8/23(水)17:00よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDリーグ準決勝第2節7、8回戦の様子をお届けします。
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
開始時のポイントはこちら↓
各人にとって、今後の方針が決まりそうな7、8回戦。
珍しい事象が多発した。
7回戦、まずは白鳥にしては珍しい、遠く安い仕掛けから。
これは面白い。
の両面をチーして打とするのだが、前巡にを切っているため、ドラがトイツのイーシャンテン以上に見えることも多そうだ。
そう見せておいて、相手の出方を伺う腹積もりなのである。
したがって、この後すぐにが出ても当然ポンしないとのこと。
は大事な守備要員というわけだ。
すると、猿川にスーアンコテンパイが入った。
しかし、白鳥も3フーロで追いつき、すぐにをツモってかわす。
を温存して守備力を保ちながら進行するバランスの取れた白鳥らしい手順なのだが、それにしても珍しい白鳥の3フーロ1000点となった。
東3局では終盤にテンパイを果たした佐々木が、珍しいダマテンで平賀からを打ち取ってトップに立つと、次局も3巡目テンパイ。
愚形リーチ上等派の佐々木が、6400のペンテンパイを果たしたならば即リーチかと思いきや、佐々木の選択はなんと打のテンパイ取らず。
佐々木「入り目がなら即リーチだったが、ツモなら、まだ伸びしろがあると思った」
すなわち、このペンは待ちとして最下層であり、少なくともそれより上位のシャンポンテンパイにはなってくれそうであるし、~、~といった有効牌を引いてのテンパイやイーシャンテンのほうが有利との判断である。
実は、今期の佐々木には、こういったテンパイ外しの選択が多い。
そのため、「佐々木のリーチだから(どうせ愚形でしょ?)・・・」という押しがことごとく捕まっているように見える。
ここでも、三色のイーシャンテンからドラを放した猿川がテンパイと同時にを打って佐々木のアガリ。
佐々木が、感覚通りに手牌を成長させ、颯爽とトップを奪っていった。
続く8回戦では、平たい展開から、たろうがリーチ。
これに対し、オヤの勝又はイーシャンテンながら中を抜いていく。
が2枚見えており、押すには苦しいとの判断だ。
しかし、回っているうちに先にを引いたのであれば話は変わる。
攻勢に転じるのだが、勝又はここからではなくを切ってリーチといった。
が4枚見えているため、の薄さと、相反するの良さを見てのシャンポン受けである。
すると、村上も追いかけリーチで3軒リーチとなるも、勝又が狙い通りのツモで4000オール。
見事な攻守の切り替えでトップ目に立った。
しかし、ここから全員が決め手に欠き、3局連続流局で、溜まった供託はなんと7000点。
卓上には5000点棒が並ぶという世にも珍しい光景が広がった。
放送対局史上、おそらく最も供託が溜まった1局は、村上が一発ツモの1000・2000で制し、「放送対局史上、(たぶん)1局で最も供託を獲得した選手」という珍称号を獲得。
しかし、そんな珍事をもってしても突き崩すことができないのが、勝又の安定感。
南3局には、オヤでこんなテンパイを果たす。
誰もがリーチの7700で決めにいく選択を思い浮かべたころ、勝又は全く別の角度からこの状況を見つめていた。
勝又「ダマテンでもこれをアガれれば2着は固く、トップ争いもできる」
勝又の選択はダマテン。
堅実に3900を取りにいきつつ、手牌に攻守の選択肢を残した。
このように点数状況を最優先した思考であるため、両面にランクアップしても当然のようにダマテンを継続。
すぐにをツモって2000オールとし、2着以下を引き離した。
この手牌を3900だけにして逃げ切れる感覚がすごい。
少しでも追いかけられる意識があれば、リーチという選択に傾きそうなものだ。
それをダマテンで逃げ切るから勝又は崩れないのである。
勝又とは対照的に、崩れてしまったのはたろう。
なんとこんな手牌からをポンしていく。
役もほぼ消え、形も悪くなっている。
配牌から一向に手牌が動かず、そろそろ動いてけん制しながらテンパイ流局に持ち込まなければ・・・という思考だったのだが、対局後にたろうが語ったように「あのポンはないわあ( ̄▽ ̄;)」が正しい感覚だろう。
無理仕掛けのたろうが村上に8000を打ち上げ、ラス転落となった。
何やら珍しい出来事が多発した7、8回戦だったが、終わってみれば上位陣佐々木・勝又がトップでポイントを伸ばすという静かな結果。
徐々に縦長の展開となってきたところで、折り返しの9、10回戦に突入する。
■次回9/3(日)14:00から準決勝第3節をAbemaTV 麻雀チャンネルにて生放送予定
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藤田晋invitational RTDリーグとは
2014年に麻雀最強位を獲得した藤田晋が、団体の垣根を超え、今最も強いと言われている麻雀プロを招いて開催される長期リーグ戦。
予選ではBLACK DIVISION・WHITE DIVISIONそれぞれ8名ずつの選手が出場し、各ブロック予選全54回戦をすべて放送する。
前代未聞のスケールで開催される今大会は、名実共に最強の雀士を決める戦いと言っても過言ではない。
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