスポーツの世界だから当然の結果というだけ。例えば、仮に同じぐらいの実力評価をされている2人の投手がシーズン中に15勝と8勝という成績になっているのであれば、15勝の方を積極的に出すのがプロスポーツ。だから、シーズンが始まってある程度時間が経過しないと、どれだけ出場機会を与えることになるかはわからない。それこそ元々の雀力だけでなく、そのときのメンタル、フィジカル、敵チームとの相性など様々な要因が絡んでくるので。そういうことがわからない以上、優勝メンバーの3人についてはシーズン開幕からある程度の期間においてはフェアに均等に出場機会を与えていくことになると思います」

越山 「ただ、公平だからこそ、ドリブンズの選手たちは大変だと思います。他のチームと戦う前に、まず自チームでの競争がある。ポジションはギフトではないので。ただ、選手たちはそれをよく理解している。それがドリブンズの強みの一つだと思っています」

 

第2回「丸山の育成方法」に続く> 

 

■赤坂ドリブンズ、2019シーズンの初戦は10月1日(火)!19時からAbemaTV 麻雀チャンネルにて放送予定となっています。

この記事のライター

麻雀ウォッチ編集部
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