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もっと勝つための現代麻雀技術論 第192回 「メンゼンイーシャンテン時の押し引き」

もっと勝つための現代麻雀技術論 第192回 「メンゼンイーシャンテン時の押し引き」

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 第172回でも申しましたが、現麻本で記載しました押し引き判断は、「とりあえず麻雀研究はじめました」の押し引き表を参考にしています。現在ではより細かい押し引き表が作成されていますのでそちらを御参照下さい。

 とりあえず麻雀研究始めてみました - より広いケースの押し引き表(面前限定)

 こちらは局収支で見たメンゼン限定1シャンテン時の押し引き表、カテゴリ「押し引き表」から他の条件についても見ることができます。

 1シャンテンとなると押し引き表も複雑にありますが、全て覚える必要はありません。まずは明確に降り有利になる境界と、押し有利になる境界を押さえます。そうすれば、それより降り(押し)有利な場合は他の状況を特に考慮することなく降り(押し)と判断できますし、その中間にある微妙な領域についても、「微妙」であることが分かっていればこそ、押し(降り)寄りになる他の状況にも意識を向けることができるようになります。

 自分もリーチ者も子の場合、無スジ2378程度の危険牌を切るとなると、明確に押し有利になるのは、序盤で満貫以上が見込めるうえに、良形×2以上の1シャンテン。第171回でノーテンから押せるケースは基本的に、「受け入れが広く高打点が狙える1シャンテンで、残り巡目も十分にある」場合に限られると申した通りです。

 序盤では無スジを押せた手牌も、終盤となるとほぼ降り有利になっています。テンパイの場合はテンパイ料の影響があるため、中盤と終盤で押し引き判断があまり変わりませんでしたが、1シャンテンでは巡目の影響が非常に強くなっています。押すと決めるとどうしても巡目が深くなっても押しがちになるので、微妙な領域では早めに降りを選ぶとミスが少なくて済むこともあり有力かもしれません。

 一方、切る牌がスジ19程度の比較的通りやすいものであるなら、安手悪形残りでも、1シャンテンであれば明確に降り有利にはなりません。1シャンテンなら大体通る牌を止めてまでベタオリすることはないですが、スジ2378程度だと微妙な領域も増えます。

 このあたりは、テンパイした時に切る牌の危険度も重要になりそうです。テンパイしたところで押すかどうか微妙なら1シャンテンの段階で安牌を切って降りる。そうすれば自然と、まずまず通るけど思わぬ待ちが残っていて放銃といったケースも防ぎやすくなります。

 自分が親の場合、子に比べてだいぶ押せる領域が増えています。特に安手でも押せる例が出てくるのが印象的です。アガリ点が高く被ツモ失点も高くなるので、親の場合は安手でも良形×2以上の、比較的テンパイしやすいケースなら割と押していいことが分かります。逆に悪形×2といったテンパイ自体が難しく、テンパイしても悪形が残る形については、親であってもなかなか押し有利になりません。

 リーチ者が親の場合、無スジを切って1シャンテンとなると序盤でさえ大半は降り有利。降りるべき時に降りてないのは戦績に特に悪影響を与えるので、慣れないうちは親リーチにノーテンならほぼ降りるつもりで打った方がいいかもしれません。

 とはいえ切る牌が比較的通りやすい牌なら明確に降り有利にまではならないので、テンパイさえすれば押し有利な手の場合は、ベタオリに切り替える前に、比較的通る牌を切りつつテンパイを目指せる選択がないかを意識しておきましょう。

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この記事のライター

ネマタ
浄土真宗本願寺派の僧侶。麻雀戦術サイト「現代麻雀技術論」の著者。
同サイトは日本麻雀ブログ大賞2009で1位に。
1984年佐賀県生まれ。
東京大学文学部中退。

著書:「勝つための現代麻雀技術論」「もっと勝つための現代麻雀技術論 実戦編

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